「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の由来
女性の姿を花に例えたことから
- 立てば芍薬…真上にまっすぐ伸びる芍薬を思わせる美しい立ち姿
- 座れば牡丹…低い位置で咲く牡丹の花を思わせる美しい座り姿
- 歩く姿は百合の花…風に吹かれて揺れている百合を思わせる美しい歩き姿
また、それぞれの花が咲くのは5月頃に牡丹(座る)、6月頃に芍薬(立つ)、7月頃に百合(歩く)と続いていることから、座っていた女性が立ち上がるまでの美しい動作も意味しています。特にこのことわざが生まれた江戸時代は着物文化ですから、帯で絞められた女性の立ち姿はまっすぐで、着崩れないように座ったり歩いたりする姿は凛として美しかったことでしょう。
花を一番美しく観賞する方法から
- 立てば芍薬…芍薬は立って鑑賞するのが一番美しい
- 座れば牡丹…牡丹は座って鑑賞するのが一番美しい
- 歩く姿は百合の花…百合は歩きながら鑑賞するのが一番美しい
生薬としての使い方から
- 立てば芍薬…イライラと気が立っている女性には芍薬がよい
- 座れば牡丹…瘀血で座り込んで立ち上がれない女性には牡丹がよい
- 歩く姿は百合の花…フラフラと力なく歩く女性には百合がよい
ボタニ子
この由来には「芍薬、牡丹、百合を使うことで健康的で元気な美しい女性になる」という意味も含まれています。生薬の使い方を示すだけでなく、美しい女性には健康と元気も必要だと訴えているのです。単なる表面の美しさに限らず、内面からの美しさをとらえています。
「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の使い方
- この間「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」と思えるような女性と知り合った。
- 「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」の言葉通り、彼女はとても美しい女性だ。
- 礼儀正しい彼女は「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」だと自信をもって彼に紹介できる。
- 私は「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」といわれるような人になりたい。
ことわざを使う際には相手と環境に注意
女性の美しさを表すときにはぜひ活用したいことわざですが、このことわざは女性のみに使える言葉です。また、人によっては「美しい女性の“容姿のみ”を褒めている」ととらえることもあるので、職場や大衆の中では「外見に注目した表現」だと思われる場合もあります。相手の性格や発言する場所に気を付けて使いましょう。
まとめ
現代ではあまり使われなくなったことわざですが、きちんと意味を知って使えば女性を称えるすてきな言葉です。愛する奥様や彼女にぜひ使ってみてください。そして、着物を着る機会が減った現代女性はどうしても猫背になりがちです。自分は「立てば芍薬」といえるような美しい姿勢だろうか?と、今一度自分を振り返るのもよいかもしれません。
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百合は咳込んで首をもたげている女性によいという意味だともいわれます。