セルリアの育て方
注意条件の多いセルリアの栽培には、ポイントを押さえた管理が必要です。四季のある日本では、鉢植えでの栽培をおすすめします。特に夏場と冬場の管理に注目してご説明していきましょう。希少で高価、栽培難易度の高いセルリアですが、その分、見事な花が咲いたときの喜びはひとしおでしょう。
育て方①環境
セルリアの栽培には、十分な日当たりと風通しが必要です。日照不足になると、株が弱り花付きも悪くなります。そのため、夏場や冬場に室内で管理する場合にも、日当たりのよい場所を選ぶ必要があります。また、多湿を避けるために風通しのよい場所で管理をしましょう。
育て方②土作り
セルリアは、酸性土壌を好み肥えた土地や蒸れを嫌うため、酸性寄りで水はけのよい土作りを心掛けましょう。鉢植えの場合、鹿沼土5、川砂2、ピートモス2、赤玉土1くらいの割合で混ぜ合わせるとセルリアの好む土壌を作れます。地植えの場合は、元の土壌の酸度を調べてから調節するとよいでしょう。
育て方③水やり
セルリアの株は蒸れに弱いため、水のやり過ぎは避けましょう。特に日本の梅雨、夏の高温多湿な時期には注意が必要です。この時期は、風通しがよく長雨の当たらない軒下などに移動させるとよいでしょう。セルリアは乾燥に強い植物ですが、日照りが何日も続くようであれば、水切れを防ぐために水やりをしましょう。また、水やりの際には花に水がかからないよう株元にあげるようにします。
ボタニ子
育て方④肥料
セルリアは肥料をあまり好まない植物で、特にリン酸を嫌うため、リン酸を含む肥料は避けましょう。「硫安」という窒素のみを含む単肥がセルリアのようなネイティブフラワーにはおすすめです。「硫安」は速効性のある肥料で、1カ月程度効き目が持続します。水で2,000倍に薄めて、1〜2週間おきに与えるとよいでしょう。
注意①夏越し
セルリアの夏越しは、高温多湿を避けることが最大のポイントです。しかし、いくら風通しがよくて涼しく乾燥気味な置き場が見付かっても安心はできません。もちろん夏越しは可能かもしれませんが、日差しがなくては株の元気がなくなってしまいます。そのため、日の当たる軒下や窓辺など、地面より高さがあり風が通りやすい置き場がおすすめです。
注意②冬越し
セルリアの耐寒温度は0℃のため、冬の霜に当てないよう管理が必要です。そのため、寒冷地では室内での冬越しをおすすめしますが、暖房のきいていない窓辺を置き場に選びましょう。また、屋外であっても霜よけをするなどして、よく日の当たる軒下で様子を見ながら管理をします。霜よけには、株元にバークチップや麻布、ワラを敷くとよいでしょう。
花後のお手入れ
2年に1度、開花時期の12~4月を避けた秋頃に、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。株の成長と根詰まりなど根の再生も兼ねて新しい土に植え付けます。また、植え替え前の全ての花が終わった時点で、株元から約10~15cm、枝数3~5本(枝に葉を残す)を残して切り戻しておくとよいでしょう。
セルリアの増やし方
セルリアには、種まきや挿し木での増やし方があります。しかし、四季のある日本では栽培難易度が高く実績もまだ少ないため、どちらも成功は容易ではありません。また、日本での種の取り扱いがあまりなく、挿し木での増やし方をおすすめします。清潔な挿し木用土に、その年新しく伸びた枝10cm程(植え付け部分の葉を取り除く)を差し込み、根が張るまで水切れに注意しましょう。
ボタニ子
セルリアは種をまいたその年に花を咲かせるほど成長が早いんだって!
まとめ
栽培難易度が高めのセルリアですが、日当たりと乾燥具合、また夏場と冬場の置き場に注意すれば、日本でも毎年美しい花姿を見せてくれることでしょう。また、切り花・ドライフラワーとして、近年注目のネイティブフラワーを味わってみてはいかがでしょうか。
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花に直接、水が当たると枯れやすくなってしまうよ!