ヤシの木の育て方
ヤシの木は、主に観葉植物として育てられています。どの品種も成長が比較的緩やかなのが特徴で、常緑性の葉をゆっくりと楽しめます。そんなヤシの木の育て方は以下のとおりです。
育て方①栽培環境
ヤシの木は暑さに強く、太陽の光をたっぷり浴びられる環境が適しています。気温が年間を通して高めの沖縄では、地植えでの栽培が可能です。しかし、最低でも15℃程度の温度が必要のため、沖縄以外での栽培環境は鉢植えにして、室内で育てるのが適しています。
育て方②置き場所
ヤシの木を観葉植物として室内で育てる場合には、置き場所は日当たりのよい窓辺が適しています。丈夫に育てるために日光によく当てるのがポイントです。日陰でも育てられますが、弱々しい株に育ってしまう恐れがあります。そのため、日陰を置き場所にするのはあまりおすすめできません。
育て方③用土
ヤシの木を育てるには、水はけのよい用土が適しています。市販の観葉植物用の培養土を使用するか、赤玉土に腐葉土を混ぜ込みパーライトを少量加えた用土を使用してください。また、ヤシの木は栄養のある用土を好むため、元肥として緩効性の肥料を混ぜ込んでおくのがよいでしょう。
育て方④種まき
ヤシの木は、温度が十分に保てる環境でないと発芽しません。そのため、暖かくなる5月〜7月が種まきに適しています。育苗ポットに種をまき、温度を保つためにラップをかけて育てるのがポイントです。暖かい置き場所で、たっぷりと水やりをして育てると、1カ月〜3カ月ほどで発芽します。
育て方⑤水やり
発芽するまではたっぷりと水やりを行いますが、発芽後は表面が乾いてから水を与える程度で十分です。多湿を嫌うため、水の与えすぎは根腐れの原因となる恐れがあります。また、冬場は休眠期に入るため、毎日水を与える必要はありません。
定期的に霧吹きで葉水を与えよう
ヤシの木は乾燥気味に育てるのがポイントです。あまり水やりをしなくてもよいですが、葉をみずみずしく保つためには、適度な水分が必要です。霧吹きを使って葉に水を与える葉水という方法で育てると、葉のきれいな緑色を楽しめます。
育て方⑥肥料
ヤシの木の育成期は5月~10月です。この時期に、緩効性の肥料を2カ月に1度与えてください。また、ヤシの木は根の先端から肥料を吸収する性質をもっているため、幹から少し離れたところに肥料を与えるのがポイントです。
ヤシの木の病気と害虫
ヤシの木は病気や害虫被害は少ないといわれています。しかし、丈夫で健康の木であっても、きちんと管理をしないと病気や害虫被害を受けてしまいます。ヤシの木のかかりやすい病気や害虫被害をご紹介します。
炭そ病
炭そ病にかかると、葉が黒っぽくなるのが特徴です。4月〜10月にかけて発生しやすく、炭そ病にかかってしまった葉は元に戻せません。他の葉に感染しないよう、病気の葉を取り除くなど対処が必要です。
カイガラムシ
カイガラムシは名前の通り、カイガラのような殻がついた害虫です。寄生されると枝枯れを起こしやすく、ヤシの木の成長が悪くなってしまいます。カイガラムシには殺虫剤の効果があまりないため、ブラシなどで払い落としてください。
アブラムシ
アブラムシは年間を通して発生しやすいですが、暑さは苦手なため、夏はあまり発生しないのが特徴です。しかし、気温などの環境がよくなってくると集団で寄生し、ヤシの木の汁を吸ってしまいます。見つけたらすぐに殺虫剤を散布し、駆除が必要です。
ハダニ
ハダニは葉や茎などに寄生し、汁を吸ってしまいます。また、ハダニは葉の裏側などの見つけにくい場所にいることが多く、発見が遅れる可能性があるため、しっかりと観察しながら育ててください。ハダニを発見したときに、数が少ない場合はガムテープなどにくっつけて排除する方法もあります。大量に発生したら、殺虫剤を散布して駆除する方法がおすすめです。
まとめ
ヤシの木の育て方や栽培できる品種、病気と害虫被害についてご紹介しました。観葉植物として室内で育てると、気軽に南国気分を味わえる魅力的な植物です。大きさもさまざま、育て方も簡単のため、ぜひお気に入りのヤシの木を見つけて育ててみてくださいね。
- 1
- 2