アベリア・ホープレイズの特徴
半常緑低木のアベリア・ホープレイズは温暖な地域では年中常緑ですが、寒冷地では冬は落葉して葉数が少なくなります。常緑葉には光沢があり、葉を縁取るように入る覆輪斑は黄色から白色に変化していって一年中目を楽しませてくれます。
矮性のため大きくならない
矮性(わいせい)があるため放置しても最終的な木の高さは2m以下で、手入れしやすい低木です(※矮性とは、大きくならない植物の性質のことです)。地面に沿って横に広がって旺盛に伸び、春から秋の長期にわたり白や薄ピンク色の小さな花が次々と咲き続けます。
アベリアの交配種
アベリア・ホープレイズは、たくさんある園芸交配種アベリアの一つで自生はしません。挿し木で増やされる交配種です。他の交配種アベリアに比べ萌芽力が強く、株が比較的小さめなのが特徴です。
業者が「弱点がない」と太鼓判を押すほど
成長後の樹の高さも程よい低木のままです。日本では東北地方以南で植栽可能とされ、「弱点がなくておすすめ」と園芸専門業者が太鼓判を押すほど、生命力が強く管理方法も容易な交配品種なのです。年中楽しめる常緑のホープレイズは、オシャレな観賞用カラーリーフとして鉢植えにしても素敵です。
アベリア・ホープレイズが庭木として人気な理由
アベリア・ホープレイズの人気の高さの理由には、手軽に植栽できること、常緑品種のため年中枯れないこと、観賞に耐える葉色の美しさや花期の長さなどがあげられます。手入れしやすい高さの低木なので、生垣・グランドカバー・ボーダーなどに適しています。管理方法も簡単で初心者にも育てやすいおすすめの品種です。
植栽の手軽さ
土質を選ばずどこにでも植えることができるのは、アベリア・ホープレイズ品種の嬉しい特徴の一つです。高さ20cmほどの苗木を買って来たら好きなところに植えてみましょう。あとは成長していく様子を眺めて楽しむだけです。土を掘って植えるだけの手軽な植栽方法は初心者にもおすすめです。
多彩なカラーリーフ
一年中楽しめる半常緑低木のアベリア・ホープレイズは葉色が多彩で、庭を明るく華やかにするカラーリーフが特徴です。まだうす寒い新芽の頃の黄色斑入りの葉は庭を暖かく彩り、夏の白色斑入り葉とあふれるように咲く白や薄ピンクの花の饗宴(きょうえん)は、清涼感のある庭を演出してくれます。
咲き続ける花
アベリア・ホープレイズの花は、トランペットの形に似た白や淡いピンクの小花を次々に咲かせます。地域によって差はありますが、5月~10月頃までの花期の長い四季咲き性と花の芳香が魅力の特徴です。
アベリア・ホープレイズは初心者におすすめ
アベリア・ホープレイズは、初心者におすすめのカラーリーフプラントです。特別な知識や技術がなくても植えれば放任しても育ってくれるので、初心者でも失敗なく満足な成長結果が得られます。
育てやすい
土を選ばず、簡単に植えられるアベリア・ホープレイズは、耐暑性・耐寒性・耐病性・耐潮性に優れ、大気汚染、病害虫にも強いです。矮性(わいせい)の常緑低木なので、初心者の手に余るような高さにもなりません。このように育てる方法が簡単なホープレイズの特徴は、初心者がガーデニングを続けていきたいと思えるおすすめの品種なのです。
アベリアの種類と特徴
ここまでアベリア・ホープレイズ をご紹介しましたが、一般にアベリアと言えば、中国原産のアベリア・シネンシスとアベリア・ユニフロラの交配で作出された園芸品種のことを指します。アベリアの品種は豊富で現在10種類以上あります。ここでは主なアベリア品種と特徴を紹介します。
アベリア・コンフェッティー
覆輪(ふくりん)がクリーム色やピンク色に発色した斑入りアベリア園芸種の一つ。白い花が咲きます。葉が小さく、まとまりやすい樹形が特徴です。冬になるとピンク色に紅葉し、一年中変化する葉色を楽しめます。 高さのある木の根元を囲んで根締めにしたり、生垣にしてもオシャレです。
アベリア・グランディフローラ
アベリアといえばこのグランディフローラの事を指し、アベリアの基本となる園芸種です。緑色の葉をしており、初夏から秋にかけて白い花がたくさん咲き続けます。赤い色のガクとのコントラストがひときわ目を引きます。
アベリア・ カレイドスコープ
カレイドスコープ(万華鏡)の名前を持つだけあって、万華鏡を覗き込んだ時のよう広がる美しい覆輪斑(ふくりんはん)入りの華やかなカラーリーフが魅力です。若葉の頃は黄色がかった斑入り葉ですが冬に向かうにつれてオレンジ色から赤褐色を帯びた葉に変化していきます。
アベリア・エドワードゴーチャー
花期は5月~11月と長く、小枝の先に濃いピンク色の花を咲かせ続けます。桃色花をつけるアベリア品種の中では花色が濃いのが特徴です。葉色の緑に濃いピンクの花が映えます。繁殖力も旺盛で根元から枝分かれしていきます。
アベリア・ラッキーロット
ラッキーロットはアベリアの中でも寒さに強く、冬でも落葉が少ないのが特徴です。くっきりとしたクリーム色の覆輪斑(ふくりんはん)が光沢のあるグリーンリーフに映えて美しいです。園芸初心者には特におすすめの優良品種です。
アベリアの豆知識
上記で紹介した他にもアベリア・シューマニーやアベリア・フランシスメイソンなど、アベリアの名の付く改良品種はたくさんあります。品種によって違いはあるものの、アベリア品種はすべてスイカズラ科アベリア属で、特徴はよく似ています。ここではアベリアについてのちょっとした豆知識を紹介します。
花名の由来
学名の英語「Abelia(アベリア)」は、19世紀に中国で植物を採集したイギリス人のクラーク・エーベル(Clarke Abel )さんの「Abel 」にちなんでつけられたと伝えられています。また、アベリアの葉の特徴と合わせ「Glossy abelia(光沢のあるアベリア)」と呼ぶこともあるそうです。
属名の学名「Abelia(アベリア)」は、19世紀に中国で植物を採集したイギリスの医師、博物学者クラーク・エーベル(Clarke Abel / 1789~1826)の名前にちなみます。英語では「Glossy abelia(光沢のあるアベリア)」と呼ばれます。
アベリアの花言葉
生命力の強さから「強運」
その生命力の強さから「強運」という花言葉が付いています。「謙虚」「謙譲」「気品」の花言葉もあり、控えめで、つつましい、白や淡いピンクの小花のたたずまいを思わせます。
アベリア・ホープレイズの管理方法
植える土質は特に選ばず育ちますが、水はけのよい場所が育てやすいです。花付きをよくしたいときは半日陰よりは日なたが向いています。初心者におすすめできる簡単な管理方法です。
水やりの管理
地植えした場合は時々降る雨の水で十分なので、よほどの乾燥地でない限り水やりはいりません。コンテナ栽培や鉢植え栽培では土が乾いて来たらたっぷり与えます。
肥料の管理
基本的に肥料をやらなくても育ちますが、地植えの場合は元肥として有機質の緩効性肥料を施し、寒肥として2月ごろに腐葉土や油かす、たい肥などを株の周りに穴を掘って与えるのが一般的です。鉢植えは植え付け時に緩効性の有機質肥料を用土に混ぜ込み元肥とします。開花期中頃の9月に追肥として緩効性化成肥料を与え、寒肥には2月か3月あたりに化成肥料を与えます。
病害虫の管理
アベリア・ホープレイズに病害虫は寄ってきません。特に対策はいりません。ただ、枝葉が混んできて風通しが悪くなると病気や害虫が発生しやすい環境になるので、適度に剪定をして樹木の健康を保つようにします。
アベリア・ホープレイズの剪定方法
アベリア・ホープレイズは好きな時に年中剪定できます。低木品種で矮星の特徴はありますが、好みの高さや樹形に整えたいときには、ためらわず思い通りに刈り込んでいいのです。プロの手を借りるほど技術は必要ないので、ぜひ自分で剪定してみましょう。
剪定のコツ
いつでも剪定して問題ないアベリア・ホープレイズですが、ちょっとした剪定のコツがあります。あちこちにヒュンヒュン飛び出た徒長枝を枝の分かれ目で先に切除してから刈り込むと、簡単にきれいでまとまった樹形になります。剪定の時にはぜひ試してみましょう。
まとめ
「仕事に急ぐ朝の道すがら、ふと鼻をかすめたのは覚えのある花の香りだった。高校時代に彼女と並んで歩いていた時も同じ香りに包まれていたと気付き、淡い恋の思い出が蘇った。」
アベリアの花にはそんな逸話があります。目立つほど存在を主張することもなく、アベリア・ホープレイズも私たちの暮らしのワンシーンに寄り添うように植えられてきた花木です。あなたの庭にも是非植えてみてはいがでしょうか。