シレネとは
シレネには多くの品種がありますが、代表的なものは2つでアルメリア種とペンデュラ種です。それぞれ原産地が違います。アルメリア種の原産地はヨーロッパ中南部で、ペンデュラ種は地中海沿岸です。育て方の環境はどちらもやせた土地と相性がよく、寒さには強い草花になります。育て方に大きな違いはありません。
シレネの育て方
シレネの育て方①置き場
シレネを庭で育てるなら、水はけと日当たり、風通しの良い場所に植え付けましょう。暑すぎるのは苦手なので、夏の直射日光が当たらないところが好ましいです。過湿だと根腐れが心配なので、庭植えでは土を改良しましょう。鉢植えの育て方も一緒で、置き場は日当たりが良く、風が通るところにします。夏の暑い時期は風の通る半日陰に置き場を移動するとよいでしょう。
シレネの育て方②水やり
シレネが庭植えの場合は、水やりはほぼ必要ありません。ただ、雨が降らず乾燥が続くようなら水やりをしましょう。鉢植えのシレネには、土が乾いたら十分な水やりをします。水を鉢底に溜めたままにしないように、気をつけてくださいね。シレネは湿気を嫌います。根腐れを起こさないよう、水やりの頻度や水はけには注意しましょう。
シレネの育て方③肥料
シレネが自生している場所は、野原や海辺の岩場などのやせた土地になります。そのため、あまり肥沃な土壌でなくともよく育つのが特徴です。庭植えであれば、元肥を施せばとくに肥料をあげなくとも大丈夫でしょう。鉢植えは9月頃~5月頃にかけて緩効性肥料をあげます。花が咲いているときは、緩効性肥料の代わりに液肥をあげるのもよいですね。ただ、肥料のあげすぎには注意が必要です。シレネは肥料をあげすぎると、肥料やけで枯れることがあるので気をつけましょう。
シレネの手入れ
シレネの手入れ①花がら摘み
シレネの手入れとしては、花がら摘みがあります。シレネは多くの花をつけるので、少し大変かもしれませんが
、花がらを摘んでおくと栄養が行き届き長く楽しめるでしょう。シレネはこぼれた種からもよく成長するので、雑草のようにあちこちに生えてしまうのを抑えることができます。また、花がらを摘むときには、一緒に枯れた葉も取り除きましょう。シレネはあまり病気にはなりませんが、枯れた葉を取り除けばなお安心です。
シレネの手入れ②病害虫
シレネはほとんど病気にはかからない草花です。ただ害虫には注意が必要です。多いのはアブラムシ、ヨトウムシで、ナメクジがつくこともあります。薬剤などで対策をとりましょう。
シレネの手入れ③夏越し
シレネの夏越しは、暖かい地方では難しくなります。暑さにあまり強くないシレネは枯れてしまい、夏越しできないためです。二年草や多年草といわれる種類でも、夏越しできない可能性は考えておきましょう。もし夏越しができていれば、地上部が枯れてしまっても翌年にまた新芽がでてきます。
シレネの手入れ④冬越し
寒い地方では、鉢植えの置き場は外でも冬越しが可能です。シレネは原産地が氷点下になるところでも冬越ししています。ただシレネは品種が多いので、一概に冬越しできるとはいいきれません。念のため冬越しの対策として、霜に当てないよう不織布をかけたり、置き場を移動したりしましょう。地上部が枯れても残っているようなら、その部分は剪定してくださいね。
シレネの植え付けと植え替え
シレネの植え付け
鉢植えの場合
シレネを種で増やすときは、種まき用土に赤玉土、ボラ土、山野草の土のいずれかを混ぜて、水はけを良くするとよいでしょう。しっかりと水やりをして発芽させます。本葉が3枚前後になったところでポット上げしましょう。ポットに根が回ったら植え付けです。鉢植えにするときの土は、市販の培養土で構いません。水はけが良くなるように赤玉土などを混ぜてもよいでしょう。
庭植えの場合
シレネを庭に直に植え付けするときは、その場所の土をアルカリ性にします。シレネは酸性の土を嫌うため、事前に苦土石灰などで弱アルカリ性に中和しておきましょう。土が硬いときには、30cmくらいの深さまで掘り起こします。腐葉土や堆肥などを土に混ぜ込み改良しましょう。株を植え付ける間隔は20cmほどにします。水はけ、風通し、日当たりのよい場所を選んで植え付けましょう。
シレネの植え替え
シレネの形態はさまざまです。一年草に関しては植え替えは必要ありません。多年草は2年に一回程度、植え替えを行いましょう。植え替えの時期は、春なら3月~5月、秋なら9月~10月になります。鉢植えに関しては、根詰まりを起こしているようなら、1年に一回、適期に植え替えを行ってくださいね。植え替えと一緒に株分けも行うとよいでしょう。
シレネの増やし方
シレネの増やし方①種まき
シレネは種まきして増やすことができます。こぼれた種からも自然と発芽して花が咲くほどです。手入れのときは種まき用の種を採るために、花がらを少し残すとよいでしょう。シレネの種まきは9月中旬頃~10月下旬頃が適しています。また、シレネは発芽するために光が必要なので、土は軽くかぶせましょう。箱まき、ピートバン、直まき、いずれの方法でも発芽しやすいです。
シレネの増やし方②挿し芽
シレネの増やし方には挿し芽という方法もあります。種まきでも増やしやすいシレネですが、八重咲きは発芽しづらく、斑入りは斑が消えることもあるので、挿し芽で増やすとよいでしょう。挿し芽に使うのは、4月~6月頃にかけてシレネの株元からでている元気な茎です。茎を切り取り、2節か3節が埋まるように土に挿しましょう。挿し芽をした茎から新芽や根がでます。
シレネの増やし方③株分け
シレネの株分けの時期は、前述した植え替えの時期と同じ3月~5月、または9月~10月になります。大きくなった株の土を落としたら、2つか3つに分けて植え付けしましょう。
まとめ
シレネの育て方はそれほど難しくはありません。これからガーデニングを始めようと考えている方にもおすすめの草花です。増やし方もさまざまで、やりやすい方法を選ぶことができます。こぼれた種から発芽した苗を植え付け直すことでも、たくさんの花を咲かせることができるでしょう。ロックガーデンやプランターなど、好みのアレンジでシレネの良さを堪能してくださいね。
出典:写真AC