ヤツデの名前の由来
ヤツデの名前には「8」の数字が使われています。なぜ、「8」なのでしょうか。ここでは、名前の由来と花言葉について紹介します。
名前の由来
ヤツデは漢字で書くと「八つ手」「八手」となります。どちらも、8の数字が入り、手という漢字が入るため「葉っぱが8つに裂けている」と思われがちですが、これは間違った解釈なのです。8というのは、8つに裂けているという意味ではなく「多い」という意味が込められています。さらに、8という数字は末広がりで縁起がよいとされていました。そのため、「八手」「八つ手」と名付けられたとされています。
花言葉
ヤツデの花言葉は「健康」「親しみ」「分別」です。「健康」「親しみ」の花言葉は葉っぱからつけられたもので、「分別」の花言葉は花からつけられたものだとされています。
- 「健康」…厚く丈夫な葉っぱで、傷がついても目立たないことから
- 「親しみ」…ヤツデの葉っぱが掌に似ていることから
- 「分別」…賢いとの意味合いで、雄花から雌花へと変わるメカニズムから
縁起物のヤツデ
ヤツデは、縁起がよいといわれている樹木でもあります。名前も末広がりの8ですが、ヤツデが縁起がよいといわれているのは葉っぱにあります。ここでは、その理由について紹介します。
天狗のうちわ、天狗の葉っぱ
ヤツデは、別名に「天狗のうちわ」「天狗の葉っぱ」というものがあります。天狗は、山に住む妖怪もしくは神とされていて、格の高い天狗がヤツデの葉っぱに似たうちわを持っていたことが知られています。この天狗のうちわは魔除けなどの効果がありました。そのため、天狗のうちわに似ているヤツデの葉っぱにも魔除け効果があるとされ、縁起がよいものだとして扱われていました。
千客万来の縁起担ぎ
ヤツデは、葉っぱが掌に似ていることからも縁起がよいといわれていました。そのため、玄関先などに植えると「お客さんを招く」「お金を招く」などといわれ、千客万来の縁起担ぎのためにお店の入り口に植えられてきました。また、西に植えると「お金が出ていかない」ともいわれています。魔除けとしての利用もあったので、ヤツデは縁起がよいものだとして扱われていました。
ヤツデの利用方法や用途
ヤツデの用途は縁起がよいだけではありません。実用的な用途もあります。ここでは、ヤツデがどのようなことに利用されてきたのか紹介します。
ヤツデの毒性
ヤツデの利用方法や用途を知る前に、覚えておかなければならないことがあります。それは、毒性です。ヤツデは、葉っぱと根っこに毒性があります。触っても問題がある毒性ではありませんが、過剰摂取すると嘔吐などを引き起こすことがあります。これは、葉っぱなどにヤツデサポニンという物質が含まれているからです。
ボタニ子
小さい子どもは、誤って口に入れてしまうこともあります。もし誤食してしまった場合は病院を受診するようにしましょう。
虫よけとしての利用・用途
毒性のあるヤツデですが、古来はこの毒性を利用し、虫よけとしての利用方法や用途がありました。葉っぱで殺虫剤を作っていたのです。虫は、ヤツデの毒性を感じとると近寄らなくなるとされていました。
生薬としての利用・用途
毒性のある葉っぱですが、生薬としての利用や用途もありました。なぜならば、葉っぱには毒性以外にも薬用成分も含まれていたからです。もちろん、そのまま利用するのではなく乾燥させて煎じて利用していたとされています。この乾燥させて煎じたものを「八角金盤」と呼び、漢方としての利用や用途があったとされています。
ボタニ子
乾燥させた葉っぱは入浴剤としての用途もあったそうです。
まとめ
ヤツデは日陰で育てられ、丈夫であるため栽培もしやすい植物です。玄関先に植えると「お金が入ってくる」といわれている縁起もののヤツデを、ぜひこの機会に育ててみませんか?花の少ない冬に、白い花を咲かせてお庭や玄関先を華やかにしてくれますよ。
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出典:高倉