ジンジャーリリーの活用法
香料としてのジンジャーリリー
上の画像はボディウォッシュになりますが、英国王室御用達のブランドです。ジンジャーリリーの香りは香水やソープ、アロマオイルやアロマキャンドルにも使われています。日本ではあまり馴染みのない花というイメージですが、海外では香水の定番の香りとして親しまれています。
食用としてのジンジャーリリー
上の画像はホワイトジンジャーのつぼみの部分です。エディブルフラワーとして酢の物にしたり生食できます。また、エディブルフラワーのほかにもお酒に香りを移して楽しむという使い方をされています。それから食用とは少し違いますが、インドではお腹が痛い時に花をお茶のようにして飲む地域もあります。これも漢方としての効能でしょう。
ジンジャーリリーの育て方
ジンジャーリリーは強健で、とくにむずかしい管理はありません。下記に育て方の作業を表にまとめました
1~2月 | 休眠期 | 極端に寒い日がなければ特にすることはない |
3~5月 | 植えつけ | 株分けは3月中に。早く植えても気温が低いと発芽しない |
4~11月 | 生育期 | 開花期も含む。水と肥料を切らさないように |
8~10月 | 開花期 | 花は夕方に開花して香りも強くなる |
9~11月 | 花がら摘み | 枯れて見苦しくなるので、こまめに管理すること |
12月 | 休眠期 | 防寒のためのマルチングなどを施す |
ジンジャーリリーの1年
出芽のようす(4月)
まるでタケノコを思わせる出芽のようすですが、すでにこの時点で大きく育ちそうな風貌をしていますね。この時期はよく日に当てて、熱帯植物が好む環境を作ってあげましょう。もちろん常に土は湿り気を保つようにしておきましょう。
つぼみのようす(8月)
花が見られる日が待ち遠しい時期ですね。この時期はこれからの長い花期に入る用意として、肥料を与えておきましょう。10日に1度ぐらいの頻度で液肥を与えるとよいですね。また葉が大きく茂る時期でもあります。2か月を目安に置き肥も与え続けましょう。育て方のポイントとしては、この時期が花つきの良し悪しを左右することとなります。
開花のようす(10月)
ジンジャーリリーの花は、一度に咲いておしまいという形ではなく、枯れる直前まで次々に咲き続けるという大変花期の長い花です。香りのよい花がらはドライフラワーにもなりますが、枯れたり痛んだ部分はこまめに取り除きましょう。大株になりますのできちんと管理することが大切です。
休眠期のようす(2月)
原産地がインド界隈といったこともあり、寒さは苦手なジンジャーリリーですが、防寒を施せば暖地では冬越しも可能です。冬の期間は地上部が枯れますが、春になればまた活動をはじめます。株が完全に枯れた時点で地際から切り、それを株元において防寒用のマルチング代わりに使いましょう。
育て方のポイント
ジンジャーリリーは病害虫にも強い植物です。その葉には腐敗を防ぐ成分が含まれており、病気になることはほとんどないといってよいでしょう。また虫の害としてまれにヨトウムシがつくことがありますが、基本的な育て方としての温度、水、肥料さえ揃っていれば手をかける必要はありません。
ジンジャーリリーの栽培のポイント
- 熱帯植物だということを念頭において環境を整えること
- よく日に当てて土の温度を上げること。常に湿り気を保つこと
- 大株に育つので肥料を切らさないこと
- 花期が長いので、花がらや枯れた部分をこまめに管理すること
- 冬期はマルチングなどで防寒すること
ジンジャーリリーの種類
花縮砂【ホワイトジンジャー】
ジンジャーリリーの代表品種ともいえる花縮砂(ハナシュクシャ)は、ヒマラヤと中国南西部が原産地。ホワイトジンジャー、ガーランドフラワー、蝶の姿を思わせるバタフライリリーなどの別名があります。清潔な白い花には甘い香りがあり、香水の原料とされています。食用にするのにもホワイトジンジャーが適しているでしょう。ハワイではレイフラワーとしても大変高価ですが、その一方で野生化し、侵略的外来種という扱いになっている面もあります。
イエロージンジャー
ホワイトジンジャーを薄い黄色に色づけしたようなイエロージンジャーは、インド北東~ヒマラヤが原産地。湿気のある場所を好み、ハワイでは野生化しています。別名クリームジンジャーとも呼ばれて、ホワイトジンジャー同様、ハワイアンレイフラワーとしても人気の植物です。
黄花縮砂
黄色の花弁に対して、真っ赤な雄しべがとても印象的な黄花縮砂です。ホワイトやイエロージンジャーとは花序の様子が若干違い、前者にくらべて花穂が長く花が多くつくのが特徴です。原産地はヒマラヤ周辺で、カーヒリ(鳥の羽でできたハワイの装飾品)に似ていることからカーヒリジンジャーとも呼ばれています。
肉色縮砂
肉色縮砂の原産地はインド、ネパール周辺。濃厚な香りを発するホワイトジンジャーとは違い、その香りは若干弱めです。発見された時期は1815年と比較的新しく、日本には昭和に入ってからやってきました。『肉色』のネーミングもさることながら、その花穂の存在感は強烈です。
紅花縮砂
原産地はヒマラヤ、インド周辺。赤からオレンジといった強い色調の紅花縮砂は甘い芳香を持ち、大きいものでは草丈2m近くにも成長します。九州や沖縄といった暖かい地方では野生化しているようすも見られます。
まとめ
夏の太陽が沈むころに辺りに漂う甘い香り。エキゾチックな草姿と芳香が魅力のジンジャーリリーですが、観賞用はもちろん、漢方としての効能、食用のエディブルフラワー、香水、レイフラワーなどに活用される反面、有害植物としての指定も受けています。日本では園芸種として栽培されたい人も多いことでしょう。こういった事情の植物の場合、これ以上増殖が広がらないよう個人できちんと管理することが大切ですね。
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