クロサンドラとは
クロサンドラはワックスがかかったような光沢のある葉と、鮮やかなオレンジ色の花穂が魅力的な植物で、夏の定番として親しまれています。ガーデニングで寄せ植えに使用したり、観葉植物として小型の鉢で育てたりするなど、楽しみ方もさまざまです。そんなクロサンドラの特徴や育て方、冬越しのコツなどをご紹介します。
クロサンドラの基本情報
科名 | キツネノマゴ科 |
属名 | ヘリトリオシベ属 |
別名 | クロッサンドラ、サマーキャンドル |
開花時期 | 5月下旬〜10月下旬 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
クロサンドラの名前の由来
クロサンドラの名前はギリシャ語が元になっています。「房飾り」という意味の「krossos(クロッソス)」と「雄」という意味の「aner(アネラ)」の2つの言葉が合わさって付けられた名前です。クロサンドラの特徴的な雄しべの形が名前の由来です。
クロサンドラの花言葉
クロサンドラには「仲良し」「友情」「理想の美」「虚飾」という花言葉が付いています。「仲良し」や「友情」は、花が次々と連なりながら花房になっていく様子から付けられた花言葉です。また「虚飾」は緑色の苞(ほう)を隠すように、鮮やかなオレンジ色の花びらが囲っているために付いた花言葉といわれています。
苞(ほう)とは
花言葉の元にもなっている、苞(ほう)という部分をご存知ですか?苞とは苞葉とも表記され、蕾を包み込み花びらを支えるように変化した葉の部分を指します。わかりやすいイメージが、たんぽぽの黄色い花びらの下にある緑色の部分です。苞は他の葉に比べて小ぶりで、色が緑色に近いという特徴があります。
クロサンドラの特徴
クロサンドラにはさまざまな品種がありますが、代表的な花色はオレンジ色です。花穂が上に立ち上がっていく咲き姿と、鮮やかなオレンジ色の花びらは、美しい炎のように見えます。そのため「かがり火」や「スーパーキャンドル」という名前の品種が人気です。そんなクロサンドラの花や葉の特徴をご紹介します。
花
クロサンドラは開花時期が初夏〜秋までと長く、約5カ月ほど開花を楽しめます。クロサンドラの品種のなかでも代表的な花色はオレンジ色で、花穂を立ち上げて咲く姿が特徴的です。「夏の定番」と呼ばれるほど、花壇でガーデニング材料としてよく使われています。そのため「サマーキャンドル」という別名も付いています。
葉
葉は濃い緑色で、ふちが波打っています。オレンジ色の花とのコントラストがとても魅力的です。全体的につやっぽく適度な厚みがあり、ハイビスカスの葉にもよく似ています。葉の付け根部分から茎を伸ばし、その先に花びらが重なるように咲くのが特徴です。
クロサンドラの育て方
クロサンドラは育て方も簡単で、初心者でも気軽に育てられます。夏から秋にかけて長く開花し、花壇の寄せ植えや室内での観葉植物として育てるのもおすすめです。しかし寒さに弱く、10℃以下になると枯れる可能性があるため温度管理が必要です。そんなクロサンドラの育て方や、冬越しのコツなどをご紹介します。
置き場所
クロサンドラは太陽の光をたっぷりと当てて育てます。地植えの場合は、水はけのよい場所を選ぶようにしてください。また、夏は直射日光に長く当たると葉焼けを起こしてしまうため、半日陰に移すのがおすすめです。室内で育てる場合は、太陽の光が差し込む窓辺で育てましょう。花が終わる時期には、地植えのクロサンドラは植木鉢などに植え替えて、室内の暖かい置き場所に移動させて冬越しさせます。
用土
地植えでも鉢植えでも、市販の草花用培養土を使用します。水はけのよい用土が適しているため、自分で配合する場合は、赤玉土を多めにして腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。
植え付け・植え替え
植え付けや植え替えに適した時期は4月中旬〜6月下旬です。根を崩さないように、ていねいに植え付けてください。冬越しさせた株を植え替えるときは、古い土を半分ほど落としてから新しい用土に植え替えます。
植木鉢のサイズに注意する
鉢植えで育てるときに気を付けるポイントは、植木鉢のサイズです。大きすぎる植木鉢を使用すると、水を多く含み過ぎてしまい多湿になります。多湿は根腐れの原因となり、クロサンドラが枯れる可能性が高くなるため注意が必要です。クロサンドラの大きさに見合った植木鉢のサイズを選ぶようにしてください。
水やり
鉢植えの場合は土の表面をよく観察し、乾いてからたっぷりと水やりをします。水が底に落ちたら、受け皿の水は必ず捨ててください。放っておくと湿度が高くなり、根腐れの原因となったり、立ち枯れ病を起こしたりします。地植えのクロサンドラは、雨水のみで十分です。また、冬の休眠期はあまり水を吸わないため、水やりは控えめで構いません。
肥料
鉢植えも地植えも、春〜秋にかけて月に1度、緩効性の化学肥料を株元に適量与えてください。休眠期に肥料を与えすぎると根腐れの原因になるため、冬場の追肥は禁物です。また、植え付けのときの用土に、元肥を混ぜ込んでおいても構いません。
剪定
花が終わったらすぐに花がらを切り取ります。開花が長く次々と剪定が必要ですが、花がらを放っておくと花付きが悪くなるため、剪定は欠かせない作業です。また、秋までには株元20cm〜30cmを残して切り戻し剪定を行い、冬越しの準備をします。
冬越しのコツ
- 冬は10℃以上の室内で管理する
- 休眠期の水やりは控えめに行う
- 冬に肥料を与えない
- 秋までに剪定しておく
ボタニ子
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