ツキヌキニンドウの育て方
ツキヌキニンドウは開花期が長い植物で、庭木や鉢植えとして一株あると長期間楽しむことができます。土質はあまり選びませんが、暑さにやや弱い傾向があるので、直射日光が当たる場所は避けるとよいでしょう。生長が早いので、風通しがよくなるように枝が混みすぎる前に剪定が必要です。切りすぎても枯れることはあまりなく、増やし方は挿し木が一般的です。
場所
ツキヌキニンドウは、日当たりの良い場所を好みます。日陰は花付きが悪くなるので半日陰程度を保てるような場所を選びましょう。やや湿り気を好む傾向があるので、株元に直射日光が当たる場所は避けるとよいです。土質は選びませんが、水はけのよい場所が適しています。生長が早いので他の植物が勢いに押されないような場所を選ぶとよいでしょう。
特に庭植えの場合は最初の場所選びが大切で、水はけのよい状態が保てるよう腐葉土を混ぜて土質を改善しておいたり、ツルを伸ばすことを考えて植え付ける場所を選びましょう。冬場の冷たい風を防げる場所なら、葉が傷まずきれいなまま緑を楽しむことができます。鉢植えの場合は、季節によって日当たりの加減を適宜見極めて置き場所を移動させます。
肥料
肥料は庭植え、鉢植えともに3月~9月の間に骨粉(=リン酸や窒素を多く含む)入り油かすや緩効性固形肥料を、月に1回程度で与えるとよいです。骨粉はゆっくりと効果があらわれる肥料で、花つきがよくなるリン酸が多く含まれているので、長期間花を楽しむためにも様子を見ながら与えましょう。
水やり
庭植えの場合は通常の降雨のみで問題ありませんが、乾燥を嫌うので夏は状況を見て水切れのないように注意します。植え替えた直後は、根付くまで水切れのないようこまめに観察しましょう。鉢植えの場合は定期的な水やりが必要で、特に枝が伸びる3~9月の間はたっぷりと水を与えましょう。鉢の表面が乾いたら水やりをしますが、真夏は夕方にあげるとよいです。
植え替え
ツキヌキニンドウの植え替えは3~4月頃が適しています。鉢植えの場合は、2年に1度の割合で植え替えをして、根鉢を少し壊すように根の長さを1/3程度に短くします。一回り大きな鉢を用意して、水はけのよい土を準備しましょう。用土は赤玉の小粒5:鹿沼土2:腐葉土3の割合で配合したり、市販の草花用培養土を使います。
植え替え直後の水やりは、用土のみじんを抜いて根の隙間に用土がまんべんなく入るようにすると、根が安定します。流れ出る水が茶色から透明に変化すると、株がしっかりと用土で固定されている証拠で、軽く持ち上げても抜けません。2週間程度は明るい日陰で管理し、中心の芽が元気に育っていれば植え替え後に根付いたと見てよいでしょう。
増やし方
ツキヌキニンドウは、挿し木で増やすことができます。挿し木の適期は7~8月で、その年新しく伸びた枝を使います。挿し木には2~3節分のしっかりした枝を選び、一番下の節の葉は取り除いて、節が埋まるくらい用土に挿しましょう。挿し木に使う用土は弱酸性がよく、水はけや保水性に気を配ります。
鹿沼土5:赤玉土2.5:富士砂2.5の配合が目安です。砂を加えることで水持ちのよい弱酸性の用土が出来上がります。3.5号鉢を使うと根がしっかり張った株になるまでそのまま育てられます。増やし方は難しくないので、初心者でも剪定を兼ねて挑戦してみるとよいでしょう。
剪定
ツキヌキニンドウは伸びるのが早いため、剪定して形を整えることが重要です。剪定の時期は2~3月上旬の芽が付く前が適しています。花はつるの先につくので、剪定をしてあげると脇芽が増えて花つきがよく、多くの花を楽しめるでしょう。ツキヌキニンドウは自分から支柱に巻き付く力が弱いため、支柱やフェンスに誘うように巻き付けてあげると見た目がよくなります。
高さを調整したい場合には強剪定をして切り戻しましょう。強剪定とは、太い枝を短く切り詰めたり、多くの枝を落としたりする方法です。強剪定は植物の切り口が多く枯れる要因になることもありますが、ツキヌキニンドウは回復力が強いので、短めに刈り込むと春に勢いのあるつるが伸びてきます。
病気と害虫
ツキヌキニンドウは丈夫な植物で、かかりやすい病気や害虫の被害にあうことがほとんどありません。アブラムシが発生することがあるので、見つけたときは殺虫剤で駆除しましょう。他の植物を介して害虫が発生することが考えられるので、害虫の好む環境を作らないよう注意します。害虫ではありませんが、花の香りをミツバチが好むので刺されないように注意してください。
まとめ
ツキヌキニンドウは、名前の印象とともに花の咲き方に特徴があり、一度見ただけでも印象が強く残る花です。茶花で使うことが多く、他の花とのバランスがよく合います。つるがよく伸びて剪定が必要なため、増やし方に慣れたら、周囲の方に鉢ごとプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
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