イソトマとは
イソトマは星のような花をつける植物です。花色はさわやかな色が多く、かわいらしい見た目と横に広がる性質から、ハンギングにも適しています。一方で、葉や茎からは切ったときに毒性のある液体が出てくるという一面を持っています。
イソトマの基本情報
科名/属名 | キキョウ科/イソトマ属(ローレンティア属) |
別名 | ローレンティ、アヒッポブロマ、アクシラリス |
和名 | ホシアザミ(星薊) |
英名 | Pokeweed/Inkberry |
学名 | Isotoma |
形態 | 一年草 |
草丈 | 20~40cm |
イソトマの原産地はアフリカ、オーストラリア、アメリカ、地中海沿岸の地域です。本来は宿根草ですが、日本では寒さに弱く一年草の扱いとされています。
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宿根草(しゅくこんそう、しゅっこんそう)とは、毎年花を咲かせてくれる植物のことで多年草の一種です。
イソトマの花
花の色 | 白、ピンク、紫、青 |
開花時期 | 5~7月、9~10月 |
イソトマの花は5つの花びらで星のような形です。色は白、ピンク、紫、青と豊富で、開花時期が長いという特徴があります。一度切り戻しをすることで、5月ころから10月までと長い期間で花を楽しめるでしょう。イソトマの花は地面をはうように咲く性質があります。
イソトマの葉・茎
ギザギザとしたイソトマの葉。このイソトマの葉や茎は、切ると白い液体が出てきます。この白い液体には毒性があり、触るとかぶれを起こしたり、目に入ると失明のおそれがあるため、手入れの際には触れないように注意しましょう。イソトマの花言葉にはこの毒性が由来となって「猛毒」という意味もあります。
イソトマの品種
イソトマは世界に12~25種類もの品種があります。観賞用として主に扱われている品種は、イソトマ・アクシラリス(Isotoma axillaris)とイソトマ・フルビアティリス(Isotoma fluviatillis)です。イソトマの中には、日本の飛騨で誕生したイソトマ・アクシラリス「ブルーホープ飛騨」という品種もあります。
イソトマの育て方
ここではイソトマの水やり方から増やし方まで基本的な育て方についてご紹介します。
育て方①水やり
イソトマは鉢植えの土が乾燥してきたら水をあたえます。庭植えの場合は雨水のみで必要ありません。冬は乾燥気味に育てましょう。水をあたえるときは株元からあたえるようにします。これは花に水がかかって花が傷むのを防ぐためです。
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多湿が苦手なイソトマは、水のあたえすぎに注意しましょう。
育て方②置き場所
イソトマは日当たりと風通しのよい場所に置きましょう。ただしイソトマは高温多湿に弱いです。夏は半日陰へと移動し、真夏日の直射日光を避けるようにします。また梅雨の時期は雨にあたらない場所へ移動しましょう。
育て方③用土
イソトマには水はけのよい用土を使用しましょう。市販の草花用の培養土か、赤玉土6、腐葉土3、軽石1などの割合の用土が適しています。
育て方④肥料
イソトマは元肥に緩効性の化成肥料を施し、開花時期には液体肥料をあたえるようにします。肥料をあたえすぎると葉ばかりが育つことがあるので、頻度は月に1~2回あたえる程度で十分です。
育て方⑤手入れ
イソトマは花を長持ちさせるために摘心や花がら摘み、切り戻しを行います。イソトマの手入れをするときは、葉や茎から出てくる白い液体に触れないように手袋をしましょう。
摘心と花がら摘み
イソトマは花がら摘みと摘心を行うことで、開花時期にたくさんの花を楽しむことができます。終わった花は付け根部分から摘むようにしましよう。
切り戻し
イソトマは肥料のあたえすぎで葉が生い茂ってしまったり、間延びすることがあります。適宜、切り戻しをして形を整えるようにしましょう。また切り戻しをすることで、風通しがよくなりイソトマの苦手な多湿を防ぐことができます。
育て方⑥植え付け・植え替え
植え付けと植え替えは3月から5月ころに行います。春になるとイソトマのポット苗が出回るので、イソトマを育てるときは苗を植え付けるのもよいでしょう。
育て方⑦増やし方
種まき | 4~5月、9~10月 |
挿し木 | 6~7月 |
イソトマには種まきと挿し木による2通りの増やし方があります。種から増やす場合は、咲き終わった花を摘まないで採取しましょう。
種まきは春がオススメ
イソトマは15℃前後が発芽気温とされています。種まきには温かい地域でない限り、春がおすすめです。イソトマの種は発芽に光が必要となります。光があたるように種の上には土をかぶせないか、かぶせても少量に抑えましょう。水は切らさないようにします。
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イソトマのように発芽するのに光が必要な種のことを、好光性種子(こうこうせいしゅし)といいます。
挿し木は梅雨の時期に行う
イソトマの挿し木を行うタイミングは梅雨から梅雨明け時期です。挿し木による増やし方は、7cmほど茎から切り、挿し木用の赤玉土用土に挿します。下の方の葉を取り、水揚げしてから挿しましょう。切り戻しのときに切ったものを挿し木することもできます。
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切るときの切り口は斜めに切って、切り口を1~2時間水につけてから用土に挿すようにしましょう。
ボタニ子
このあとは、イソトマを育てるコツについてご紹介します。
出典:写真AC