パプリカの栽培方法
植え方と育て方のポイントが理解できたら、いよいよ栽培にチャレンジしましょう。ここでは初心者でもわかりやすいように、パプリカの栽培方法をポイントごとに解説します。
栽培方法①土づくり
畑・家庭菜園・プランターのいずれの場合も通気性のよい土を使うのが、パプリカの栽培方法の基本です。なお土づくりは、種まき・植え付けの2週間前から始めましょう。
適した肥料
初期段階での土づくりでは、肥料に苦土石灰を使います。土全体にまんべんなく肥料をまき、しっかりと馴染むようていねいに耕しましょう。
追肥
種まき・植え付けをする1週間前に、土づくりの仕上げとして追肥を行います。肥料をブレンドする配合は使う肥料によっても変わりますが、堆肥・溶リン・化成肥料を混ぜて使うのがおすすめです。
栽培方法②支柱
植え付けができるまで成長しても、パプリカの茎は非常に弱いため、収穫ができるまでに育てるには支柱が必要です。また実がつき始めるとさらに茎に負担がかかるので、支柱は収穫が終わるまで使います。
本支柱と仮支柱
パプリカ栽培で使う支柱は「本支柱」「仮支柱」の2種類です。なおパプリカの支柱は、成長に応じて本支柱と仮支柱を組み合わせて使います。
本支柱の仕立て方
本支柱は仮支柱を支える役目もあるため、仕立て方がしっかりしていないと茎が折れる原因になります。長さの目安は1.5mで、地面に対して垂直に立てます。なお株の根元からは約5cm離して立てましょう。
仮支柱の仕立て方
本支柱をたてたあとに仮支柱をたてます。仕立て方のコツは固定するひもの結び方です。8の字にしたひもの結び目に本支柱を通し、もう一方の輪に仮支柱を差し込みます。
成長に合わせた支柱の仕立て方
収穫の季節が近づいてくると、実の重さで支柱が傾くことがあります。そこで成長に合わせて仮支柱を追加していくのが、支柱の仕立て方の基本です。
栽培方法③わき芽の処理
成長に伴い茎と葉の付け根に小さな芽が生えてきます。これが「わき芽」です。パプリカの場合は成長するにつれてわき芽が増えていくのが特徴で、わき芽の処理をしないと栄養が実に行かなくなります。そのため大きな実を育てるためにも、こまめなわき芽の処理が重要です。
わき芽のとり方
わき芽は最初に花が咲いたタイミングから始めます。花の下にある2つのわき芽のみを残し、あとはすべてとります。なおとった後もすぐにわき芽は生えてくるので、花が咲いてからはこまめにわき芽を処理するよう心がけてください。
栽培方法④摘心
摘心は実を大きく成長させるために欠かせない作業です。1株で平均40個~50個の実がつきますが、摘心をしなければその数はもっと増えます。ただし摘心していない場合は栄養が実まで届かないため、収穫の季節になっても小さな実しかできません。
摘心の目的は2つある
追肥によって栄養不足を補っても摘心をせずに実の数が増え続ければ、その分株の体力が衰えてしまいます。そのため「摘心=実の成長促進」と「摘心=株の保護」が本来の目的です。
摘心のやり方
最初の摘心のタイミングは、成長のスピードによって判断します。茎が細いうちに実がついたら、茎に負担がかかる前に実を摘心します。なお実が大きくなり始めたら、収穫できる実の数を予測しながら小さい実を摘心するようにしましょう。
栽培方法⑥受粉
パプリカの受粉は、基本的に自然受粉です。そのため特別なことをしなくても、花が咲いている時に受粉が行われます。
自然受粉ができない場合は人工授粉
花が咲いても実がつかない場合は、自然受粉が難しいと判断した方がよいかもしれません。この場合は人工授粉をすると実がつきやすくなります。なお人工授粉は、花の中心に筆の毛先をあて軽くなでるだけでOKです。
まとめ
初心者には栽培の難易度が高めなパプリカですが、育て方や栽培方法のポイントを守れば、栽培1年目でも収穫まで体験できます。なお手間をかけた分だけ収穫量で達成感が味わえるのがパプリカ栽培の魅力なので、地道な作業が多いですがぜひ栽培にチャレンジしてみてください。