病気②萎凋病
土に近い部分の葉から順に枯れていく場合は、萎凋病(いちょうびょう)にかかっている可能性が高いです。
病気の原因
萎凋病も青枯病と同じく、根から病原菌が侵入することが原因です。繁殖した病原菌のせいで栄養がとれなくなり、株全体が萎えてしまうと完全に枯れてしまいます。
病気の対策
残念ながら萎凋病にかかったパプリカへの治療法はありません。少しでも被害を抑えるために、病気が見つかったら速やかに株ごと抜いて処分してください。
病気③疫病
土に近い部分が黒っぽく変色してきたら、疫病(えきびょう)を疑ってください。症状が現れたままで放置すると、株全体が黒く変色します。
病気の原因
疫病を引き起こす病原菌は、高温多湿の状態になると繁殖力が高まります。なお疫病の病原菌は、水やりをしたときの泥はねでも発生します。
病気の対策
病気の原因となる病原菌を繁殖させないのが1番の対策です。おすすめの対策は泥はねを防止することで、敷きワラやヤシの繊維、ビニールマルチなども効果があります。
病気④モザイク病
葉の表面に斑点(パプリカの場合は主に黄色い斑点)がモザイクのように広がる場合は、モザイク病にかかっている可能性が高いです。
病気の原因
モザイク病はウイルス感染が原因と考えられますが、ウイルスを運んでくる媒介役なのがアブラムシです。
病気の対策
現時点でモザイク病の治療に効果のある薬剤はありません。そのため症状が見られた部分は早めに剪定し、症状が茎全体に広がらないようにすることが唯一の対策です。
パプリカの主な害虫
栽培の難易度が高いといわれる背景には、害虫の存在もあります。主な害虫はアブラムシ・テントウムシダマシ・ハダニですが、原因や対策法はそれぞれ違います。
害虫①アブラムシ
アブラムシは、モザイク病の原因ウイルスを運んできます。しかもパプリカの茎や葉に寄生し、成長に必要な栄養分を吸いとる厄介な存在です。
害虫発生の原因
アブラムシが発生する主な原因には、通気性の悪さが挙げられます。風通しの悪い場所を好むので、葉が密集している場所に大量発生します。
害虫対策
こまめに摘芯・剪定を行い、全体的に風通しがよくなるように心がけてください。なお光が苦手なアブラムシなので、土の上に光るもの(シートなど)を置くと繁殖を防ぐ効果が期待できます。
害虫②テントウムシダマシ
パプリカを含むナス科の植物に多く見られる害虫です。収穫時期を迎えた実を好んでエサにするので、見つけたらすぐに駆除すべき害虫の1つです。
害虫発生の原因
テントウムシダマシは実を食べる害虫なので、肥料がたっぷりと使われた畑の作物をターゲットにします。また追肥直後の作物もテントウムシダマシのターゲットになりやすいです。
害虫対策
繁殖力が異常に強い害虫なので、茎に寄生させないようにするのが1番です。そのためにも肥料や追肥のし過ぎに注意し、テントウムシダマシのターゲットにされにくい状態をキープしましょう。
害虫③ハダニ
パプリカの葉の裏側に0.5mmほどの小さな虫を見つけたら、ハダニに寄生されている可能性を疑ってください。
害虫発生の原因
ハダニは空気が乾燥する季節を好んで繁殖します。なおハダニに寄生されると、成長がいちじるしく妨げられます。
害虫対策
繁殖を抑えるためにも、適度な水やりでパプリカを乾燥から守ることがポイントです。なおハダニが寄生した葉は、速やかに剪定して処分しましょう。
ボタニ子
病気と同じく、気を付けなくてはいけない害虫が多いのもパプリカの栽培の難しさですね。次ページからはパプリカの植え方について解説します!