クンシラン(君子蘭)の育て方!植え替えの際の用土・株分けのコツなど!

クンシラン(君子蘭)の育て方!植え替えの際の用土・株分けのコツなど!

クンシラン(君子蘭)は古くからある大型の鉢花植物です。きちんとした手入れと育て方をすれば、毎年春には大変見ごたえのある艶やかな花が咲きます。クンシランの育て方によっては、大きく成長した株を株分けして増やすことができるという特徴があります。

記事の目次

  1. 1.クンシラン(君子蘭)はどんな植物?
  2. 2.クンシランの育て方
  3. 3.クンシラン栽培のよくあるトラブル
  4. 4.クンシランの植え替え
  5. 5.クンシランの増やし方
  6. 6.まとめ

クンシランの育て方

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クンシランは丈夫な植物なので、初心者でも比較的育てやすい植物です。基本の育て方と手入れの方法を押さえておけば、よっぽどのことをしなければ枯らしてしまうことはないでしょう。クンシランは株の寿命が長いため、長年観葉植物として楽しめます。

クンシランの鉢植の場合

クンシランを植えるのに適切な時期は4月~5月です。開花期と重なります。店頭で花付きや色を確認して、勢いのある株を選んで購入しましょう。最初は鉢植えで買ってくることが多いと思われますので、一年目はそのまま植え替えなしで育てることをおすすめします。きちんと水やり、剪定などの手入れ、冬越しをきちんとすれば1年目はさほど手間もなく過ごせます。

クンシランの苗の場合

クンシランの苗を買う場合も、店頭で実物を確認し、勢いのある苗を選んで買いましょう。用意する植木鉢は、移動を考えて軽いものを選びましょう。用土については、クンシランは多湿を嫌いますので排水性のよい土がおすすめです。アルカリ性でなく弱酸性の土の方がよく育ちます。市販のクンシラン専用の土が便利です。
 

クンシランの育て方①好む環境

クンシランは南アフリカ原産で寒さに弱いという特徴があります。秋から春にかけては冬越しのため屋内で管理しましょう。環境は明るい日陰を好みます。日陰でも育ちますが、明るい日陰の方が生育がよいです。強い直射日光を浴びすぎると、葉焼けすることがあります。その場合は、変色した部分を剪定して取り除きます。

定期的に鉢を回転させる

クンシランは太陽の光が大好きなので、日の当たるほうに花や葉がかたよります。ボリュームがあるので、かたよりすぎるとバランスを崩して植木鉢ごと倒れてしまうことがあります。定期的に回転させ向きを変え、バランスよく育ててあげましょう。そのときに、葉の裏や見えにくい場所を見て、病気や虫などのチェックをしましょう。

クンシランの育て方②水やり

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クンシランは開花期以外の時期にも水やりが必要です。土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。葉と葉の間に水が溜まって乾かないと、病気にかかることがあるので気をつけて管理しましょう。水が溜まっていることに気づいたらテッシュなどでふき取ってあげましょう。少しの手間で病気を防げます。

クンシランの育て方③肥料・追肥

クンシランの開花期や生育期である春から秋にかけては、だいたい2週間おきに液体肥料を施しましょう。花付き、葉のツヤ張りがよくなります。やりすぎるより、少々足りないかなと思う程度にしておきます。鉢植えを買った場合も最初の用土には肥料が混ざっています。それが足りなくなった頃に追肥するといいでしょう。

クンシランの育て方④剪定

クンシランは種を採取しない場合、花が終わったら花茎を剪定します。花茎の中央部を握って前方に倒すと、簡単に花茎を折ることができます。枯れた花をそのままにしておくと栄養枯れた花に行ってしまい、根に貯めることができずに翌年の花付きが悪くなるので、花が終わったら速やかに花茎を剪定しましょう。また、葉が混みあって風通しが悪い時も剪定します。

クンシランの育て方⑤種の採取方法

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花が終わったらすみやかに花茎を切りますが、種を採取する場合は切らないでそのままにしておきましょう。花が咲き終わると、実が成って赤く熟していきます。実が赤くなったら採取してもいいのですが、種が乾燥すると発芽率が下がるため種まきの時期までそのままにしておくことをおすすめします。

クンシランの育て方⑥病・害虫

クンシランは葉が枯れる、変色する、虫がつくなどのトラブルがよくあります。クンシランが苦手な高温多湿の時期や環境だと、このような病気が起きやすいため、梅雨の時期や真夏などは特に注意が必要です。日当たりの調節や風通しをよくしたり、温度の管理をしたりして病気を予防するのが一番の対策です。

1.白絹病

白絹病は鉢の上にクモの糸のようなものがあらわれる病気です。クモの糸のようなものは菌糸です。ひどくなると株が倒れるように枯れてしまいます。一度発生すると治療することは不可能で、他の植物に感染しないように処分するしか方法はありません。土も、一度発生すると菌核が5年は残るので処分するしかありません。

2.炭疽病

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炭疽病は葉の前面に茶褐色の斑点があらわれる病気です。放っておくと全ての歯に斑点があらわれます。葉が枯れるともちろん本体も枯れてしまいます。斑点が現れた葉は早めに剪定し、感染拡大を防ぎましょう。専用の薬剤があるので散布すると予防効果があります。

3.コナカイガラムシ

クンシランの葉の裏に白い粉のような虫が発生し、葉緑素を吸い取ります。葉に黄褐色の斑点があらわれ最終的に枯らしてしまいます。オルトラン、スミオチンなどの薬剤が効果があります。コナカイガラムシはしぶとく、一度駆除したと思ってもまた発生することがあります。1~2か月経ったらもう一度薬剤を散布したほうがいいでしょう。

4.軟腐病

軟腐病はクンシランにとって最悪ともいえる病気です。しろぐされ、腐敗病とも言われます。元気だった株が、一晩のうちに葉が黒褐色になり弾力性がなくなり枯れてしまいます。軟腐病にかかると独特の腐敗臭がします。薬剤もありますが、予防効果を期待するもので一度かかってしまうと対策は困難です。

5.ナメクジ、カタツムリ

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ナメクジやカタツムリは、クンシランの新芽を好んで食べます。見ていて気持ちのよいものではありませんし、ビールで罠をつくるか、もしくは市販の忌避剤や薬剤をつかって駆除しましょう。夜行性なので夜間の見回りで駆除してもかまいませんが、卵は小さくて肉眼ではわかりません。薬剤も併用することをおすすめします。

ボタニ子

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次のページでは、クンシラン栽培でありがちなトラブルについて解説します。

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クンシラン栽培のよくあるトラブル

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