ヘリクリサムの概要
原産地はオーストラリアやタスマニア
ヘリクリサムはキク科ムギワラギク属の植物で、オーストラリアやタスマニアの乾燥地帯に自生します。暑さに強いものの高温多湿には弱く、夏場に蒸れると枯れてしまいます。耐寒性はやや弱いため、もともと多年草の品種も日本では一年草扱いです。
「ヘリクリサム」はキク科ムギワラギク属の総称
「ヘリクリサム」は学名の「Helichrysum」を語源とするムギワラギク属の総称ですが、今では帝王貝細工の花をヘリクリサムと呼びます。
種類は約500以上!
ヘリクリサムは約500種類あるといわれます。カレーのようなスパイシーな香りがするものや銀白色の葉っぱ(シルバーリーフ)を楽しむものなど品種によってさまざまです。
開花時期は5月~9月
品種にもよりますが、ヘリクリサムは一般に5~9月頃花を楽しめます。赤、オレンジ、黄色、ピンクなどの鮮やかな花を咲かせ、40cm~100cmほどの草丈になります。
硬くかさかさした「総苞片」が特徴
ヘリクリサムは、「総苞片(そうほうへん)」という葉っぱが変化したものが、かさかさして花びらのように見えるのが特徴です。
「帝王貝細工」「麦藁菊」「エバーラスティング」の別名も
ヘリクリサムは別名の「帝王貝細工」や「麦藁菊」、「エバーラスティング」とも呼ばれます。
ドライフラワーや切り花、寄せ植えの用途にも
ヘリクリサムは乾燥させても花の色、つやが残るので長く楽しめることで知られ、切り花やドライフラワーによく利用されます。また、シルバーリーフの品種は寄せ植えに人気があります。
ヘリクリサム基本情報
- 科・属名:キク科ムギワラギク属
- 学名:Helichrysum bracteatum
- 花色:赤、オレンジ、黄色、ピンク、白、紫
- 草丈:40㎝~100㎝
- 開花時期:5月~9月(※開花時期は品種による)
- 耐暑性:強い(ただし高温多湿に弱い)
- 耐寒性:やや弱い
- 園芸上の分類:自生地では多年草、日本では一年草扱い
- 増やし方:種まき、さし木、株分け
- 気をつけたい害虫:ハダニ、アブラムシ
ボタニ子
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方①土づくり・用土
水はけのよい用土を準備しよう!
鉢植えやプランター栽培の用土には市販の草花用培養土を使います。水はけのよい土を自分で作る場合は、赤玉土(小玉)6:鹿沼土4の割合で配合します。地植えする場合は、植え付ける2週間前を目安に苦土石灰を混ぜて耕し、植え付け1週間前に肥料を混ぜ込んでおきます。こうすることで水はけを向上させる効果があります。元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおいても良いでしょう。
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方②栽培場所
栽培は日当たりと風通しのよい場所で
ヘリクリサムは多湿が苦手で枯れる原因になります。日当たりが良く、風通しの良い場所で栽培します。
ボタニ子
ヘリクリサムは過湿が苦手。枯れる原因になります。日当たりと風通しの良さが栽培のポイントです!
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方③植え方・植え替えの方法
植え方
庭・花壇への植え方
植え付けの約2週間前に苦土石灰と肥料を混ぜ込んだ用土に植え付けます。株間は20cm~30cmくらい広めにとりましょう。
鉢・プランターへの植え方
鉢底石を敷き、水はけのよい用土を入れた鉢・プランターに植え付けます。
植え替えの方法
植え替えに適した時期
3月中旬~5月、9月中旬~11月上旬
地植えは植え替えの必要はありません。鉢植えやプランターの場合は根詰まりしやすいので、2~3年に一度一回り大きな鉢やプランターに植え替えます。
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方④水やり・肥料の与え方
水やりのポイント
地植えの場合、植え付け直後はたっぷりと水を与え、その後水やりはほぼ必要ありません。自然の降雨に任せます。鉢植えの場合も植え付け後は鉢底からあふれるくらいたっぷりと水やりし、その後は表面の土が乾燥してから水を与えます。ヘリクリサムは過湿が枯れる原因になるので水のやりすぎに気をつけましょう。
肥料の与え方
肥料はあまり必要としません。地植え、鉢・プランターいずれも植え付け時に緩効性化成肥料を元肥として混ぜ込んでおけば、追肥は施さなくても大丈夫です。
ヘリクリサム(帝王貝細工)の育て方⑤切り戻し・摘心
切り戻しは必要?
大幅な切り戻しは不要
ヘリクリサムは大幅な切り戻しは必要ありませんが、花後に切り戻すと脇芽が出て、花が再び咲くこともあります。葉っぱを残して、地面から15cmくらいを目安に切り戻します。
切り戻しの2つの目的
切り戻しには花後に株の形を整え、再び花が咲きやすいよう脇芽を出させるためと、細い茎や枝を整理し、風通しを良くするための2つの目的があります。そのため切り戻しは、①花後と②冬~春にかけてが適した時期です。
摘心はしたほうがいい?
摘心すると花数を増やせます
発芽から開花までの間に摘心することで茎の数を多くでき、その分花をたくさんつけます。ぜひ摘心しましょう。
摘心のポイント
新芽が出て開花までの間に数回、鉢やプランターからぴょこっとはみ出た新芽を摘心すると良いでしょう。
ヘリクリサムは鉢やプランターでの栽培も可能です!ここからは用土や植え方から栽培場所、増やし方まで、ヘリクリサムの育て方を順を追って見ていきましょう!