育て方のポイント③植え替え
地植えの植え替えの周期
地植えの場合は3年~4年に1回のペースで植え替えます。ヤマユリは連作障害を起こしやすいため、地植えでも定期的に植え替えしないと、球根が衰弱して枯死してしまう恐れがあります。植え替えの適期は植え付けと同じく2月~3月です。連作障害を防ぐために、必ず新しい用土で植え替えましょう。植え方の手順は植え付け時と同じです。
鉢植えの植え替えの周期
鉢植えの植え替えは、1年に1回のペースで行います。ヤマユリは生育旺盛な植物で、一回り大きい新しい鉢に植え替えるのがベストです。連作障害を防ぐために、用土は必ず新品を使用しましょう。今までの鉢で植え替える場合は、鉢をしっかり洗って消毒してください。適期と植え方は植え付け時と同じです。
育て方のポイント④水やり・肥料
水やり
鉢植えの水やりは、土の表面が乾いたら行うのが基本です。鉢底から水が出るくらい、たっぷりと与えましょう。地植えの場合は日照りの時期が続くなど、乾燥がひどいときだけ水やりします。過湿状態が続くと球根が腐って枯れる恐れがあるため、水のやり過ぎに注意しましょう。
肥料
地植えも鉢植えも、植え付け時の元肥として緩効性化成肥料を施します。量は2つまみほどで十分です。その後追肥として、芽が出てくる4月~5月、そして梅雨明けの6月に緩効性化成肥料を5g土に混ぜておきます。花後は9月まで、2000倍に希釈したリン酸とカリウム主体の液肥を週1回のペースで与えます。
肥料のやり過ぎは球根ばかりに養分がいってしまって、その年の花が咲かないこともあるんだよ。
実際にヤマユリの花が咲かない原因の1つが、多肥によるものです。施肥のタイミングや量には注意してくださいね。
育て方のポイント⑤日常の手入れ
手入れ①支柱立て
ヤマユリの手入れとして、支柱を立てることは大切です。充実したヤマユリは大きな花を複数つけるため、花の重みで茎が傾いてしまいます。株が倒れてしまう恐れもあるので、芽が出てきたら200cmほどの支柱を立てておきましょう。球根を傷つけないように、株元から10cmほど離して立てるのがコツです。
手入れ②花がら詰み
花後の手入れとして、花がら摘みも重要な作業です。咲き終わった花を放置していると、種を作るために養分を取られてしまい、球根を肥やせません。養分不足の球根は、翌年の花が咲かない原因となってしまいます。そうならないためにも、咲き終わった花は早急に摘み取りましょう。種を採取する場合も、種を採る花だけを残して、ほかの花は摘み取ります。
枯れた花が地面に散ると、そこから病気が発生することがあります。その点でも、花後の手入れとして花がら摘みは重要です。丁寧に行ってくださいね。
手入れ③花後の追肥
ヤマユリは咲き終わった後も追肥として、9月まで薄く希釈した液肥を1週間に1回与えます。これは球根を太らせるためです。よく肥えた球根は、翌年よい花をたくさん咲かせてくれますよ。また、咲き終わった花は早急に摘みますが、葉には光合成で作った養分を球根に送る役目が残っています。枯れるまで置いておきましょう。
球根を肥やして充実させないと、翌年の花が咲かない可能性があるんだ。きれいな花のために、花後の手入れもしっかり行おうね。
花が咲かない原因の多くが、多肥と球根の養分不足です。施肥は控えめに、球根は肥やすことを心がけましょう。
育て方のポイント⑥病気・害虫対策
ヤマユリの栽培で、注意すべき病気はウイルス病、害虫はアブラムシです。特にウイルス病はヤマユリだけではなく、ユリ全般がかかりやすいため注意しましょう。ウイルス病は一度かかると治療不可能です。症状が表れた株は用土ごと処分しましょう。アブラムシは食害するだけではなく、ウイルスの感染源になることがあります。春に入ると発生するため、この時期から定期的な薬剤散布で予防しましょう。
最後のページでは、増やし方を見ていこう!
球根は乾燥に弱いんだ。植え付け・植え替え作業は迅速に行おうね。