テンナンショウの増やし方
テンナンショウの増やし方には、球根を分球する方法と種を取って発芽させる方法の2つがあります。分球は種類によってできるものとできないものがあります。また種から増やすためには、多くの種類で雄株と雌株の最低2株を同時に開花させる必要があります。
増やし方①分球
分球しやすい種類では親株の球根のわきに小さな球根ができます。植え替えの際などに見つけたら無理やり分けないで、自然に分かれたものを別の鉢などで育てましょう。ジャガイモのように球根を切って増やす方法もありますが、失敗するリスクが高いのであまりおすすめできません。
増やし方②種から発芽
テンナンショウに種をつけさせるには、まず雄花、雌花両方の仏炎苞をはぎ取ります。綿棒などを使って雄花の花粉を雌花の柱頭につけてあげましょう。うまく受粉していれば果実が育ちます。採取した種は培養土などにまいておけば発芽しますが、発芽するまでに1~2年ほどかかるので気長な管理が必要です。
テンナンショウの種類
園芸品種としてポピュラーなテンナンショウをご紹介します。テンナンショウにはたくさんの種類がありますが、ここでご紹介するテンナンショウはいずれも日本国内に自生している種類で、比較的育てやすいと言えるでしょう。
ウラシマソウ
和名 | 浦島草 |
学名 | Arisaema urashima |
分類 | サトイモ科テンナンショウ属 |
花序の先端が糸のように長く伸びる特徴があり、これを浦島太郎の釣り糸に見立てたことからウラシマソウという名前が付きました。仏炎苞は黒っぽい紫色をしています。分球で増やすことができる種類です。
ユキモチソウ
和名 | 雪餅草 |
学名 | Arisaema sikokianum |
分類 | サトイモ科テンナンショウ属 |
仏炎苞の先から白い付属体が顔を出していて、これを餅に見立てたことが名前の由来です。乱獲により数が激減していて絶滅危惧種に指定されています。ほとんど分球しない種類なので、種で増やす方法が一般的です。
マムシグサ
和名 | 蝮草 |
学名 | Arisaema serratum |
分類 | サトイモ科テンナンショウ属 |
茎(偽茎)にマムシのようなまだら模様があることからマムシグサという名前が付きました。仏炎苞の色は黒っぽい紫から緑色までバリエーションがあります。分球で増やすことができます。
まとめ
テンナンショウは日本国内に自生する山野草ですが、性質はややデリケートなところがあるのでこまめな管理が大切です。初心者向けとはいいにくい植物ですが、環境さえうまく整えてあげれば元気に育つでしょう。最近は欧米の園芸ファンからも人気の高い植物なので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
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