カラスムギの見分け方
カラスムギの幼植物は大麦、小麦、その他麦類と同じような特徴を持ち、似ているため、見分けが全くつきません。しかし、大麦や小麦のように、葉の付け根に茎を包むような葉耳がないこと、大麦や小麦のような穂が出ないことで見分けられます。カラスムギは、麦や野菜を栽培する上で、厄介な雑草なので、こうした特徴をきちんとチェックして、農作物の被害を減らしたいですね。
えのころ草(猫じゃらし)との違い
カラスムギは野原や空き地で見られる身近な雑草です。こういった場所には、他にも似たような植物がたくさん生えています。えのころ草(正式名称は猫じゃらし)の小穂は、松の鱗片のようにくっついていますが、カラスムギはまるで葉のように小穂がバラバラについて、笹のような質感があります。
カラスムギは食べられる?
ヨーロッパではお馴染みの食品
ヨーロッパでは古くから食品として馴染みのある植物で、紀元前から食べられています。現在では手軽な朝食として人気のオートミールの材料として、栽培化されたカラスムギ(エンバク)が使われています。近年の健康ブームの中で、たっぷりの食物繊維とミネラル、穀物の中では低いカロリーが注目されており、栽培種のエンバクを使用したクッキーや、ドーナツが販売されています。
カラスムギ(エンバク)の栄養価
カラスムギ(エンバク)は、豊富なビタミンB群、パントテン酸、葉酸、抗酸化作用の強いビタミンEを含んでいて、体の機能を正常に保つのに効果がきたいできるといわれています。カルシウム、リン、マグネウムなどのミネラル、体を構成するタンパク質や、食物繊維を含み、優れた健康食といえるでしょう。野生種の栄養バランスも申し分ないため、救荒食物としても期待されています。
カラスムギの用途
家畜の飼料としての用途
現在ではほぼ栽培種のエンバクの方を飼料として使いますが、カラスムギは牧草や、家畜の飼料として、特に馬の飼料に使われていました。エンバクは世界各国で栽培されていて、日本ではオーストラリアからの輸入が多いそうです。馬の飼料として、明治初期に導入され、北海道で栽培が始まりました。カラスムギ属の植物は生息できる場所の幅が広く、荒れ地においてもよく育つので、飼料として使うにはぴったりの植物ですね。
ペット用品としての用途
カラスムギは、ペットたちの安全な天然素材としての用途もあります。「猫草」という名前でも売られている植物はカラスムギです。猫を飼っている方にはお馴染みのあの植物は、この植物の柔らかい芽の部分だったのですね。また、小鳥用の穂付き餌にも、このカラスムギを使ったものがあります。
まとめ
雑草のカラスムギが、オートミールの材料となるオート麦の原種だということがわかりましたね。栽培化されたものはもちろん、原種もとても栄養豊富で、食べられることを知らなかった方は多いのではないでしょうか。見分け方も紹介しましたので、何の変哲もない草むらが、だんだん豊かなカラスムギの穀倉地帯に見えてきそうですね。
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