ケルセチン配糖体とは
ケルセチンはほとんどの植物に含まれている苦味や色素成分の名称で、ポリフェノールの一種です。ケルセチン配糖体の配糖体という言葉には、あまり馴染みがないかもしれませんね。これはケルセチンに糖がくっついている状態を意味しています。まず初めに、ケルセチンの特徴から紹介していきます。
ポリフェノールの一種
ポリフェノールと言えば、赤ワインのアントシアニン、チョコレートのカカオポリフェノールなどがよく知られています。ケルセチンは抗酸化作用(アンチエイジング)や美肌効果・認知機能の改善に加えて、降圧作用(高血圧の正常化)やコレステロールの低下といった生活習慣病の予防や改善など、さまざまな効果があるポリフェノールのひとつです。
ケルセチン配糖体とケルセチンの違いは?
従来の不溶性ポリフェノールのケルセチンは、体内では消化吸収されませんでした。ところがこれを糖をくっつけた配糖体にしたところ、腸内でケルセチンに分解吸収され、身体によい健康効果が発揮できるようになったのです。同じ機能をもつ成分なのに、ケルセチンとケルセチン配糖体ではその働きに大きな違いがありますね。
どんな食品に含まれている?
ケルセチンの含まれている野菜は、健康野菜として知られている玉ねぎやブロッコリー・ピーマン・アスパラガスなどがあります。果物では、医者いらずと呼ばれることもあるリンゴや、イチゴなどのベリー類です。他には緑茶や紅茶・中国茶にも含まれています。どれも健康によいイメージのある食品ですね。
ケルセチン配糖体の健康効果
ケルセチン配糖体の持つ具体的な健康効果を紹介しましょう。健康診断や人間ドックで結果を渡されても、つい目を背けたくなってしまいますが、生活習慣病などは年齢と共に改善しにくくなる厄介な問題ですね。
健康効果①体脂肪の分解をうながす
体脂肪の分解と燃焼を促す働きがあるのが、ケルセチン配糖体です。内臓脂肪に皮下脂肪、どちらも身体にとって必要なものではありますが、そんなに蓄える必要もありませんね。いつのまにか溜まってしまい、ウォーキングや軽い食事制限だけではなかなか落とせないのが体脂肪です。
ケルセチンが脂肪組織に届くと脂肪分解酵素であるホルモン感受性リパーゼが活性化され、脂肪が分解されるというメカニズムを明らかにすることができました。
健康効果②悪玉コレステロールを下げる
悪玉コレステロールをコントロールする働きが、ケルセチン配糖体の研究で解明されています。ドロドロ血液が作り出す血管壁にべったりとこびりついたものが、動脈硬化の原因になる悪玉コレステロールです。特に遺伝性の脂質代謝異常(高コレステロール)は、治すのが難しい病気として知られています。
玉ねぎは淡い黄色をしています。これは、フラボノイド(植物色素の総称)のひとつである「ケルセチン配糖体」が豊富に含まれていることの証です。研究によると、ケルセチン配糖体には強い抗酸化力があり、血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑え、血圧や血糖値を下げる効果があります。
健康効果③お腹の中で分解・吸収されやすい
ケルセチンのもつ機能を腸内で分解して吸収させるのが、ケルセチン配糖体です。ケルセチンをケルセチン配糖体にすることで、体脂肪の分解やコレステロールの低減といった働きが発揮できます。私たちのお腹の中で分解・吸収できるように加工した、というのがケルセチン配糖体の最大の特徴でしょう。
サントリーは5月12日、たまねぎに多く含まれるポリフェノールの一種である「ケルセチン」にグルコースを結合させた配糖体が、ケルセチンに比べて経口摂取時の体内吸収率が120倍と大幅に高く、血中の抗酸化活性を増加させる作用があることを確認したと発表した。
ケルセチン配糖体の働き
身体にうれしい!ケルセチン配糖体の働き
- 溜まってしまった、体脂肪の分解・排出
- ドロドロ血液・悪玉コレステロールを下げる
- 分解・吸収力アップ!腸内でしっかり働く
出典:Unsplash