フェイジョアの育て方④剪定時期と方法
剪定を開始する時期
フェイジョアの剪定は、庭植えと鉢植えでタイミングが変わります。適切な剪定で、実の付きやすい枝に仕立てましょう。
庭植えの場合
庭植えのフェイジョアの場合、剪定を始めるのはある程度大きく育った2年目の冬から行います。フェイジョアは株立ちしやすいため、高さ50cm以下の枝を剪定し樹形を整えましょう。自然な樹形を楽しむならそのままでも問題ありませんが、主幹がひとつのほうが実がなりやすいです。支柱を立て、主幹以外の側枝を水平になるように誘引するとよい果実がつきやすくなります。
鉢植えの場合
鉢植えで育てている場合は、株を植え付けてから3年目くらいから剪定を開始します。混みあっている枝葉を間引きながら樹形を整えていきましょう。主幹が1本になり、上部で枝分かれしているような樹形が好ましく、シンボルツリーとしても見栄えがしますよ。フェイジョアは株元からひこばえが出やすいため、見つけたら元から切り取ってくださいね。
ボタニ子
「ひこばえ」って何のこと?
ボタ爺
木の株から生えてくる細かい若芽のことじゃよ。大きく太い幹に対して孫のように寄り添って生えるので、「孫(ひこ)生え」と呼ばれるようになったんじゃ。
摘心
フェイジョアの樹高が2mを越え、側枝が充実してきたタイミングで摘芯しましょう。ここで仕立てた樹形が、以降の剪定の目安になります。
樹形が整った後の剪定
樹形が整ったあとのフェイジョアは、新芽がのびる前の3~4月に剪定します。混み入った枝葉を間引くようなイメージで、風通しよくなるように剪定しましょう。樹形を維持するように剪定するのがポイントです。あまり枝を強く切り戻してしまうと、花が咲かなくなってしまうため注意してください。また、下垂気味の枝にはよい実がなりやすいことから、剪定せずに残すのがおすすめです。
フェイジョアの育て方⑤詳しい栽培方法
種まき
フェイジョアの種は乾燥すると発芽率が低下するため、実を収穫したあとすぐに種まきします。種を用土にまいたら発芽するまで日陰で管理しましょう。乾燥に注意し、霧吹きなどで水やりをしてください。おおよそ1~2週間ほどで発芽します。
苗の選び方
フェイジョアの苗は、葉が緑色でつやつやとしているものを選びましょう。実を楽しみたい場合は必ず2種類の品種が必要のため、購入する前に品種の確認が必須です。また、2種類のフェイジョアの開花時期が一緒かどうかも、選ぶときの大切なポイントです。
植え替え
フェイジョアの植え替えは、2年に1回の頻度で行います。水がなかなかしみこまなくなったり、鉢底から根が見えたりしていたら植え替えのタイミングです。ひと回り大きい鉢を用意して植え替えましょう。
夏越し
フェイジョアは暑さに強いため、夏越しの対策は特に必要ありません。
冬越し
フェイジョアは成木であればマイナス10℃の環境でも生育可能です。常緑樹で冬でもみずみずしい緑を楽しめますよ。しかし、苗の場合は0℃を下回ると株が弱ってしまうため、室内管理に切り替えたほうが無難です。
増やし方
フェイジョアを増やす方法は種まき、挿し木、取り木の3種類です。
種まきで増やす方法
種まきは、収穫した果実から採取した種を用います。取り出した種を水洗いし、用土にまいて発芽まで管理しましょう。種は乾燥させると発芽しにくくなるため、果実を収穫したらすぐに行ってください。花が咲くまで5~6年はかかることから、気長に育てたい方におすすめです。
挿し木で増やす方法
フェイジョアの挿し木は、6月ごろが適期です。春のうちに伸びた勢いがある枝を切り取り、挿し木用の用土に挿し込みましょう。根が出たら水切れをしないように管理し、発根が確認できたら育苗用のポットに植え替えて育ててください。
取り木で増やす方法
フェイジョアを取り木で増やしたい場合は4月ごろが適期です。挿し木同様に前年に伸びた勢いのある枝の表皮を剥き、水を含ませた水コケを巻いて固定してください。発根が確認できたら枝ごと切りとって、用土を入れた育苗ポットに挿し、大きくなるまで育てましょう。
人工授粉
フェイジョアは、人工授粉をすることでより実のつきがよくなります。授粉は晴れた日の午前中、開花してすぐの時間を狙いましょう。ひとつの品種の花から毛ばたきや筆に花粉をまとわせ、もうひとつの品種の雌しべにこすりつけて授粉させます。自家結実性があるフェイジョアでも、異なる品種の花粉で人工授粉させたほうが美味しい実がつきやすくなりますよ。
収穫方法
フェイジョアの実は緑色で、収穫時期がわかりづらいのが特徴です。実が落下したものが熟している合図になるため、自然落下を待って収穫をすると確実です。落ちた衝撃で実が傷まないように、敷き藁などで対策をとってください。取れたての果実はまだ硬いため、室温で3~10日ほど追熟させましょう。甘い匂いが漂い、柔らかくなってきたら食べごろです。
フェイジョアを鉢植えで栽培するときのコツ
コツ①植木鉢のサイズ
フェイジョアは樹高が150cm程度と低めですが、株立ちし、側枝を伸ばして育ちます。また、実をつけると重さで枝がしなるため、細めの植木鉢では倒れてしまう可能性が高いです。植木鉢はどっしりとした幅広の素焼きのものや、大きめのサイズを選ぶことをおすすめします。8~10号ほどの鉢が理想です。
コツ②鉢植えの植え方
フェイジョアの植え方にもコツがあります。ネットを敷いた鉢底に軽石を2段ほど敷き詰め、用土を入れます。半分くらい用土が入ったら育苗ポッドから苗を取り出して鉢の中央に置き、用土で周りを埋めていきましょう。用土が鉢縁から2~3cm下になるように入れるのがコツです。ぎりぎりまで土を盛ると水やりのタイミングで土が流れ出してしまい、苗が崩れてしまいます。
コツ③日当たりと風通し
フェイジョアは亜熱帯の植物のため、植木鉢で育てるときも日当たりがよい場所で管理してください。風通しのよい場所で管理すると害虫予防に効果的です。しかし、風が強すぎると、実がなったときに果実がこすれて傷みやすくなってしまうため、家と家の隙間など強風が吹きやすい場所での管理は避けましょう。
ボタニ子
鉢は移動させやすいのがメリット。季節ごとに移動させて、日光を当てよう!
フェイジョアの木を育てよう
フェイジョアは剪定方法を覚えれば、育てるのは難しくありません。常緑樹で樹高も高くないため、シンボルツリーとしてもおすすめですよ。花もきれいで観賞用として目を楽しませてくれます。ぜひ2品種育て、甘くて美味しい果実を味わってみてくださいね。
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出典:写真AC