干し柿とは
冬に人気の干し柿
冬になると一度は、干し柿を作ってみたくなる方もいるのではないでしょうか?甘くて美味しい干し柿は一種のドライフルーツで、あんぽ柿のように水分量多いものや、硬く黒い干し柿などさまざまな種類があります。冬になるとスーパーなどでもよく見かける人気のあるお菓子ですが、なかなか作り方や保存の仕方まではわからないも多いのではないでしょうか。そこで、今回は、作り方や粉の吹き方、保存の仕方までを詳しく解説していきます。
干し柿の特徴
干し柿は、時間の経過とともに黒く硬くなっていくのが特徴です。天日のに干して乾かした柿ですが、直射日光に当てて乾かしたらいいというわけではありません。糖分が結晶化した白い粉が、干し柿の表面を覆っているものがよい干し柿だといわれていますが、これは種類にもよります。なかには、あんぽ柿といった柔らかい干し柿もあります。
糖分とカビの見分け方
よくカビと間違えられる、干し柿の表面を覆っている糖分ですが、カビとの見分け方は簡単です。カビは青や緑、黒い点などが多いためです。また、白いとしても、カビは独特のカビ臭さがあるため、不安であれば臭いをかいでみるといいでしょう。
干し柿にできる柿の種類
干し柿にするのは「渋柿」
干し柿にするのは、生食ではとても食べられない、渋柿です。特に、生食で人気のある甘い柿よりも糖度の高い渋柿です。皮を剥いてさらに天日にさらすことにより、渋みがきれいにぬけ、驚くほどの甘味になります。渋柿を手間をかけてまで食べるのは、日本や中国などの国だけで、欧米では渋柿を使った干し柿を作る文化はありません。
干し柿に使われる渋柿の種類
干し柿を作るのに人気のある渋柿の種類としては市田柿、平核無柿、蜂屋柿、美濃柿、三社柿などがあります。干し柿にも種類があり、代表的なものはころ柿、あんぽ柿があります。干し柿の種類は製法によっても違ってきますが、最も大きな違いは保有水分量でしょう。ころ柿は約3割、あんぽ柿に至っては約半分が水分です。
干し柿を作る時期
干し柿を作るのは11月上旬から中旬
いくら生食できず、干し柿にするからといって、まだ「青い柿」は収穫しません。といって、熟しすぎると今度は熟柿になってしまうので、程よい硬さのところで収穫してしまいましょう。渋柿を収穫するのが大体10月下旬から11月の上旬になるため、干し柿を作るのは11月上旬から中旬にかけてになります。あまり気温が高いと、干した後にカビが来ることもあるため、注意が必要です。
干し柿に向いた気温
干し柿は簡単に作れますが、だからと言って単に乾かせばいいというものではありません。気温と場所選びが大切です。基本的には風が冷たくなるころ、などと言われますが、日中の気温が10度を上回るようならやめておきましょう。できれば最高気温が10度以下になるまで待つようにします。日中の気温が高すぎるとカビが生えるか、腐るか、味が悪くなるかの3択になります。美味しい干し柿を作るためには、吊るすときの気温と昼夜の温度差が最も大切です。
干し柿の作り方(準備)
用意する道具
干し柿を作るためには、まず皮をむくための包丁、皮を入れるゴミ袋、柿を並べる新聞紙、柿をつるすための紐を用意します。あとは肝心の渋柿です。さらに、殺菌消毒用に大きな鍋に沸騰したお湯を沸かす必要があります。きちんと殺菌消毒しておかないとカビがくるので、忘れないようにしましょう。
作り方の概要
干し柿の作り方は非常に簡単ですが、柿の皮をむいて乾かすだけであるのに、案外手間もかかります。もっとも手間がかかるのは、皮むきと紐付けです。根気よくこの二つの作業ができると、美味しい干し柿を作ることができます。気温が問題なく下がったら、人気の干し柿作りに挑戦してみましょう。
干し柿の作り方①柿の収穫
まずは最も大切な作業、渋柿の収穫です。もちろん、スーパーなどで買っても問題はありません。収穫する場合は熟しすぎない程度がいいです。オレンジに色づいてきたと思ったら収穫時です。紐をうまくつけるためにも、ヘタに「T」の形に枝が付いたまま収穫するのが望ましいでしょう。
干し柿の作り方②皮をむく
収穫した干し柿はまず、きれいに水洗いします。水洗いが終わったら、拭いてから皮をむきましょう。ここが最も大切です。皮は多少薄すぎても厚くなってもたいして問題ではありません。ヘタの部分は残し、ヘタの少し下側あたりから丸く剥いていきます。
ボタニ子
続いて、干し柿の作り方③紐付け
干し柿の作り方③紐付け
紐は60cmくらいに切っておきましょう。「T」の形に残した枝に、紐の端を結び付けて、反対側にも他の柿を結びます。家庭では両側に結び付けると吊るしやすいですが、よく日本家屋の軒下につるされているような、長く切った紐に連続して結ぶ付け方もあります。初めての干し柿作りでも、器用さに自信のある人は挑戦してみるのもいいでしょう。
干し柿の作り方④殺菌
2秒から5秒ほど、沸騰したお湯につけて殺菌消毒しましょう。殺菌消毒をするのは紐をつける前か、つけた後、どちらでも構いません。ただし長くつけてしまうと干し柿にする前にゆで柿になってしまうので、さっと引き上げることが肝心です。
ボタニ子
ええ?柿をゆでてしまうの?
茹でるといっても熱湯にほんの2秒ほどだから大丈夫!表面を殺菌するだけで、中にまで火を通すわけではないのよ。
出典:写真AC