フェイジョアとは?
フェイジョアとは、亜熱帯地域原産のフトモモ科アッカ属の植物です。別名をパイナップルグァバともいい、10~12月には甘い果実を実らせます。常緑性で冬でも緑色の葉が楽しめるため、シンボルツリーとしても人気がある植物です。日本では1980年代に新しい果樹としてブームが起こりましたが、自家不結実性という特徴のためあまり定着はしませんでした。しかし、近年では同じ果物のポポーとともに再注目され始めています。
基本情報
学名 | Acca sellowiana |
園芸部類 | 果樹 |
形態 | 中高木 |
原産地 | ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部 |
草丈・樹高 | 150cm以上 |
開花時期 | 5~6月頃 |
花の色 | 濃いピンク |
収穫時期 | 10~12月 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
用途 | 生垣、食用、観賞用 |
特徴
フェイジョアは、花姿が美しいことや常緑性のため冬でもみずみずしい緑が楽しめることが特徴です。木姿も150cmほどの高さで、小さな庭でも育てやすい植物といえるでしょう。また、フェイジョアは、自家不結実性という大きな特徴があります。異なるふたつの品種を掛け合わせないと実がならないため、収穫を目的に栽培する場合は2種類のフェイジョアの木を近くに植えなければいけません。
フェイジョアの果実
フェイジョアの果実は緑色の卵のような楕円形で、生食でも加工でも美味しく食べられます。スーパーなどにはほとんど出回らない果物のため、なじみがあまりないかもしれません。イチゴやバナナ、パイナップルをあわせたような甘酸っぱい味で、トロピカルな雰囲気を楽しめる果物です。
フェイジョアの主な品種
フェイジョアは、ほとんどの種類が自家不結実性で、ひとつの品種だけ植えていても実がつきません。実を収穫したい場合は、ふたつ以上の品種を植えて受粉させる必要があります。フェイジョアにはさまざまな品種があるため、収穫を考えている場合は必ず別の品種を育てましょう。
品種①ジェミニ
ジェミニはゲミニイとも呼ばれるフェイジョアの品種のひとつです。フェイジョアの中では珍しく自家結実性がありますが、小ぶりなサイズの実であまり生食には向きません。別の品種と受粉させてできた実のほうが大きく実が育ち、香りが強く美味しくなります。
品種②マンモス
マンモスは、香りが高く大きな果実ができるフェイジョアです。大きい実は柔らかく傷みやすいため、あまり長い間保存ができません。収穫したらすぐに食べましょう。成長スピードがゆっくりで、樹高も高くなりにくいため、生垣やシンボルツリーとしてもおすすめですよ。
品種③アポロ
アポロは、数あるフェイジョアの中でも果実の風味が特によく、食用に適している品種です。肉厚で甘い果実はそのまま食べてもジューシーで甘く、ほかの果物に引けをとりません。実は柔らかいため、傷みが早いのが難点です。収穫したらすぐに食べましょう。
品種④クーリッジ
クーリッジは、たくさん実をつけることで人気の品種です。ほかのフェイジョアよりも実がなるのがやや遅く、受粉木として利用する場合は開花時期に気を付けましょう。果実の味はマイルドで口当たりがやさしいのが特徴です。
フェイジョアの育て方①時期
植え付けから開花までの時期
植え付け時期 | 3~4月 |
肥料の時期(庭植え) | 3月、10月 |
肥料の時期(鉢植え) | 3月、7月、10月 |
剪定時期 | 3~4月 |
開花時期 | 5~6月 |
栽培スケジュール
フェイジョアの育て方②栽培環境
栽培方法
フェイジョアは庭植え、鉢植えどちらでも栽培可能です。
庭植えで育てる場合
フェイジョアは日光を好むため、暖かく日当たりのよい場所を選んで植えましょう。暑さに強く寒さには弱いことから、通年で日が当たる風通しのよい場所での管理が好ましいです。近くに受粉用の別の品種を植える場合は、成長を加味して3mほどの間隔をあけて植え付けてください。
鉢植えで育てる場合
鉢植えで育てる場合も同様に、日当たりと風通しのよい場所を選んで置きましょう。南向きのベランダやテラスなどがおすすめです。人口の風は苦手なため、エアコンの室外機がベランダにある場合はその場所を避け、自然に風が通る場所で管理します。
用土
フェイジョアは水はけと水もちのバランスがよい用土であれば問題なく育ちます。そのため、市販の園芸用培養土でも十分成長可能です。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜたものを使用しましょう。
フェイジョアの育て方③管理のポイント
水やり
フェイジョアを庭植えで育てている場合は、根付いていれば水やりの必要はありません。あまりにも雨が少ない場合や、幼苗を速く育てたいときには水を与えましょう。鉢植えで育てている場合は、鉢の表面の土が乾いて白くなってきたら水やりのタイミングです。鉢底から流れ出すくらいまでしっかりと水を与えてください。
肥料
フェイジョアを庭植えしている場合は、3月と10月に肥料を与えてください。鉢植えの場合は3月と7月、10月に施肥します。肥料は有機性肥料と化成肥料のどちらを使っても問題ありません。
主な病気や害虫
フェイジョアは丈夫で病気に強く、害虫被害も少ない植物です。しかし、まれにカイガラムシの被害にあうことがあります。枝葉が混みあっていて湿度が高くなると発生しやすくなるため、適時剪定して予防しましょう。もし発生してしまったら、歯ブラシなどでこそぎ落として駆除してください。
出典:写真AC