デュランタの冬越し対策
本来熱帯の常緑樹であるデュランタの耐寒温度は、5℃とされます。しかし5℃以下になる関東以西でも霜を防げば、戸外で冬越し可能です。デュランタは最低気温によって冬越しの姿を変え、寒さに耐えます。冬の最低気温とデュランタの姿の関係を次表にまとめました。
冬の最低気温 | 冬越しするデュランタの姿 |
13℃以上 | 冬でも開花 |
10℃以上 | 落葉しない |
5~10℃ | 葉が黒ずんで落葉する。冬越しし、春に新芽が出る。 |
0~5℃ | 地上部は枯れるが、根が冬越しする。春に株元から枝が出る。 |
土が凍結 | 根が枯れて枯死する。 |
ちなみに茎が枯れたかどうかの見極めは、枝を切ってみれば一目瞭然です。茎の中が生だったら生きており、中まで茶色く乾燥していれば茎まで枯れています。茎が枯れたからといって根まで枯れたとは限らないので、あきらめて手入れを止めないようにしましょう。これらを踏まえて、いろいろな冬越しの仕方をご紹介していきます。
庭植えの冬越し
霜や雪がない暖地では、庭植えでの冬越しも可能です。ポイントは、遅くとも初霜が降りる前に株元に腐葉土や藁を敷き、根を守ることです。土が凍結すると根まで完全に枯れてしまいます。不安な場合は挿し木をしておくことも1つの方法です。冬場は株が休眠状態になるので、水やりも肥料も必要ありません。春になると新芽が出たり、株元から新しい枝が出たりします。
鉢植えの屋外での冬越し
暖地では鉢植えも屋外で冬越しできます。庭植えと違って移動できるので、北風や霜が当たらないように、日当たりのよい軒下などに移動させましょう。気温の低下とともに、徐々に水やりの回数を減らします。根腐れの原因となるので水のやり過ぎは厳禁です。肥料も必要ありません。
根は生きているので定期的に水やり
鉢植えでの冬越しのポイントは、落葉したり地上部が枯れたりしていても水切れさせないことです。枝葉がないと水やりを忘れがちになり、生き残っていた根が枯死するという失敗例が増えます。用土が乾いた数日後に水やりを続けることが大切です。厳しい寒波の際には土が凍結しないように、保温対策をするか室内に取り込みましょう。
鉢植えの屋内での冬越し
最低気温5℃を下回り、霜や雪の心配がある地域では、屋内に取り込むのが安心です。急な環境変化を避けるため、寒さが厳しくなってからではなく、11月頃になったら屋内に入れます。葉が残っているうちは、できるだけ日当たりのよい場所に置きましょう。落葉したり地上部が枯れたりした場合は、日光に当てなくても大丈夫ですが、水切れさせないようにします。
エアコンによる乾燥に注意
窓際に置く場合は、寒波の際など夜間に冷え込むことがあるので、カーテンを引いたり窓から離したりします。水のやり過ぎは根腐れの原因となりますが、エアコンの風が当たる場所では乾燥しやすいので注意が必要です。乾き過ぎないようにこまめに様子を見て水やりをし、葉水を与えます。
無事に冬越しできて春がきたら、デュランタを屋外に出してあげましょう。葉がある場合は、3月下旬になって霜の心配がなくなったら徐々に日光に慣らします。急に日光に当てると葉焼けするからです。落葉したり地上部が枯れたりしていても、根が生きていれば生育を始めます。遅霜には十分注意しましょう。
開花しながらの冬越し
温室や高気密高断熱住宅では、最低気温13℃以上を保てるかもしれません。その場合は冬場でも開花が続きます。花が咲くということは水も栄養も夏と同様に必要だということです。開花中は水やりも肥料も与え続けます。終わった花の切り戻しもこまめに行いましょう。
デュランタの花言葉
デュランタの花言葉は、「あなたを見守る」「歓迎」「目をひく容姿」「独りよがり」です。「あなたを見守る」「歓迎」の花言葉は、垣根や玄関先で優雅にお辞儀をするようにしだれて咲く姿からきているといわれます。確かに、人を見送ったり出迎えたりしてくれるように思われるかもしれません。
タカラジェンヌのような姿
「目をひく容姿」という花言葉は、代表的な品種のタカラヅカにぴったりです。小さな花ながらも紫に白い縁取りの花をたくさんつけた姿は華麗で、タカラジェンヌのように目を惹きつけます。「独りよがり」という花言葉の由来ははっきりしていません。
まとめ
デュランタは花を楽しむ品種も葉を楽しむ品種も、負けず劣らず魅力的です。夏に涼し気な姿で人の心を癒してくれます。剪定や冬越しに少し注意が必要ですが、病気も少なく増やし方も簡単で、育てやすい植物です。ぜひ、デュランタを育ててみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC