ケナフとは
「ケナフ」という名前を聞いてピンとくる人は少ないかもしれません。ケナフは近年、新たな資源として注目が高まっている植物のひとつで、その栽培地域は日本国内でも徐々に広がりを見せています。しかし、ガーデニングの世界ではケナフはまだまだマイナーな存在といえるでしょう。今回はこのケナフについて、特徴や栽培方法、用途などを探っていきましょう。
基本情報
学名 | Hibiscus cannabinus |
別名 | 洋麻、ホワイトハイビスカスなど |
分類 | アオイ科フヨウ属(ハイビスカス属) |
形態 | 一年草 |
原産地 | アフリカ |
開花時期 | 8~11月 |
ケナフはアフリカ原産のハイビスカスの仲間です。茎に含まれる豊富な繊維は古代エジプトの時代から利用されてきましたが、近年になってバイオプラスチックの添加物や木材に代わる紙の原料としても注目され始めました。
ケナフの特徴
ケナフは基本的に一年草ですが、環境などの条件によって多年草化することもあります。非常に丈夫で成長が早く、高さが2m以上にまで伸びることも珍しくありません。茎はまっすぐ直立し、太いものだと直径が5cmほどになります。葉が大麻草とよく似ているため間違われることも多いようですが、大麻草よりも葉の切れ込みが浅く、ふちのギザギザが不明瞭です。
花の特徴
ケナフは秋ごろにフヨウ(芙蓉)によく似た花を咲かせます。「ホワイトハイビスカス」の別名のとおり、花の色は白が基本ですが、黄色や紫色の花をつける品種もあります。花は大ぶりで直径が10cm前後もあり、観賞用として見ごたえ十分といえるでしょう。朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまいますが、次々に新しい花を咲かせるのでしばらく楽しめます。
ケナフの産地
ケナフの原産地はアフリカですが、現在は紙や繊維製品の原材料として世界各地で生産されています。土壌を選ばず成長が早いため、ほかの作物との輪作も盛んに行われているようです。世界の生産量の大部分を中国、インド、タイが占めており、そのほかにも東南アジアや南北アメリカ大陸などで生産地が拡大しつつあります。
日本の産地
日本国内でもケナフの生産を始める地域が徐々に拡大していますが、生産量は多くはありません。日本の気候では世界の主要な生産地のように大きく成長させることは難しいようです。産業用としての生産はなかなか難しい状況にある日本ですが、それでも各地で栽培の試みが行われたことで園芸用の種子は容易に入手できるようになり、近年は学習用として栽培する学校もみられます。
ボタニ子
次のページではケナフの栽培方法を解説します。