マスカット・オブ・アレキサンドリアとは
「緑の真珠」とも呼ばれるマスカット・オブ・アレキサンドリアは、高級なブドウとして有名なマスカットです。マスカット・オブ・アレキサンドリアには、一般的なブドウとは全く違う特徴があります。そこでこの記事では、マスカット・オブ・アレキサンドリアの特徴とともに名前の由来や歴史などについて解説しましょう。
マスカット・オブ・アレキサンドリアの特徴
マスカット・オブ・アレキサンドリアは、白ブドウとも呼ばれる果皮が黄緑色の品種のブドウです。大きな特徴は「マスカット香」と呼ばれる独特の甘い香りで、味は上品な甘みとほのかな酸味を持ち合わせています。果肉は少し固めで歯ごたえがあり、皮が薄くて皮ごと食べられるというのもマスカット・オブ・アレキサンドリア特徴の1つです。
種なしがあるって本当?
マスカット・オブ・アレキサンドリアの欠点は、種があって食べにくいという点です。この欠点ゆえに、近年では種なしのシャインマスカットのほうが、人気が高くなっています。しかし長い研究の結果、種なしのマスカット・オブ・アレキサンドリアの栽培に成功して、少しずつですが販売されるまでになりました。
品種改良の元にも
甘みの強いマスカット・オブ・アレキサンドリアは、品種改良の元としても使用され、ネオマスカット・シャインマスカット・ロザリオビアンコなどの品種が生まれました。また、ルビーオクヤマと掛け合わせて作られたロザリオロッソという赤いマスカットもあります。いずれも甘みが強く高級マスカットとして人気の品種です。
マスカット・オブ・アレキサンドリアの栄養成分
マスカット・オブ・アレキサンドリアには、ビタミンB1・ポリフェノール・カリウムなどが豊富に含まれています。ビタミンB1はエネルギーの代謝を助ける働きがあるとされ、疲労回復が期待できるでしょう。また、カリウムは血圧を下げる働きがあるといわれ、ポリフェノールは抗酸化作用が期待できます。ただし糖分が高いため食べ過ぎには注意しましょう。
名前の由来
マスカット・オブ・アレキサンドリアの「マスカット」の語源は香料の「MUSK(ムスク):麝香(じゃこう)」です。ムスクのような甘い香りがするから呼ばれるようになりました。また、エジプトの「アレキサンドリア港」から世界中に広まっていき「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と呼ばれるようになったとされています。
マスカット・オブ・アレキサンドリアの歴史
マスカット・オブ・アレキサンドリアは北アフリカが原産地で、紀元前から地中海沿岸で栽培されてきました。古代エジプトの女王クレオパトラも好んで食べていたといわれていて、ローマ帝国時代に海を渡って世界中に広まりました。現在では、ヨーロッパ南部やアフリカ・オーストラリアなどを中心に世界各地で栽培されています。
日本の歴史
日本には明治19年に伝わったとされています。最初に栽培を始めたのは、兵庫県印南新村の播州葡萄園です。その後全国の農家で栽培を試みましたが、成功したのはガラス温室栽培を早くから導入した岡山県だけです。その後は品種改良や技術開発が進み、香川県や福岡県などでも栽培されるようになりました。