ヒノキの香りの効果
建材としての多くのメリットがある他、ヒノキにはリラックス効果の高い香りをもつという特徴があります。森林浴を思わせるヒノキの香りは日本人にとってはどこかなつかしい香りともいわれます。そんなヒノキの香りの効果を見ていきましょう。
香りの楽しみ方
ヒノキは木材そのまま、または水蒸気蒸留法などの手法で精油を生成し、香りを楽しむために利用されます。木材の香りは2~3カ月続き、その後香りが薄くなってくればサンドペーパーなどで削ると香りが復活します。精油になったものであれば、ルームスプレーやアロマ香水として利用します。
木と葉の香りの違い
ヒノキの精油には木材から抽出するもの、葉から抽出するものなどがあります。どちらも50~100種類のテルペンの成分が含まれますが、構成が異なります。木材の香りはどっしりと安定した、鎮静効果の強い香りですが、葉はリフレッシュ感の強いさわやかなアロマが特徴です。
香りの成分と効果
①森林浴効果
森林浴で人をリラックスさせる化学物質フィトンチッドは、ヒノキやマツなどの針葉樹から発散されています。フィトンチッドは植物が傷ついたときに放出する殺菌力のある揮発性物質です。植物の精油に含まれる殺菌効果をもつテルペノイドがフィトンチッドの本体と考えられており、森林浴が人に健康効果と安らぎと癒し与えるといわれます。
②前向きな気持ちに
リフレッシュ感にあふれたヒノキの香りの成分の主成分は、モノテルペン炭化水素類のα―ピネンです。この成分は森林浴をしているようなリラックス感とリフレッシュ効果をもち、気持ちを落ち着かせる鎮静効果、疲れを癒す強壮効果が認められています。
③血行促進
α―ピネンには滞ったものを除去し、血行を促進する効果をもち、冷えやむくみに対する効果につながります。まただるさを緩和する、疲労回復に作用するなどの働きも認められるといわれます。鎮痛作用も期待できるので、肩こり、筋肉痛、生理痛、頭痛などにも使用されます。
④防虫作用
ヒノキ精油のαーカジノールという成分が、ダニを寄せ付けない働きをもちます。抗菌作用も認められており、頭皮や皮膚にも効果を発揮し、脂性の毛穴やニキビケア、ふけや抜け毛防止などにも使用されます。男性用のスキンケアにも使用されます。
⑤消臭効果
ヒノキには強い消臭効果が認められ、イヤな匂いをマスキングしてくれます。抗菌作用も併せ持つため、ルームスプレーやファブリックミストなどとして寝具や衣服用のスプレーとしても活躍します。
次のページでは、ヒノキの香りを楽しむ方法、ヒノキの仲間と違いと見分け方について解説します。