オオヤマレンゲ(大山蓮華)とは?白い花の特徴や庭木としての育て方を紹介!

オオヤマレンゲ(大山蓮華)とは?白い花の特徴や庭木としての育て方を紹介!

オオヤマレンゲ(大山蓮華)という清楚な白い花をご存知ですか?モクレンの仲間で山林に自生し、庭や公園に植栽され、茶の席をつつましく飾ってくれる香りのよい花です。オオヤマレンゲの特徴や花言葉、そして庭木としての育て方などをご紹介します。

記事の目次

  1. 1.オオヤマレンゲ(大山蓮華)とは?
  2. 2.オオヤマレンゲの近縁種
  3. 3.オオヤマレンゲの育て方
  4. 4.オオヤマレンゲの増やし方
  5. 5.まとめ

オオヤマレンゲ(大山蓮華)とは?

オオヤマレンゲ(大山蓮華)はモクレンの仲間で、香り高い可憐な白い花を咲かせる落葉広葉樹です。庭木や茶花として観賞されてきました。自生種は、国の天然記念物に指定されています。厳密にはミヤマレンゲ(深山蓮華)のことを、オオヤマレンゲといいますが、近縁種のオオバオオヤマレンゲ(大葉大山蓮華)や交雑種も含めてオオヤマレンゲと呼ばれてきました。

オオヤマレンゲの基本情報

名前 オオヤマレンゲ(大山蓮華)、ミヤマレンゲ(深山蓮華)
学名 Magnolia sieboldii subsp. japonica
科/属名 モクレン科モクレン属(マグノリア属)
分布 日本、中国、朝鮮半島
樹高 1.5m~3m
花色
開花時期 5月~7月
分類 落葉低木
耐寒性/耐暑性 耐寒性は強く、耐暑性はやや弱い

名前の由来

オオヤマレンゲの名前は、自生地と花の姿に由来します。レンゲ(蓮華)は蓮(ハス)のことです。奈良県の大峰山(おおみねさん)に自生群落があり、ハスの花に似ているから大山蓮華と名づけられました。山林に生育するので、別名はミヤマレンゲです。なお、学名の「sieboldii」は「シーボルトの」の意味です。

オオヤマレンゲの特徴

樹木としての特徴

オオヤマレンゲは、雌雄同株の落葉広葉樹です。光沢のある葉は5cm~20cmの楕円形で全縁(縁にギザギザがない)であり、互い違いに生えます。枝の先の方に花をつけ、他のモクレン属の木ほど樹高が高くなり過ぎないので、庭木としても好まれています。乾燥や強烈な暑さにはやや弱い傾向があります。

花の特徴

オオヤマレンゲの花は、6cm~10cmの大きさの包み込むようなカップ型で、よい香りがします。白い花びらに、淡い黄緑色の雌しべと赤みを帯びた雄しべが特徴的です。ホオノキ(朴の木)の花などに似ていますが、他のモクレン属の花と異なり上向きではなく、横向きまたはうつむき加減に咲きます。つつましやかな風情は「森の貴婦人」とも呼ばれ、茶花などに愛好されてきました。

観賞・栽培の歴史

オオヤマレンゲは、白侘助(シロワビスケ)や夏椿などと共に千利休が好んだ花の1つと言われていて、茶の湯の世界で親しまれてきました。また、江戸時代の植木屋伊藤伊兵衛が表した「花壇地錦抄」や「地錦抄附録」などによると、オオヤマレンゲは17世紀後半には江戸の街中に持ち込まれ、栽培されていたようです。

ボタ爺

ボタ爺

ただし、江戸時代に栽培されていたのがミヤマレンゲなのかオオバオオヤマレンゲなのか、諸説あるようじゃ。

オオヤマレンゲの生息地

オオヤマレンゲは、日本では関東以西の山地に生育しています。自生種は減る傾向にあり、都道府県によってはすでに絶滅、または絶滅を危惧されています。奈良県の八経ヶ岳(はっきょうがたけ)は、大峰山の最高峰で、オオヤマレンゲの自生地の1つです。近年シカによる食害に遭遇しており、柵などをめぐらして保全対策が取られています。

開花時期

花の咲く季節は、5月~7月頃です。オオヤマレンゲは、暖かい平野部では4月下旬頃から咲き始め、中間地では5月頃が見ごろになります。山林の自生地では少し遅れ、7月頃から開花し始めます。

花言葉

オオヤマレンゲの花言葉は、「変わらぬ愛」「永遠の愛」です。庭木や植栽で、また部屋に一輪飾るだけでも、楚々とした白い花は暮らしに潤いを与えてくれます。山野に咲く素朴さなど、オオヤマレンゲには紛れ物のない清らかなイメージがありますね。こうあってほしいという、愛への願いを託した花言葉なのでしょう。

ボタニ子

ボタニ子

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オオヤマレンゲの近縁種

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