アジサイとは
お気に入りのアジサイを、自分で増やしたいと思う人も多いのではないでしょうか。大切に育てているアジサイがあるなら、簡単な方法で増やせますよ。地植えや鉢植えで場所を変えて楽しんだり、プレゼントにしたりしても素敵ですね。増やし方をマスターすれば、アジサイを見て楽しむだけでなく、増やす楽しみも増えるでしょう。
アジサイの基本情報
学名 | Hydrangea macrophylla |
科名 | アジサイ科 |
属名 | アジサイ属 |
原産地 | 日本・中国・台湾・北アメリカ |
開花期 | 5~7月 |
アジサイは梅雨を象徴する美しい落葉低木です。樹高は1~2mで、5~7月の梅雨時期に赤や青、紫などに色づき華やかに開花します。アジサイは世界的にも人気で、世界中で品種改良されたアジサイは数えきれません。アジサイの種類にはガクが額縁のように花を囲む「ガク咲き」や、手まり形にガクが集まる「手まり咲き」などがあります。
ボタニ子
ボタ爺
そうじゃな。アジサイを好きな人は多いのう。
アジサイの増やし方
一般的な増やし方は2種類
アジサイの増やし方は「株分け」と「挿し木」の2種類が一般的です。「株分け」は大きく成長したアジサイを小さくするために、株を分けて新しい場所へ植え替える方法です。株分けをするにはアジサイを大きく育てる必要があります。挿し木は枝を利用するため、植え替えが必要のないアジサイからでも簡単に増やせるのが魅力です。
ボタ爺
挿し木は初心者でも増やしやすいのがメリット!
増やし方は挿し木がおすすめ
挿し木は枝を用土に挿して発根させることで、株を増やしていく方法です。種から育てにくい植物や観葉植物、多肉植物なども挿し木によって増やせます。さまざまな植物に応用できるため、初心者は挿し木をマスターしておくとよいでしょう。
ボタニ子
挿し木ってよく聞くわ。アジサイでも挿し木ができるんだね!
ボタ爺
挿し木は手順やコツを知っておれば簡単なんじゃ。次からアジサイの挿し木について詳しくみていこう。
挿し木の適期
アジサイの挿し木には5~7月や9月に行う「緑枝挿し」と、1月中旬~3月に行う「休眠挿し」があります。休眠挿しは品種によっては発根しにくいため、緑枝挿しがおすすめです。また、梅雨時期は日照時間も長く湿度も保てて、挿し木の環境に適しています。梅雨時期に挿し木をすれば成功率があがるでしょう。
挿し木は梅雨時期が適期!湿度も日照時間も確保できるベストな環境です。
準備するもの
用土
挿し木の用土に適しているのは「清潔で、肥料が含まれていない土」です。赤玉土や鹿沼土、パーライト、パーミキュライト、ピートモスなどを単体で使用しましょう。用土にサイズがある場合は「小粒」を選んでください。市販されている「挿し木用の土」を使用してもかまいません。準備した用土は、あらかじめ水をたっぷりかけて湿らせておきましょう。
挿し木用のおすすめ用土
- 赤玉土
- 鹿沼土
- パーライト
- パーミキュライト
- ピートモス
挿し穂
挿し穂とは、挿し木に使用する枝のことです。その年に伸びた枝であれば、花が咲いた枝と咲かなかった枝のどちらでも挿し穂にできます。花芽のついていない元気のいい枝を挿し穂にするとよいでしょう。先端から2節目を目安に15cmほど切ってください。下の葉はすべて取り、上に残す2枚の葉は半分に切っておきます。花が咲いた枝は花部分を切り落としましょう。
ボタ爺
残した葉を半分に切るのは、葉からの水分の蒸発を最低限にするためじゃよ。
ボタニ子
切り口は清潔なナイフやはさみで斜めに切るのがポイント!水分を吸い上げる面積を広くするためだよ。
そのほかの材料
- 挿し床となる鉢(通気性のよい駄温鉢がおすすめ)
- 割り箸
- 水揚げ用のコップ
挿し木の手順
- 元気のいい枝を15cmほど切り挿し穂にする
- 水揚げ用に用意したコップにたっぷりの水と挿し穂を入れ、1~2時間ほどつけておく
- あらかじめ湿らせておいた挿し木用の用土に、割り箸で挿し穂を挿すための穴をあける
- 切り口を傷つけないように2~3cmの深さで挿し穂を挿し、土で固定する
- たっぷりと水やりをする
切った挿し穂はすぐに水揚げするのがポイント!挿し穂に十分に水分を含ませるのが目的です。
ボタ爺
挿し木をするときは、成功率をあげるために複数の挿し穂を挿しておくといいんじゃ。
ボタニ子
複数の挿し穂を挿し木する場合は、隣同士の葉っぱが重ならないようにしてね。
挿し木の管理方法
管理場所
挿し木をした鉢は、明るい日陰で管理しましょう。直射日光に当てないように注意します。また、強風で挿し穂が不安定になり倒れることもあるため、風が当たらないようにしましょう。
水やり
挿し木をしたら、最初の2~3日は毎日水やりをしてください。その後、土の表面の様子を確認しながら水やりの回数を調整していきます。土の表面が乾きそうなタイミングで水を与え、用土を完全に乾かさないように注意して管理しましょう。
ボタ爺
水やりは挿し木の管理でも重要なんじゃ。この後の「アジサイの発根のコツ」で詳しく紹介するぞ。
発根までの目安期間
梅雨時期に挿し木をした場合、発根までの期間は3週間~1カ月ほどです。挿し穂を無理やり引き抜き、発根の様子を見ないように気をつけましょう。最低でも1カ月は、そのままの状態で管理してください。その後、しっかりと発根が確認できたら通常の用土に鉢上げします。様子を見ながら少しずつ、日当たりのよい場所へ移動させましょう。
ボタ爺
冬に行う休眠挿しの場合は、発根まで2カ月くらいはかかるぞ。
ボタニ子
鉢上げする場合は、赤玉土7:腐葉土3の基本配合で鉢植えすれば大丈夫!
アジサイの発根のコツ
コツ①発根剤で発根をサポート
基本的な挿し木の手順で発根は可能ですが、より成功率をあげるために「発根剤」を使いましょう。発根剤は、発根をサポートしてくれる挿し木のお助けアイテムです。発根剤は使用方法がさまざまなので、使いやすそうな発根剤を選ぶとよいでしょう。
おすすめの発根剤①ルートン
ルートンは植物の発根を促すホルモン剤で、人気の高い発根剤の1つです。水揚げ後、挿し穂の切り口に直接まぶすか、ペースト状に練ったものを塗って使用してください。
おすすめの発根剤②メネデール
メネデールは植物の活力剤です。水揚げのときに、メネデールを水に薄めて使用すると植物の発根を助けます。また、挿し木以外にも植物が弱っているときに使用すると、植物の回復に効果的です。1つ持っておくと便利でしょう。
ボタニ子
両方使えばさらに発根の成功率があがるね!
コツ②水やりのタイミング
水切れはさせないが常に水浸しもダメ
挿し木を成功させるために「水やり」はとても大切です。発根するために水分は必要ですが、常に水浸しのような状態では挿し木は成功しません。用土が完全に水切れしないように注意しながら、土の表面が乾いてきたと感じたら水を与えましょう。水やりのタイミングを見極めるのが発根のコツです。
アジサイの増やし方での注意点
アジサイは品種によって、増やすことが法律で禁止されているものがあります。営利目的や譲渡目的でアジサイを増やすことは禁止されているため、事前に登録品種を確認しておくと安全です。水やりに注意しながら、楽しんでアジサイを増やしましょう。
まとめ
挿し木による増やし方は、アジサイだけでなくさまざまな植物に応用できます。お気に入りの植物を自分の手で増やしていけたら、よりいっそう愛着がわくでしょう。梅雨時期は挿し木の季節です。ぜひ挑戦してみてください。
雨に濡れながらも凛として咲くアジサイは、すごく魅力的だな~。