タンチョウソウの植え替え
タンチョウソウは成長が緩やかな山野草ですが、毎年少しずつ株が大きくなります。丁寧に植え替え管理をすることで、株は大きくなります。大きくなりすぎた株は、植え替えのときに株分けをして増やすとよいでしょう。根茎が重なり合っているのが、株分けできる目安です。鉢のサイズをあげて、見栄えがする大きなタンチョウソウを育ててみるのも素敵ですね。
植え替え方法
時期
植え替え時期は、タンチョウソウが休眠している12~2月です。毎年または2年に1回を目安に行います。芽が動きだす2月中旬までには植え替えをすませましょう。この時期に植え替えれば、まだ芽が動いていないため根のダメージが早く回復します。盆栽にした場合は、2~3年を目安に植え替えてください。
準備するもの
- 植え替え用の新しい用土
- 鉢
- 鉢底ネット
- ハサミ
植え替え手順
- 用土が流れでないように、鉢底にネットを敷く
- 鉢に新しい用土を入れる
- 根鉢の様子をみながら、1/3か2/3ほどをはさみで切る
- 根茎から直接芽がでるため、芽が成長できるように浅めに植え付ける
- 鉢のすき間に用土を入れ、ぐらつかないように固定する
- たっぷりと水を与える
ボタニ子
小さな鉢の場合は、すき間部分を割り箸でつつきながら用土を入れるとしっかり入るよ!
植え替えのコツ
コツ①芽吹きスペースの確保
タンチョウソウは根茎から芽がでるのが特徴のため、芽が成長するスペースを鉢に確保しておくことが植え替えのコツです。頑丈な根茎を地中に張り、そこから葉が大きく地表際に広がります。鉢の幅はある程度のゆとりをもたせましょう。
コツ②浅めの鉢を使う
鉢は浅めのタイプを使うのが植え替えのコツです。浅めの鉢は、深い鉢に比べてより自然に近い雰囲気を演出できます。タンチョウソウは花茎を高く伸ばして花を咲かせる姿が美しいため、浅い鉢に植えればその美しさが際立ちます。また、タンチョウソウは繊細な山野草ではないので、根が強い植物に適している化粧鉢に植えても素敵でしょう。
盆栽の植え替え
盆栽の植え替えも基本的には上の手順と同じです。盆栽の場合は、根茎を見せて植え替えるのも1つの方法です。盛り上がった根茎から、芽吹きや葉を楽しむのも盆栽の醍醐味といえます。浅い鉢でタンチョウソウの花茎が立ち上がった姿を重視するのも、美しいでしょう。山野草の表情をより楽しめるのが盆栽の魅力です。
タンチョウソウの品種
品種①石化タンチョウソウ
石化タンチョウソウは、葉が標準のものより厚くて小さく、少し縮んでいるのが特徴の品種です。成長も標準のものよりやや遅いため育てやすいでしょう。花茎は最大14~15cmほどの高さで、通常のものよりやや短めです。
品種②赤葉タンチョウソウ
赤葉タンチョウソウは、葉が先端から少しずつ赤みを帯びて、赤く染まるのが特徴の品種です。もともと標準のタンチョウソウは葉の形だけでも楽しめますが、赤葉になればカラーリーフとしての魅力がさらに増すでしょう。
品種③黄金葉タンチョウソウ
黄金葉タンチョウソウは、葉が黄色味の強い黄緑色をしているのが特徴の品種です。芽吹きのときは葉が赤く、大きく広がるにつれて優しい黄金色へと変わっていきます。標準のタンチョウソウと組み合わせて、違いを楽しむのも味わいがあります。
品種④小葉タンチョウソウ
小葉タンチョウソウは、名前のとおり、葉が標準のものより小さいことが特徴の品種です。標準のサイズの半分ほどのサイズなので管理しやすいでしょう。盆栽として育てる場合は最適の品種です。
まとめ
山野草は日本の四季を感じさせてくれる美しい植物です。その中でもタンチョウソウは初心者にも育てやすく、はじめて育ててみるのにはぴったりの山野草です。石付けや鉢植えなど、植え付け方で表情が変わるのも山野草の魅力ですよ。かわいいタンチョウソウを庭に迎え入れれば、球根植物と競うように、毎年春の訪れを教えてくれるでしょう。
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株分けをするときは、根茎の大きさに合わせ3~4分割に切り分けてから、同じ手順で植え替えます。堅いのでよく切れるはさみを使いましょう。