【受験のお守り】ヤマコウバシとは?開花時期や育て方を紹介!

【受験のお守り】ヤマコウバシとは?開花時期や育て方を紹介!

秋に美しい紅葉を楽しませてくれるヤマコウバシは、常緑樹だった名残から冬になっても、枯れ葉を春まで落としません。ヤマコウバシの葉は冬になっても落ちないという特徴にゲンを担いで「落ちない」合格祈願のお守りとしても人気がある落葉低木です。

記事の目次

  1. 1.ヤマコウバシとは?
  2. 2.ヤマコウバシの特徴
  3. 3.ヤマコウバシの育て方
  4. 4.ヤマコウバシの購入方法
  5. 5.ヤマコウバシと感じる四季

ヤマコウバシとは?

ヤマコウバシは、幹、枝ともに灰褐色、樹皮は茶褐色で小さな皮目があるのが特徴です。互生雌雄別株ですが、日本には雄株が少なく、雌株は雄株なしで結実する珍しい品種です。秋になるとヤマコウバシの葉は黄色~薄い橙色に紅葉し、冬になると枯れます。しかし、枯れた葉は春まで残り、新芽の芽吹きとともに、枯れ葉を落とす興味深い特徴がある落葉低木です。

基本情報

植物名 ヤマコウバシ
学名 Lindera Glauca Blume(L. Salicifolia)
分類 クスノキ科クロモジ属
樹高 約2m~7m
分布 本州(山形・宮城以西)、四国、九州など
形態 落葉低木・雌雄異株

開花時期

ヤマコウバシの開花時期は、4月~5月です。春の訪れとともに、ヤマコウバシは新芽を形成し、同時に新芽の根元に1~3個ほどの薄黄緑色の散形状の花を咲かせます。ヤマコウバシの花は、若葉と似た色をしているため目立ちませんが、中心に1個の雌しべがあり、花被片(カヒヘン)は6個で長さは約1.5mmの広楕円形です。

ボタニ子

ボタニ子

ボタ爺、花被片(カヒヘン)って花びらのこと?

ボタ爺

ボタ爺

花被片(カヒヘン)とは、「花びら」と「がく」をまとめた呼び名じゃ。「花びら」と「がく」の見た目が似ていたり、区別できなかったりする場合に、まとめて花被片(カヒヘン)と呼ぶのじゃ。

ボタニ子

ボタニ子

なるほど。そういわれてみれば、ヤマコウバシの花は小さくてどれが「花びら」なのか「がく」なのかわかりづらいね。花被片って便利な呼び名だね。

名前の由来

漢字では「山香ばし」と表現されるヤマコウバシは、名前のとおり枝や葉を折ったり、ちぎったりするとショウガのような独特な香りがします。高級な爪楊枝の原材料として使われる同じクロモジ属のクロモジと同じく、ほのかな香りが印象的です。また黒く熟したヤマコウバシの実は、コショウのように辛味があるため、別名「ヤマコショウ」とも呼ばれます。

ヤマコウバシの特徴

特徴①葉

冬になり、葉が枯れても枝に残り、翌年の春に新芽が出る頃に入れ替わるという変わった特徴のあるヤマコウバシですが、葉の落ち方も非常に変わっています。春になると、葉柄に近い5mmぐらいの位置で、横に切れる状態で葉が落ちます。葉のつき方は互生で、葉身の長さは5~10cm、幅は2.5~4cmの楕円形です。秋になると、黄色~薄い橙色に紅葉します。

受験のお守り

ヤマコウバシは葉が枯れても、冬の間、枝についたままで落ちないという特殊な生態をもちます。葉が「落ちない」ので縁起がいいとされ、2008年頃から受験生のお守りとして人気が出始めました。ヤマコウバシの合格祈願のお守りのアイデアは、広島市佐伯区の市植物公園にて生まれたそうです。枯れ葉を挟んだしおりやカード、飾りとして出回っています。

特徴②実

ヤマコウバシがどのような仕組みで雌花だけで結実するのかは、まだわかっていません。雄株なしで雌株のヤマコウバシは、夏を過ぎたあたりから「オリーブの実」を小さくしたような実をつけます。雌株だけで結実することや、常緑樹から落葉樹になった経緯など謎が多い品種です。10月~11月頃には実が熟し黒くなり、果実の中に1個の種子を形成します。

ヤマコウバシの育て方

育て方①土壌選びと水やり

Photo byPexels

ヤマコウバシは湿気のある肥沃地を好みますが、環境適応力はあるため特に土壌を選びません。鉢植えの場合は、赤玉土、鹿沼土混合用土などを使いましょう。植え付けてすぐは、水をしっかりあげる必要があります。露地植えの場合には根付いてからは、土が乾燥しているときにだけ水をあたえましょう。鉢植えの場合には、表土が乾いたらたっぷり水をあげてください。

育て方②日当たり

ヤマコウバシの適地は北海道以南とされ、比較的耐寒性がある品種です。ヤマコウバシは適応性があり、比較的場所を選ばない育て方が簡単な初心者向けの樹木ですが、日差しが強すぎる場所だけは控えましょう。日向または半日陰の場所を好み、直射日光が強すぎる場所では、紅葉時期に葉が焼けて黒くなってしまい、紅葉が台無しになってしまう恐れがあります。

育て方③剪定

ヤマコウバシは成長が遅く自然形がきれいな樹木ですので、頻繁に剪定をおこなう必要はありません。必要であれば透かし剪定をし、風通しや日の当たりの改善してあげましょう。時期さえ間違えなければ、強めに切り戻しても芽吹くことができる丈夫な樹木です。ヤマコウバシを剪定をするのであれば、2月、もしくは6月~7月の間に行いましょう。

ヤマコウバシの購入方法

ヤマコウバシ苗木

参考価格: 1,760円

出典: 楽天
楽天1,760円

ヤマコウバシを購入の際は、最寄りの園芸店、園芸センターやホームセンターにて、まずは在庫の確認をしましょう。ネットでも、ヤマコウバシの苗木を購入できます。ネットにて購入する際は、利用者からの高い評価を得ている販売店から購入することをおすすめします。在庫が豊富な販売店を選ぶのもいいですね。

購入上のチェックポイント

ヤマコウバシ苗木

参考価格: 26,180円

出典: 楽天
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ヤマコウバシの樹高は、2m~5m程度ですが、最大7mまで育ちます。木の高さを抑えたい場合は、株立ちの状態での購入がおすすめです。株立ちとは、茎の根元から数本の茎が立ち上がっている状態です。株立ちにすると、木の高さを抑えられるだけでなく、1本1本の幹が細く、太い幹が1本のものよりも風が通りやすく、涼しげな印象を与えます。

ヤマコウバシと感じる四季

ヤマコウバシの魅力は、一年をとおして楽しめる趣があることでしょう。春夏の新緑や秋の紅葉で景観を楽しませてくれるだけではなく、冬の間も葉が落ちずに枯れ葉の静寂の趣を楽しめます。葉が「落ちない」と縁起もよいため人気がある樹木です。季節によって違う魅力をみせてくれるヤマコウバシを庭園に、そして盆栽として育ててみてはいかがでしょうか。

菖蒲月
ライター

菖蒲月

色鮮やかな毎日を、菖蒲月です。

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