韓国産パプリカの特徴
特徴①安くて手軽に買える
韓国産パプリカは、安く買えて手に入りやすい食材です。1994年にパプリカが流通し始めたころは、その多くがオランダ産のものでした。しかし、2015年を過ぎて韓国産のパプリカの輸入量が増加し、安定し始めます。現在、オランダ産よりも手に入りやすくなり、韓国はパプリカの産地となりました。
特徴②輸入まで短時間であるため新鮮
韓国で生産されたパプリカは、収穫された日に農家から出荷され、3日ほどで日本に輸入されます。税関を通り、パプリカを一旦保管する倉庫に運ばれたあと、すぐにスーパーなどの小売店に並びます。日にちを要するオランダからの輸入に比べて、短時間で新鮮なうちに消費者にわたるのは大きな特徴です。
特徴③料理にあわせやすい甘み
韓国産のパプリカの特徴には、安定した品質と並んで「甘さ」もあげられます。韓国料理のチャプチェに入れるなど、料理に加えたときの爽やかな甘みはクセがありません。肉とあわせておかずにすれば白ご飯にあい、味にアクセントをもたらすだけでなく栄養価もアップします。
韓国産パプリカの安全性
問題があると輸入できない
韓国産パプリカは韓国から出荷されるときも、日本に入る前も安全な品質を保っているかチェックされています。厚生労働省が検査命令を出した輸入者のパプリカは、同省が指定する機関で農薬残量の検査をしなければいけません。問題がないという結果が出なければ、輸入者はパプリカの輸入手続きを進められない決まりです。
トレーサビリティを導入
残留農薬による被害が起こらないように、韓国産のパプリカはトレーサビリティを導入しています。トレーサビリティは、商品がどこで作られて流通し、販売されているかがわかるシステムです。農家で収穫されたパプリカは、生産履歴情報ID(12桁の番号で管理される)を獲得したあと、船に乗って日本に届きます。徹底された管理によって、安心して安全なパプリカを食べられるように追跡ができるということです。
パプリカが輸入される理由
理由①徹底された生育環境が求められる
パプリカが輸入される理由の一つに、徹底された生育環境が求められることがあげられます。パプリカは低温、高い湿度が苦手で、二酸化炭素の濃度など環境に敏感な野菜であるため、昼夜問わず環境が一定に保たれる設備が必要です。発芽環境は30℃という高温を好む野菜で、原産地と同じように温暖な環境が求められます。
理由②栽培が難しいから
パプリカは、ピーマンを育てるよりも難しい品種であるといわれています。原産地はメキシコなどの中南米で、乾燥に弱く、苗を定植してからも人の手による細やかな水やりが必要です。また、連作障害も起こしやすいため、土の中の病原菌を殺菌消毒するなどの対策がとれる体制が整っていないと栽培が困難です。
理由③安定した生産に広大な設備が必要だから
パプリカを土に植え付けるときに、苗と苗の間隔を50~60cm空ける必要があります。多くのパプリカを収穫したい場合は、広大な敷地で栽培しなければなりません。また、安定した収穫量を目指すために、パプリカの苗を大きく伸ばせる環境が必要であり、韓国やオランダなどでは広大なガラス製の温室の中でパプリカを栽培しています。
理由④コンピューター管理
パプリカを管理する方法として、パプリカを害虫から守るために天敵製剤(天敵農薬ともいう)を利用ます。天敵製剤とは、作物につく害虫の天敵のことです。パプリカ栽培では、天敵を畑に放ちます。韓国では天敵製剤に加えて、コンピューターでパプリカを取り巻く環境を一定に保ち、味や形など品質を落とすことなく出荷できています。
ボタニ子
日本産パプリカと韓国産パプリカの違い
違い①甘さや食感
韓国産のパプリカはあっさりとした甘さですが、日本産のパプリカはフルーツ感覚で食べられるほど甘くシャキシャキとした食感が特徴的です。サラダにピッタリな日本産に比べて、韓国産パプリカは、炒めるなどの加熱する料理に向いています。
違い②安定供給
韓国産パプリカは広大な土地で、安定した栽培を可能にしており、絶えることなく食卓を鮮やかに彩ります。人の手による栽培にあわせてコンピューター技術を駆使した方法も取り入れることにより、農家の負担が軽減され、コストも比較的かかりません。コストを抑えることは、安定してパプリカが生産されることに繋がります。
韓国産のパプリカをおいしく食べよう
1990年代にパプリカが日本の食卓にのぼり始めて、現在では身近な存在になりました。そのほとんどが韓国からの輸入であり、安全性向上のため徹底された管理をされています。安全性を確保されながらも低価格という点は、大きな魅力といえるでしょう。韓国産パプリカを、気軽に料理に加えてみてくださいね。
天敵製剤は農薬の使用を減らす効果もあり、日本でも取り入れられています。