青いバナナについて
店頭で見かけられるバナナの多くは黄色に熟したものですが、熟す前の緑のバナナも販売されています。青く大きめにカットされたバナナは、黄色く熟すのを待っていると食べ終わる前に腐りがちです。しかし、未熟の青い状態のバナナでも、黄色く熟したバナナとは違った食べ方をすることで、熟成を待たずに効果的に栄養が摂れます。
原産地
バナナは熱帯地域で栽培される多年草で、原産地は東南アジアなどです。生産量が多いのはインド・中国などですが、日本に輸入されているのはフィリピン・エクアドルが大半を占めます。近年は、日本でも南九州・沖縄地方や小笠原諸島で「島バナナ」という品種を栽培しています。
青いバナナの栄養
青いバナナに含まれる栄養には、食物繊維のひとつである難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)やカリウム・糖質・ビタミン類(葉酸・ビタミンB1~B3・B6)・ポリフェノール・アミノ酸・セロトニンなどがあります。バナナ1本のカロリーは約90kcalで、米飯や食パンなどと比べて低カロリーです。ダイエット時の食事としても役立ちます。
難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)
難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)はエネルギーに変わりにくいでんぷんです。血糖値やコレステロールが上昇するのを抑制する効果や大腸の健康維持効果、空腹を抑える効果などが確認されています。難消化性でんぷんは冷やすことで増加するので、青いバナナは冷やして食べる料理にするのもよいアイデアです。
セロトニン
セロトニンは、精神的な安定効果や睡眠・身体機能の調節に有効な成分で、ホルモンとしても機能します。女性は男性よりも合成できるセロトニンの量が少ないので、セロトニンを多く含む青いバナナを摂るのもおすすめです。
青いバナナの味
青いバナナの実には甘さがなく、えぐみがあります。味や食感は芋のようです。青いバナナが黄色く熟すにつれて難消化性デンプンが糖質に変わり、甘くなります。
青いまま販売されている理由
現地で収穫する際は、バナナはまだ青い状態です。未熟なバナナの皮には害虫が寄生しないので、バナナは青いまま追熟しない温度(13.5℃)で輸入され、検疫を受けます。国内に届いた青いバナナはそのまま出荷、もしくは工場で黄色に追熟加工されたあと出荷されます。
黄色いバナナとの違い
青いバナナの皮と実は、黄色のバナナに比べて硬めです。黄色いバナナが芳醇な香りに対し、青いバナナは全体に青臭い香りがします。また青いバナナには、黄色く熟したバナナよりも難消化性デンプンが多く含まれているのも大きな違いです。
ボタニ子
青いバナナの食べごろ
青いバナナは、緑が濃い状態が食物繊維が多いです。食物繊維を多く摂りたい場合は、青い状態のバナナを積極的に食べましょう。しかし、やはり甘いバナナが食べたいと考えたときは、黄色い状態になるよう追熟します。
青いバナナの追熟方法
自宅でも、簡単に青いバナナを黄色のバナナへ追熟させられます。完熟サインのシュガースポットが皮の表面に出始めると腐りやすくなるので、サインを忘れずにチェックしましょう。
バナナをビニール袋に入れる
青いバナナを追熟させる場合は、20℃以上の場所でエチレンガスの発生するものと一緒にビニール袋に入れておきます。バナナ自体がエチレンガスを発生させるので、ビニール袋にバナナだけを入れても追熟可能です。
追熟を早める方法
エチレンガスがでる食べ物として、リンゴが知られています。バナナだけをビニール袋に入れても追熟しますが、リンゴも一緒に入れるとより早く追熟できるでしょう。
シュガースポットとは?
シュガースポットとは、バナナが完熟したときに皮にでる黒い点です。シュガースポットが出ているときは、未熟なときよりもポリフェノールが増えて免疫力を高める効果も期待できます。完熟した黄色いバナナは腐りやすいので、早めに食べましょう。
青バナナ(ブルーバナナ)とは
バナナの品種のひとつ
バナナは多品種で、果皮が赤や紫などの品種もあります。「青バナナ(ブルーバナナ)」は、未熟な状態が銀色がかった青色~真っ青をしているバナナです。完熟すると薄い黄色になり、バニラアイスクリームのような味と食感が楽しめます。
ブルーバナナ
ブルーバナナ
参考価格: 7,128円
アイスクリームブルーバナナの苗木です。植えつけて2~3年で収穫できます。ブルーバナナは-5℃までの耐寒性があり、暖地に限らず育てられます。高さ10mまで育つ多年草で、広い場所での栽培がおすすめです。
難易度 | ★☆☆☆☆ |
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ちなみに「ブルーバナナ」は、青い旗を掲げるEUの発展地域を指すこともあるわ。
ボタ爺
西ヨーロッパの発展地域を旗色で塗ると、青いバナナに見えるぞ!ノースウエストイングランド~ミラノまでの地域がブルーバナナじゃ。
青いバナナのおいしい食べ方
青いバナナは、果物としてではなく野菜感覚で料理しましょう。焼く・煮る・揚げるなどさまざまな方法で料理できます。皮を手で剥くと、途中で切れてきれいに仕上がりません。皮を剥くときや実を切るときは、ナイフやピーラーなどを使うと便利です。
食べ方①ベーコン巻き
ベーコン巻きは、スペインでお馴染みの料理です。スライスベーコンをカットした青いバナナに巻き、オリーブオイル・塩・胡椒で蒸し焼きにします。ベーコンはしっかり焼き目をつけて焼くほうが美味しく仕上がりますよ。
食べ方②揚げチップス
揚げチップスは、中南米で一般的なレシピです。皮を剥いて薄くカットした青いバナナを油で揚げます。揚げたバナナにはあまり味がないので、さまざまなテイストへのアレンジが可能です。お好みで塩やはちみつ・フルーツソースなどをかけて食べましょう。
食べ方③カレー
青いバナナを使ったカレーは、インドの一般的な家庭料理です。たまねぎ・トマト・青いバナナを適当な大きさに切って炒め、ターメリックなどのスパイスと一緒に煮込みましょう。お好みでほかの野菜を入れると、栄養と色どりのバランスがよく仕上がります。
食べ方④バナナのポテトサラダ風
皮を剥き適当な大きさに切った青いバナナを、電子レンジで数分加熱します。柔らかくなった青いバナナをフォークなどで軽くつぶし、ポテトサラダを作る要領で塩・胡椒・マヨネーズで味つけしましょう。お好みで少し砂糖を入れると食べやすくなりますよ。ツナや野菜などと和えると栄養のバランスがさらによくなります。
食べ方⑤ポタージュスープ
皮ごと小さめに切った青いバナナは、玉ねぎや牛乳・コンソメと一緒にポタージュスープにしましょう。器に注ぐときに乾燥パセリをふると、おしゃれで栄養価もアップします。
食べ方⑥スムージー
青いバナナ・牛乳・お好みの野菜や果物を、あらかじめ冷やしておきましょう。皮を剥いた青いバナナを小さめにカットして、野菜・果物、牛乳と一緒にミキサーにかけます。青いバナナを冷やすと難消化性でんぷんをより多く摂ることができ、消化もよくなりますよ。食欲のないときや忙しいときの食事におすすめです。
青いバナナをもっと食べましょう
青いバナナは、栄養価が高く黄色いバナナとは違った食べ方が楽しめる、おすすめの食べ物です。青いバナナが大きめのカットで手に入ったときは、さまざまなレシピを試して、ダイエットや健康増進に役立ててください。
青いバナナを約3本食べると、成人の理想的な1日分の食物繊維量を摂取できます。効果的に摂りたい食物ね。