ナルコランとは?
ナルコランとは、日本や中国が原産の落葉性の多年草です。山野や草原に自生する丈夫な植物で、初心者でも簡単に栽培できます。ナルコランは春にスズランのような白い花を咲かせますが、葉の観賞価値も高いです。葉の部分は観賞以外に、切り花やフラワーアレンジメントの花材としても使われます。またナルコランの果実には毒がありますが、春に出る新芽は山菜として親しまれています。
ナルコランの基本情報
分類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
科名・属名 | キジカクシ科アマドコロ属 |
学名 | Polygonatum odoratum |
分布 | 日本、中国、朝鮮半島 |
開花時期 | 4月~6月 |
花色 | 白 |
別名「アマドコロ(甘野老)」
ナルコランの別名は、「アマドコロ(甘野老)」です。これはナルコランの茎や根の姿がオニドコロ(鬼野老)という植物に似ており、さらに甘みのある味がしたことから、この別名がついたといわれています。園芸では、「斑入りアマドコロ」という名で流通することも多いです。
花言葉は「元気を出して」
ナルコランには「元気を出して」という花言葉があります。これはナルコランの栄養価が高く、滋養強壮のための山菜として親しまれていることに由来するといわれています。こういった花言葉があるので、生花や切り花でプレゼント用のアレンジメントに使われることも多いです。
ナルコユリとの違い
ナルコランにとても似た植物に、ナルコユリがあります。ナルコユリはナルコランと同じキジカクシ科アマドコロ属の植物で、花の形や食用できるところも同じです。両者の判別は難しいのですが、おもに茎の形で区別します。茎が角ばった多角形のような形をしているものがナルコランで、円柱型がナルコユリです。
ナルコランの生花・切り花アレンジ①~⑤
①個性的なグリーンを使ったアレンジ
カーネーションとユリをグリーン系でまとめて、ピンクのバラを目立たせるようにしたアレンジです。アイビーやドラセナといった個性的なグリーンにナルコランをプラスすることで、全体的にまとまりのある仕上がりになっています。
ボタニ子
②夏の花をたっぷり使ったアレンジ
夏の花であるケイトウやマムを使ったアレンジにも、ナルコランはよくあいます。リキュウソウが動きを出しているのに対して、ナルコランは全体の土台のような役割を果たしています。色の濃いプロテアの対角の位置にナルコランを配置しており、丸い形のブーケでも膨張して見えません。
ボタニ子
まっしろなデンファレが涼やかな印象を与えてくれていますね。
③躍動感を感じるアレンジ
大きなバラをメインにしたアレンジにも、ナルコランは浮くことなくなじみます。バラを囲んでいるアフリカンブルーバジルは躍動感があるグリーンで、あわせかたが難しいです。しかしナルコランのクセのないさりげなさのおかげで、ほどよい具合になじんでいますね。こういった独特なアレンジにも、ナルコランは使えます。
④ナチュラルなグリーンたっぷりのアレンジ
スモークツリーやビバーナムティヌスのような初夏の花とも、ナルコランは相性がよいです。アナベルやトルコキキョウ、セダム、ナルコランを使って、緑のナチュラルな濃淡を表現しています。
ボタニ子
ナルコランを控えめに使うことで、ヒペリカムの大胆さが目立つように構成されていますね。
⑤アジサイがみずみずしいアレンジ
アジサイをメインにしたアレンジは、ナルコランの緑に赤いオーナメントグラスの色がよく映えてきれいです。ナルコランで全体のボリューム感を出し、アジサイのみずみずしさが際立つように配置されています。しなやかでやわからい質感のナルコランは、たっぷり使ってもくどくなりません。
ナルコランの生花・切り花アレンジ⑥~⑩
⑥豪華な贈答用のアレンジ
ナルコランは、贈答用の豪華なアレンジにも使われることが多いです。ユリ・バラ・カラーなど大ぶりで目立つ花ばかりを使うとまとまりが悪くなりますが、小ぶりのコチョウランを使うことで上品なアレンジに仕上げています。
ボタニ子
コチョウランの花の色とナルコランの葉の斑の部分が白で、統一感がありますね。
⑦シックでエキゾチックなアレンジ
シックな色合いのひまわりが印象的なアレンジは、どこかエキゾチックな雰囲気を感じます。シックでありながらも暗い印象にならないように、ナルコランの明るい葉色が一役買っていますね。スモークグラスが透け感を出してくれていて、涼しげなイメージに仕上げたアレンジです。
⑧質感を統一したさわやかなアレンジ
ピンクの大輪のシャクヤクが主役のアレンジは、デルフィニウムの青とのコントラストが美しいですね。ナルコランには斑入りでない品種もあり、使う品種によって印象ががらりと変わります。
ボタニ子
淡いピンクのアスチルベと緑のソリダコは質感が似ていて、全体的に統一感がありますね。
⑨リゾート気分になれるアレンジ
モカラ・アンセリウム・プロテアを使った南国風のアレンジにも、さりげなくナルコランが使われています。黒など濃い色のの什器だと、鮮やかな色の花がよく映えます。このアレンジの主役はなんといっても、個性的なストレチアです。鳥が飛んでいるような形にも見え、南国気分がさらに高まります。
⑩ダイナミックで奥ゆかしいアレンジ
オクラレルカとデルフィニウムがダイナミックなアレンジでは、ナルコランは土台を隠すように使われています。ナルコランは、オアシスや剣山を隠す役割としても便利ですよ。ここでは直線的なオクラレルカに対してやわらかい曲線を持つナルコランをあわせて、オクラレルカがより際立つようにしています。
ナルコランの斑入りの部分が抜け感を演出していて、窮屈さを感じないのびやかなアレンジですね。