ヒマラヤの青いケシとは
「ヒマラヤの青いケシ」とは、ケシ科・メコノプシス属のうち、青い花をつける品種を総じた呼び名です。メコノプシス属の花は約50種確認されていますが、そのうち青い花は15種とされています。青いケシは寒冷な気候であるチベット南部~中国西南部のヒマラヤの高地に自生し、秘境に咲く孤高の花として知られています。
基本情報
園芸分類 | 草花 |
形態 | 一年草~多年草 |
樹高・草丈 | 40cm~150cm |
花の色 | 青 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 寒冷地や高山地帯に自生 |
栽培の可否 | 限定された条件で可能 |
名前の由来
ヒマラヤの青いケシの属名meconopsis(メコノプシス)は、ケシの花に似ていることから、ギリシャ語のmecon(ケシ)とopsis(似る)の組み合わせたものです。
ボタニ子
メコノプシス属のうちの青い花は、一般的にブルーポピーともいわれています。中国語では「緑絨蒿」と書くそうですよ!
花言葉
青いケシの花言葉は「神秘的」「底知れぬ魅力」です。ヒマラヤの高地というあまり人が到達できないような場所に自生していて、類を見ない美しい青色の花を咲かせていることからきています。また、青いケシは7月7日の誕生花です。
ヒマラヤの青いケシの特徴
特徴➀自生している場所
ヒマラヤの青いケシの自生地域は、パキスタン、ネパール、ブータン、チベット自治区、インド北部といったヒマラヤの高山地帯です。また中国の雲南省、四川省、青海省、甘粛省などの高山帯にも自生しています。標高3000m~5000mほどの場所で生育していますが、中には標高7000mで確認されたという報告もあります。
幻の花としての存在価値
青いケシは、青い色をしているだけでも希少価値があるうえに、ヒマラヤの山岳地帯を訪れた人だけが観賞できるという秘境の花でもあります。なかなかたどり着けないヒマラヤの山岳地帯に自生しているからこそ「幻の花」と呼ばれ、神秘的な花としてその存在が知られるようになりました。
特徴②変化する花色
青いケシの花の色は、天候によって微妙に変化します。よく日の当たるところに自生している株は濃い青色になりますが、花期に雪や氷雨などの寒冷な天候に見舞われた場合は、紫を帯びた薄青色に変化します。
特徴③変化する花弁数
メコノシプス属は基本的には四弁花ですが、花弁の数は同一種内でも変化することが特徴です。株によっては6~8枚の花弁を付けているものもあります。
ヒマラヤの青いケシの主な品種
主に園芸種として出回っているのは、メコノプシス・グランディス、メコノプシス・ベトニキフォリア、メコノプシス・ホリデュラの3種です。もともと「ヒマラヤの青いケシ」といえばベトニキフォリアのことを指していました。しかし主産地が中国であるため、現在はヒマラヤを主産地とするグランディスのほうがふさわしいとされています。
メコノプシス・グランディス
ヒマラヤの山岳地帯を主産地とするグランディスは、青いケシの代表種で、現在では「ヒマラヤの青いケシ」といえばグランディスを指している場合が多いです。花弁は薄くしわが入っており、花径は10cm~15cmと青いケシのなかでは最大です。さらに、青いケシのなかでも濃い青色の花を咲かせますが、地域差や個体差、天候による差にも影響されます。花色は薄い青~深い青まで変化するのが特徴です。
メコノプシス・ベトニキフォリア
ベトニキフォリアは、「ヒマラヤの青いケシ」という名前が広まるきっかけとなった代表種で、Himalayan blue poppyという英名が付いています。主産地は中国雲南省北西部の高山地帯で、標高3000m~4000mの地帯に自生しています。多年草で、根付いてしまえば種から育てる必要がないため、メコノプシス属のなかでは栽培しやすい種です。花径5cm~8cmの花が、1本の花茎に10個ほど咲きます。
メコノプシス・ホリデュラ
ホリデュラはブータンの国花です。天上の妖精とも称されるように、ヒマラヤのなかでも4000mを超える高地にしか自生していません。メコノプシス属で最も標高の高い地域で生育しており、その高さは標高7000mまで確認されています。長さ7~10mmもある棘毛で被われているのが特徴で、茎は高地に吹き付ける強風でも折れない硬さを備えています。
出典:写真AC