柿は皮ごと食べるべき?皮に含まれる栄養や農薬の洗い落とし方を紹介!

柿は皮ごと食べるべき?皮に含まれる栄養や農薬の洗い落とし方を紹介!

柿は栄養豊富な秋の味覚です。完熟した柿を皮ごと丸かじりすると、たっぷり詰まった栄養をしっかり摂取できます。しかし、食べ過ぎると胃が消化できずに毒になるため注意が必要です。柿の皮に含まれる栄養と効能、気になる農薬の洗い方と皮ごと食べる方法をみていきましょう。

記事の目次

  1. 1.柿は皮ごと食べられますか?
  2. 2.柿の皮に含まれる栄養と6つの効能
  3. 3.柿を皮ごと食べるときの洗い方
  4. 4.柿を皮ごと食べるときの注意点
  5. 5.柿を皮ごと食べる食べ方
  6. 6.柿は皮ごと食べよう!

柿は皮ごと食べられますか?

フリー写真素材ぱくたそ

柿は、生のまま皮ごと食べられます。秋の果物として馴染みのある柿は、皮をむいて食べる方が多いかもしれません。しかし、柿の皮には身体によい栄養がたくさん含まれているため、完熟して柔らかくなったものを丸かじりするのがおすすめです。栄養豊富な果物ですが、食べ過ぎると身体の毒になるため注意して楽しみましょう。

柿の皮に含まれる栄養と6つの効能

Photo by Kanko*

柿は「柿が赤くなれば医者が青くなる」といわれるほど栄養価の高い果物です。特にビタミンCの含有量が多く、みかんなどの柑橘類よりも豊富に含まれています。柿の栄養は、果肉と皮の間の「皮目」の部分に含まれており、栄養を余すところなく摂取するために皮ごと食べましょう。

柿に含まれる栄養素

  • ビタミンC
  • βカロテン
  • カリウム
  • タンニン
  • 食物繊維
  • 鉄分

効能①肌の調子を整える

Photo byKjerstin_Michaela

柿に豊富に含まれている「ビタミンC」は、酸化や紫外線から肌を守る働きがあります。美容・美肌に優れた効果を発揮する栄養素です。ビタミンCをしっかり摂ることでコラーゲンが正常に生成されて肌や血管、髪の毛や爪の調子を整えてくれるといわれています。

効能②風邪の予防

柿に含まれている「βカロテン」は、抗酸化力が非常に高い栄養素です。風邪の予防や免疫力を高めてくれる効果があるといわれています。βカロテンは体の中でビタミンAに変化し、目の機能を維持したり皮膚の粘膜を正常にしたりするとされます。

効能③むくみを解消

Photo by 水上温泉水上館

柿に含まれている「カリウム」が、むくみを解消するといわれています。カリウムは、体内の余分な水分や老廃物を排出する栄養素です。カリウムが腎臓でのナトリウムの吸収をコントロールし、高血圧予防や利尿作用を促す働きをしてくれます。

効能④二日酔いを防止

柿には渋み成分である「タンニン」が含まれていて、飲酒前に柿を食べておくと二日酔いを防げるといわれています。タンニンは、抗酸化作用をもつポリフェノールの仲間です。二日酔いの原因であるアセトアルデヒドを体外に排出し、悪臭を取り除く働きがあります。

効能⑤便秘を解消

Photo byPublicDomainPictures

柿には水溶性食物繊維の「ペクチン」が多く含まれているため、便秘の解消と予防のほか、ダイエット効果も期待できます。食物繊維は、腸内のビフィズス菌などの微生物を活性化し、ぜんどう運動を活発にして便通を促す働きをします。腸内環境を整えるために積極的に摂りましょう。

効能⑥貧血を予防

柿に含まれている「鉄分」は、貧血を予防するために女性や妊娠中の方におすすめです。鉄分は、血液中のヘモグロビンとして酸素を体中に運びます。鉄分が不足すると貧血を起こすため、積極的に摂りたい栄養素です。

柿を皮ごと食べるときの洗い方

Photo by Dakiny

柿の残留農薬が気になる方は、農薬を洗い落として食べましょう。一般的に農作物についている農薬は、微量であるため健康に影響はないといわれています。しかし、ごくわずかな量でも農薬を洗い落としたほうが安全です。重曹や酢水など家庭でできる簡単な洗い方をみていきましょう。

洗い方①重曹や酢で洗う

農薬は、食用の重曹を使って落とせます。大きめのボウルに水を入れ、小さじ1~2杯程度の重曹を混ぜます。柿を30秒ほど浸けて表面を洗いましょう。柿を長く漬け過ぎるとビタミンが溶け出してしまうため、1分以上漬けないように注意します。

洗い方②湯で洗う

農薬は熱に弱いため、加熱すると落とせます。鍋に50℃前後の湯を沸かし、柿を1分ほど浸けて表面を水洗いましょう。湯が43℃以下になると雑菌が繁殖しやすくなるため温度管理に注意が必要です。

洗い方③野菜洗い用洗剤で洗う

野菜洗い用洗剤は、農薬のほか土やワックスなど不要な残留物を落としてくれます。食器用洗剤の「野菜・果物」の表記の記載されているものでも構いません。柿に吹きかけて30秒ほど経ってからすすぎましょう。やさしく表面を撫で洗いするのがポイントです。

洗い方④酢水で洗う

農薬は、酢水で洗い落とせます。酢を3倍の水で薄めて柿の表面を洗いましょう。酢の殺菌・防腐効果は古くから調理に利用されています。後から流水ですすげば酢の臭いは残りません。

柿を皮ごと食べるときの注意点

Photo by ketou-daisuki

柿は栄養豊富な果物です。しかし「柿を食べ過ぎると毒になる」といわれ、腹痛や便秘など身体に悪い働きを起こす場合があります。また、柿には身体を冷やす性質があり、冷え性の人や貧血気味の人は食べ過ぎに注意が必要です。1日に1~2個を目安にし、毒にならないように気をつけて食べましょう。

注意点①柿胃石ができる

柿を食べ過ぎると、胃の中で消化できずに塊になってしまう場合があります。この塊を「柿胃石」と呼び、食欲不振や胃痛の原因になるといわれています。柿に含まれているタンニンが胃酸と混ざった後、食物繊維を固まらせてしまうため起こる現象です。柿胃石ができると嘔吐や胃痛などを引き起こすとされています。

注意点②便秘や下痢になる

柿には便を柔らかくする作用のペクチンと、便を固める作用のタンニンの両方が含まれています。胃腸を整える効果がある反面、食べ過ぎるとタンニンを過剰に摂取してしまい便秘になったり、ペクチンの過剰摂取により下痢になったりします。

注意点③尿意が増える

柿を食べ過ぎると、カリウムの働きにより尿意が増えます。また、柿が旬を迎える秋には気温も下がっているため、ひん尿から身体を冷やすことにもつながります。

柿を皮ごと食べる食べ方

フリー写真素材ぱくたそ

柿を丸かじりするには、完熟して皮が柔らかくなったものがおすすめです。しかし、実が少し硬めのものが好きな方は、完熟する前に焼き柿にしたり、皮茶にしたり、皮チップスにして食べてみましょう。生のまま食べるときと違った味わいが感じられます。柿の皮は消化に悪いため、乾燥させた皮だけを少しずつ食べてもよいです。

食べ方①焼き柿

焼き柿は、柿を皮ごと焼いて食べる江戸時代からある方法です。焼き網やオーブントースターで生柿をそのまま焼いて食べましょう。焼くと甘さが増して「シトルリン」というアミノ酸が2倍になり、血流を促進し身体を温めてくれます。香ばしく焼けた皮目が焼き芋のようになり、丸かじりするとホクホクした食感を楽しめます。

食べ方②柿の皮茶

柿は、皮をむき天日で3日ほど干してから、すり鉢で粉末にします。小さじ1杯程度の柿皮を湯飲みに入れ、湯を注ぎましょう。好みで味の濃さを調節します。寒い時期に温かい柿の皮茶を飲めば、栄養がしっかり摂れて風邪の予防に効果的です。粉末にすれば消化もよくなり、胃腸にやさしく摂取できます。

食べ方③柿の皮チップス

柿の皮をむいて、皮だけをオーブンで30分ほど焼きます。フライパンで乾煎りしたり、天日で2~3日干したりしても作れます。手でパリッと割れるくらいが食べやすいです。たくさん作った場合は、しっかり乾燥させて保存容器に入れ、少しずつ食べましょう。身体にやさしい天然おやつになり、子どもの栄養補給におすすめです。

柿は皮ごと食べよう!

Photo by sprklg

秋の味覚である柿は、甘いものが少なかった時代から貴重なおやつとして楽しまれてきた果物です。家の庭に植えられているのは、栄養を蓄える食材や薬としての効能を感じていたためかもしれません。干し柿や干し皮など、皮をおいしく食べる方法がたくさんあります。できるだけ皮ごと食べて、柿の栄養を丸ごと摂りましょう。食べ過ぎに気をつけて、ほどほどの量を食べるのが大切です。

sacchi
ライター

sacchi

子育てと介護に励む主婦ライターです。信州の豊かな自然の中で、たくさんの植物に囲まれて育ちました。娘のアトピー改善のために、薬膳料理に奮闘中です。

関連記事

Article Ranking