バジルは水耕栽培でも育てられる
バジルはベランダでのプランター栽培や家庭菜園だけでなく、室内の水耕栽培でも育てられます。水耕栽培は装置を使って、ビニールハウスで大掛かりに栽培したり、高価なキットが販売されたりしていますが、自宅で簡単に小規模に育てることも可能です。家にあるものを再利用すれば、経済的にも負担が少ないですね。
水耕栽培のメリット
水耕栽培のメリットは、室内で育てられることです。室内で育てると害虫がつきにくいことから、殺虫剤や農薬を使わなくて済むため安心です。また、バジルの水耕栽培は土を使わずに水道水でよいことから土で部屋を汚すことがなく、清潔な育て方ができます。小さな子どもやペットがいて、観葉植物が置きにくい家庭でも、日当たりのよい高い場所で管理すれば育てられます。
ボタニ子
ハーブ作りの土や植木鉢を買ってこなくてもいいのよね。重たい思いもしなくてすむわ。
ボタ爺
室内で水耕栽培をするときは、空き瓶や空き缶、使ってないカップや器が利用できるぞ。経済的だの。
水耕栽培におすすめの時期
バジルの水耕栽培におすすめの季節は、気温があがる4月~6月ですが、室内は気温管理ができるので、一年中季節を問わず挑戦できます。バジルは東南アジア原産の植物で、日光と暖かい場所を好むハーブです。発芽に適している温度は20℃~25℃で、明るさが必要です。室内で種から育てる場合は、日光がよく当たる場所か、蛍光灯やLEDランプを使用して光と温度を管理してください。
バジルの水耕栽培【準備するもの】
必要なもの
- 種
- 苗
- 水
- ペットボトルやガラス瓶など
- 液体肥料
- スポンジ
- きれいなトイレットペーパー
- よく切れるはさみ
あったら便利なもの
- 酸素の出る石
- アルミホイルか黒いビニールテープ
- つまようじ
- 蛍光灯やLEDランプ
バジルの水耕栽培をするのに特別なものは必要なく、液体肥料と種や苗があれば育成可能です。ペットボトルやガラス瓶なども使用済みのものを再利用可能で、普段使わずに食器棚で眠っているグラスやプラスチックコップ、紙コップでも代用できます。ジャムのビンやオイルのビンなども、きれいに洗って使うとインテリアとしても楽しめます。
ボタニ子
普段なにげなく使っている調味料のビンも、外側の紙やプラシールをはがすと意外にかわいらしい形をしているわ。
ボタ爺
中の汚れを洗剤できれいに洗って、その洗剤も残らないように、よくすすぐのが再利用のコツだぞ。
バジルの水耕栽培【種まき~発芽】
バジルの種は、水に入れると種周辺からゼリー状の物体が出てきます。これは食物繊維のため、心配いりません。発芽までの間に種が乾燥しないように水分をため込んで保護しています。発芽するまで日陰で管理する植物もありますが、バジルの発芽には光がかかせません。日当たりのよい場所や蛍光灯、LEDランプなどを用意しておきましょう。
種まき
まずはバジルの種まきです。食器洗い用のスポンジに十字に切れ目を入れて、その中に種をまきます。スポンジは100円ショップで売っているもので十分です。1cmくらいの薄さに切って、3cm四方の正方形を作りましょう。その中央に十字に切れ目を入れて水にしっかり浸します。十分水がいきわたったらバジルの種を入れますが、種が重ならないように、2粒~3粒入れます。
ボタニ子
バジルの種の発芽率はよいほうだけど、2粒~3粒がおすすめね。あとで間引きの必要があるわ。
ボタ爺
複数粒まいたほうが成長のよい芽を選べるからおすすめだの。間引きといっても簡単だから心配はいらんぞ。
ボタニ子
発芽まで乾燥が気になる場合は、トイレットペーパーを1枚かけておくといいわ。芽はトイレットペーパーを破って出てくるから大丈夫。
発芽
バジルの発芽には光が必要です。バジルの発芽は種まきから3日ほどで始まります。バジルの発芽に適した温度は20℃~25℃で、15℃を下回ると生育が遅くなります。なるべく日当たりのよい暖かい場所で管理しますが、どうしても温度が上がらない場合は、日差しプラス蛍光灯の明かりで温度を保ちましょう。
ボタニ子
発芽するまではただの水道水でいいのよ。液体肥料は芽と根が出てきてからね。
ボタ爺
温度が上がらないときは、エアコンの設定温度を上げてもいいぞ。直接風が当たらないことと、乾燥に注意すれば大丈夫。
ボタニ子
水はスポンジの半分くらいの高さまであれば大丈夫よ。
間引き
バジルの本葉が生えてきたころに間引きをします。スポンジに2粒~3粒種をまいた場合は、元気のよいものを残して間引きしましょう。無理に引っ張って残す芽を傷つけないように、よく切れるはさみで根元から切るか、ピンセットでそっと引き抜いてください。間引きしたバジルからは、小さいながらしっかり特有の香りがします。サラダのトッピングにしてもよいですが、根がついているものは植え直すと成長します。
植え替え
本葉がたくさん生えてきたら、個々に植え替えましょう。スポンジが培地になっているため、ペットボトル栽培がおすすめです。ペットボトルを半分に切り、上部をさかさまにして下部分にはめこみ、バジルの根の生えたスポンジを置くだけです。下部分には液体肥料の入った水を入れてください。根の生え際は呼吸をするため、空気中に出ているようにしましょう。
苗から育てる場合は?
バジルの苗を購入してから水耕栽培にする場合は、まずはポットから苗をそっと引き出します。地植えにしてあった苗の場合も、根を傷つけないようにそっと掘り起こしましょう。根についた土を優しく水で洗い落してから、水耕栽培します。苗にまで成長していると葉も大きく育っていることが多いので、水耕栽培でもよく成長します。
ボタニ子
スポンジがついてないから根っこを直接水につけることになるわね。
ボタ爺
大きめのカップだったらつまようじを2本渡して、深く入りすぎないようにすればいいの。
スーパーのハーブも利用できる
スーパーのハーブコーナーで販売されている、生の枝つきのバジルも水耕栽培で育てられます。茎の先をよく切れるはさみで斜めにカットし、下の葉を取り、切り口だけが水に浸かるように挿しておきます。発根するまでしっかり水につけておきましょう。毎日水を取り替えて観察していると根が出てきます。水耕栽培にしてもよいですし、プランターや家庭菜園にも利用できます。
出典:写真AC