ローズマリーの収穫のコツや注意点
①清潔なハサミを準備する
ローズマリーに限ったことではありませんが、収獲する場合は清潔なハサミを準備することが大切です。植物を剪定した後にそのまま別の植物を剪定すると、病気がうつる場合があります。剪定後のハサミは水で洗うなどして、いつも清潔にしておきましょう。
②収穫を兼ねてこまめに剪定
ローズマリーは木のため、剪定をしないで放置していると大きく成長してしまいます。特に地植えにした場合は「思いのほか大きくなりすぎて困った」という声も少なくありません。収穫を兼ねてこまめに剪定をしましょう。それによって、樹形が整い大きくなりすぎるのを防げます。
育苗時期は摘芯で枝を増やす
小さな苗から栽培する場合は、枝が20cmくらいに成長するまでは摘芯をして枝を増やしながら育てていきます。摘芯とは枝の先端を摘むことです。摘芯をすると、脇芽が成長して枝が増えてきます。脇芽が伸びたら摘芯を繰り返すことによって、よく茂ったこんもりとした樹形になります。摘芯した枝は少量ですが料理などに利用するとよいでしょう。
枝が混雑してきたら枝の根元から切り戻す
ローズマリーは成長するにしたがって茂りすぎて枝が混雑してきます。収穫のついでに、枝が混雑してきたと思ったらその都度、軽く切り戻しましょう。重なり合う枝を透かすように枝を切ります。枝の切り方のポイントは、枝が分かれている根元までたどって切ることです。枝の途中で切ると脇芽が伸びて枝が増えてしまいます。
花後の剪定ですっきりさせる
花が終わってから半月後ぐらいのタイミングで、花がら摘みを兼ねて切り戻し剪定をします。花の咲いた部分より少し下で切ります。また、同時に混み過ぎている枝の切り戻しをしたり、枯れ枝・細い枝・下向きの枝などを切ったりして、梅雨前に全体をすっきりさせましょう。風通しがよくなり、うどん粉病など病気の予防になります。
ボタニ子
花後の剪定のタイミングは、地域によって違ってきますが、梅雨前の5月~6月ごろが適期です。
③木質化した枝の途中で切らない
収獲や剪定をするときは、木質化した枝の途中で切らないように気をつけます。木質化した枝とは、枝が茶色になって葉が出ていない古くなった枝です。木質化した枝の途中で切ると、その枝からは新芽が出てこないため新しい枝を育てられません。ただし、茂りすぎで枝数を減らしたい場合は、木質化した枝の途中で切ってもよいでしょう。
④花を楽しみたい場合の収穫方法
ローズマリーは新しく伸びた枝に花を咲かせます。花を楽しみたい場合は、花後の剪定後に新しく伸びた枝の収穫を控えるか、できるだけ収穫を少なめにして花を楽しむ枝を残すようにします。また、花後の剪定時期が遅れると花が咲きにくくなるので、花後の剪定時期が遅れないようにしましょう。
たびたび収穫したい場合
料理などでたびたび収穫したいけれど花も見たいという場合は、ローズマリーを2本栽培して観賞用と収獲用に分けるという方法もあります。これなら、花のことを気にせずに安心していつでも収穫できます。挿し木でもう一鉢増やすのもおすすめです。挿し木はあまり難しいことはなく、6ヶ月前後で小さな苗になり、その後成長が早まっていきます。
ボタニ子
ローズマリーは、水を入れた瓶に挿しておくだけで簡単に発根しますよ。
収獲したローズマリーの利用方法
料理
ローズマリーの料理での使い方は、肉や魚のにおい消しや香りづけです。フライパンで肉や魚と一緒に入れて焼いたり、オーブンで一緒に焼いたりして使います。ほかにも、オリーブオイルやビネガーに入れて香りづけをする、料理の飾りとして利用するなど使い方はいろいろあります。香りが強いため、生で食べるのはおすすめできません。
ボタニ子
摘みたてをすぐ食べる、というハーブではないわけね…。
消臭・虫よけ
ローズマリーには、消臭効果・虫よけ効果があるとされます。ローズマリーの枝を束ねて部屋に吊るすだけで部屋の消臭ができます。乾燥させたローズマリーの葉をお茶用のパックに入れて、靴の消臭に用いるのもよいでしょう。また、乾燥ローズマリーの葉を使ったサシェをタンスやクローゼットの消臭と虫よけに利用できます。
ボタニ子
お茶パックや不織布の小さな袋に入れるだけのやり方なら、不器用さんでも作れるね。
ローズマリーの防虫スプレー
ローズマリーで防虫スプレーを作ることもできます。ローズマリーのほかに、ミントやラベンダー、タイム、レモングラスなどがあれば一緒に入れるとよいでしょう。ローズマリーなどをよく水洗いしたら、沸騰させたお湯を入れたボールに入れます。そのまま冷めるまで放置し、枝や葉を取り除きフィルターなどで越して完成です。
ボタニ子
庭に出るときは、手作り防虫スプレーが役立ちますよ!
ドライフラワー
ローズマリーは、ハンギング法で簡単にドライフラワーにできます。枝を3本ほど束ねて吊るして、日数をかけて乾燥させます。葉が重ならないように束ねるのがコツです。きれいな葉色を出したいときや日数をかけたくないときは、シリカゲルに入れて乾燥させるシリカゲル法で作るとよいでしょう。乾燥したローズマリーは、アレンジメントやリース、スワッグなどに使えます。
ローズマリーを収穫して生活に役立てよう
ローズマリーは、栽培しやすく利用方法の多いハーブです。ローズマリーの収穫のやり方や切り方のポイントをつかんで、収穫したローズマリーをさまざまに利用して生活に役立てみませんか。
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出典:筆者撮影