アボカドの水耕栽培【栽培スケジュール】
アボカドは水耕栽培で気軽に育てられるのが魅力で、種からスッと茎が伸びる面白い咲き姿が人気の植物です。鮮やかな黄緑色の葉をつけるのが特徴で、室内のインテリアや観葉植物としても育てられます。アボカドは適度な水の量と、最適な温度で管理すれば室内でも栽培できます。
栽培スケジュールカレンダー
アボカドの水耕栽培【水耕栽培の準備】
アボカドは中央アメリカやメキシコが原産の熱帯果樹です。耐寒性が強く、生育旺盛のため初心者でも気軽に育てられます。用土を使用しない水耕栽培も可能で、容器やつまようじなどを揃えるだけで栽培できます。株を大きくしたい場合は、液体肥料を追肥しましょう。
準備するもの
アボカド
まずは、アボカドの種を準備しましょう。スーパーや青果店などでアボカドを購入し、食べ終わったあとの種を使用しても構いません。アボカドの果肉には、種の成長を抑制する成分が含まれているため、水耕栽培する場合は果肉をしっかりと洗い流すのがポイントです。種の表面がツルツルになるまで丁寧に洗いましょう。
ボタニ子
アボカドの種は、低温状態に長く置かれていると発芽しにくくなります!
保管中や輸送中に低温にさらされている場合があるため、アボカドをいくつか用意しておくと安心ですよ。
透明の容器
アボカドを水耕栽培する容器を準備します。アボカドの種がちょうど入るサイズで、根が成長しやすいように10cm以上は深さのある容器がおすすめです。根の成長具合が確認できるように透明の容器を使用しましょう。使用済みの空き瓶や、ペットボトルの空容器を使用しても構いません。
つまようじ
アボカドの水耕栽培に欠かせないのがつまようじです。アボカドの種を水に全て沈めると、種の呼吸ができなくなって腐ってしまいます。また、種が半分だけ水から出るように、水を浅く張ると根が成長しにくくなります。そのため、つまようじをアボカドの種にさして、容器の上に固定しながら育てるのがコツです。
ボタニ子
つまようじで固定できるように、容器の口が広すぎないものを選ぶのも重要なポイントだね。
液体肥料
アボカドは春〜秋にかけてが成長期にあたります。種が発芽し、成長が安定してきたら、水に液体肥料を適量施しながら育てましょう。リン酸を多く含んでいる「ハイポネックス」などの液体肥料がおすすめです。
アボカドの水耕栽培【種の固定〜育苗】
アボカドを水耕栽培する場合は、種を正しい位置で固定するのが重要なポイントです。アボカドの種をしっかりと固定して、適した置き場所で栽培していきましょう。
種の固定
アボカドの種は、ニワトリのたまごのような形をしており上下があります。尖っている上部から発芽し、丸い下部から発根するのが特徴です。上部は水に浸からないようにして、下部は水の中で管理します。そのために、種の側面につまようじをさして、容器に引っ掛けるように固定するのがポイントです。
ボタニ子
つまようじは、種に対して「斜め下向き」にさすのがポイントです。水平にさすと水の量がたくさん必要になります。
置き場所
アボカドは、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。水の温度が高くなりすぎると、アボカドの種が腐る恐れがあります。直射日光は避けて、優しく日光の差し込むような窓辺に置くのがおすすめです。1日〜2日に1回は、必ず新しい水に交換して清潔な状態を保ちましょう。
植え替え
アボカドを開花させて収穫まで楽しむには、用土に植え替えるのがベストです。種を固定して水耕栽培を始めると1カ月〜2カ月で発根が始まり、その後に発芽します。茎がある程度伸びて葉がついたら、用土に植え替えましょう。用土に植え替えた場合は、土の表面が乾燥してから水やりをしてください。10月下旬までは、1カ月に1回の割合で液体肥料を施します。
アボカドに適した用土は?
アボカドを用土に植え替える場合は、市販されている「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒7:腐葉土3をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
アボカドの水耕栽培【開花〜収穫】
開花
アボカドは5月〜6月にかけて、1cm〜1.5cmほどの花を咲かせます。花は黄色で「円錐花序(えんすいかじょ)」という形をしているのが特徴です。円錐花序とは、花軸が何度も枝分かれして、多数の小花を咲かせる花をさします。また、アボカドは「雌雄異熟(しゆういじゅく)」という性質があり、雄しべと雌しべが成熟する時期が異なります。
人工授粉
アボカドは雌雄異熟花のため、受粉を手助けしなければ結実しません。アボカドの実を収穫するには、人工授粉をする必要があります。アボカドは時間差で雄しべと雌しべが成熟するため、午前中に筆や綿棒を使って成熟した雌しべから花粉を取り、午後に雄しべに優しく花粉をつけてください。
収穫
アボカドの収穫時期は11月〜12月です。しかし、水耕栽培のように種から育てた場合、収穫は難しいといわれています。確実に収穫するには苗を購入して、接ぎ木をして実をつけさせるのが一般的です。種から育てた場合は、花が咲くまでに10年以上かかるため、アボカドを水耕栽培して収穫するのは難しいでしょう。
ボタニ子
次のページでは、水耕栽培で発芽させるコツや枯れる原因をご紹介します。
出典:写真AC