インコが食べたら危険な植物【⑥~⑩】
⑥アイビー
アイビーはつる性植物で、おしゃれなうえに耐陰性に優れていることから、室内での観葉植物として高い人気を誇っています。常緑で控えめながら存在感があり、鉢植えやハンギング、寄せ植え、ブーケなど、いろいろな楽しみ方ができる点も魅力です。つるは旺盛に育ちますが細く安定性が低いため、誤食以外にもインコがつかまって遊ばないよう注意を払ってください。
毒性と症状
アイビーには、「サポニン」と呼ばれる毒素成分が含まれています。インコが口にすると嘔吐、下痢、皮膚炎、昏睡、呼吸困難などの症状を引き起こします。つる全体に見られる成分のため、インコのケージの近くには置かないようにしましょう。ケージから距離をとって設置した場合でも、気が付かないうちにつるが伸びてインコがつつくケースもあり、注意が必要です。
⑦セローム
セロームは、切れ込みが入った大きな葉と突起の生えた幹が特徴のサトイモ科の植物です。別名「ヒトデカズラ」と呼ばれるように、葉の形はどこかヒトデに似ています。インパクトのある姿が魅力的なうえに「愛の木」という呼称を持ち、観葉植物としても人気です。茎は太くインコが止まりやすく、大きな葉に実を潜めてつついてしまう可能性が高いため注意しましょう。
毒性と症状
セロームに含まれる毒性成分は「シュウ酸カルシウム」です。誤って口にした際の症状としては、口内の炎症や痙攣などが挙げられます。主に樹液に見られる成分であり、樹液に触れるだけでもかゆみやかぶれを引き起こすことがあるため気をつけましょう。セロームに限らずサトイモ科の植物には同じ成分が含まれていることを覚えておいてください。
⑧ポインセチア
ポインセチアはクリスマスを代表する植物のひとつで、花の周りの苞(ほう)と呼ばれる部分が赤く色付く様子が魅力的な常緑低木です。人気が高く品種改良が進み、近年では赤以外にもピンクや白のタイプも増えてきました。大きいタイプは60cmまで成長しインコが止まりやすく、赤い色に興味を示し近づきやすいため注意が必要です。
毒性と症状
ポインセチアには、「アルカロイド」と呼ばれる毒素成分が含まれています。毒素成分は茎や葉、花など、植物全体に含まれています。インコが食べた場合の症状は、下痢や痙攣などです。症状がひどいと死に至るケースもあります。毒性成分はクリスマスの贈り物として貰うことも多いため、置き場所には十分注意を払いましょう。
⑨ポトス
ポトスはサトイモ科のつる性植物で、つややかな葉を滴らせるように這わせて伸びる姿が魅力的です。「永遠の富」という花言葉を持ち、日光をあまり必要とせず栽培しやすいことから、観葉植物として人気です。茎や葉は丈夫ですがつるに安定性はないため、誤食はもちろんインコがつかまって遊ばないように注意を払う必要があります。
毒性と症状
ポトスに含まれる毒素成分は「シュウ酸カルシウム」です。インコが口にすると、食欲低下、炎症、嚥下(えんげ)困難などの症状が起こります。ポトスはおしゃれでプレゼントにもらう機会も多い植物です。自分で購入する以外の場合でも、気が付かずに飾っているケースもあるため、飾る前にきちんと確認することをおすすめします。
⑩モンステラ
モンステラは深い切れ込みのある大きな葉が特徴的で、存在感がありさまざまな部屋にあわせやすいことから、インテリアの一部としても人気があります。樹高2mを越えるタイプもあり、葉は大きいものだと1m以上にまで成長します。インコなどの小鳥が身を隠すには十分すぎるサイズ感であるため、隠れて口にしてしまわないように注意が必要です。
毒性と症状
モンステラに含まれる毒性成分は、セロームやポトスと同じ「シュウ酸カルシウム」です。インコが食べた場合、食欲低下、嚥下(えんげ)困難、炎症などの症状を引き起こします。モンステラはカットすると茎や葉から毒素を含む液が出てくるため、誤食以外にも、インコが触れてかゆみやかぶれを引き起こさないように注意してください。
インコに有害なサトイモ科の植物にはどんなものがありますか?
インコに有害な代表的なサトイモ科の植物には、セローム、ポトス、モンステラ、カラー、スパティフィラム、アンスリウム、アロカシア、カラジウムなどが挙げられます。これ以外にもたくさん種類はあります。基本的にインコにとってサトイモ科の植物は、全般的に有害であるという認識でいてください。
インコが危険な植物を口にしないためには
対策①植物を選ぶ前に確認する
大切なインコを苦しめないためにも、観葉植物を購入する際には、事前にインコにとって有毒でないかどうか確認しましょう。特にケージから出して部屋の中を自由に行き来させる方は、十分な下調べをしてください。インコは木や枝に止まったり、葉や茎をつついたりする動物です。危険かどうか自己判断ができないため、口にしても安心な植物を選ぶことをおすすめします。
止まり木に使える安全な観葉植物
止まり木に使える安全な観葉植物はたくさんありますが、代表的なものは幸福の木、金のなる木、サンセベリア、シェフレラ、パキラ、ゴムの木などが挙げられます。中でも育てやすいパキラや幸福の木は、インコもつかまりやすく止まり木におすすめです。ゴムの木は樹液に粘りがあるため、羽について羽ばたきにくくならないように注意してあげましょう。
対策②植物の置き場所に気をつける
インコが有害な植物を口にしないためにも、観葉植物の置き場所には注意が必要です。室内を自由に行き来させる場合は、その部屋に有害な植物を置かないことが大事です。ケージ内で飼う場合でも、ケージ近くに有害植物を置いておくと、風でなびくなどの理由でインコが誤食する場合があります。大きく距離を取り、ケージと同じ高さに置かないなど対策をとりましょう。
インコが危険な植物を食べた場合、どうしたらよいでしょう?
インコが危険な植物を食べた場合は、すぐに病院で診てもらいましょう。毒性のある植物を食べた場合は時間との勝負になります。余裕があるならば口にした植物の写真を撮り、医師に見せてください。誤食後は体温が低下する場合があるため、外出用のケージをタオルなどで包み、カイロを使うなどの保温に努めましょう。
有害な植物からインコを守ろう!
インコやオウムなどの愛鳥にとって、危険な植物の種類は非常に多いです。観葉植物も愛鳥にとっては止まり木にピッタリであり、かじったりつついたりするのが当たり前です。安全で楽しい愛鳥との暮らしを守るためにも、愛鳥の周りには安全な植物を置くことを心がけ、危険な植物は別部屋に置くなど対策をとりましょう。
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出典:写真AC