ブラックキャットとは
ブラックキャットは、インドや東南アジア~マレー半島に生息している、タシロイモ科の植物です。田代安定という植物学者が初めて日本に紹介した植物で、タシロイモ科という科ができました。ブラックキャットには色、形ともに一度見たら忘れられないような強いインパクトがあります。湿度や温度などの管理ができれば、一年中ユニークな花を咲かせます。
基本情報
科属 | タシロイモ科タシロイモ(タッカ)属 |
学名 | tacca chantrieri |
形態 | 非耐寒性常緑多年宿根草 |
原産地 | インド~東南アジア、マレー半島 |
草丈 | 80cm~100cm |
花期 | 7月~10月、環境によって通年 |
育成温度 | 20℃~27℃ |
耐寒性 | 弱い |
英名 | black bat flower、devil flower、black lily |
和名 | 黒花田代芋 |
種類は多くない
ブラックキャットは種類の多い植物ではありません。苞葉(ほうよう)が白いホワイトバットフラワーと呼ばれる、タッカ・インテグリクオリアという種類と、苞葉が緑色のタッカ・グリーンアイルがあるようです。育て方はブラックキャットと同じで、湿度や温度、水やりのタイミングに注意して乾燥させなければ花を咲かせます。
ブラックキャットの特徴
特徴①花
ブラックキャットの花は、中央に固まって咲きます。花びらに見える、黒猫の耳のようなものは苞葉です。ブラックキャットの花は星のような形で、直径は約5cmです。中心にある小さい緑色のオクラ状のものが蕾で、徐々に紫色になると開花します。開花したブラックキャットは、最初は上を向いていますが、咲き進むと舌を出すような形で前方に垂れ下がってくるのが特徴です。
ボタニ子
ボタ爺
花期の寿命は個体差はあるが、10日~2週間くらいかの。
苞葉とは?
苞葉は、苞(ほう)とも呼ばれます。蕾や芽が出てくる前に、保護する働きをする葉が変形したものです。花が咲いたり芽が出たりしたあとは落ちるものもありますが、ブラックキャットの場合そのまま残り、その様子は花弁のように見えます。
特徴②葉
ブラックキャットの葉は明るい緑色で、地下茎から生えてきます。ブラックキャットの葉は卵型で先がとがっており、葉脈が目立ちます。光沢があるのも特徴です。葉の長さは50cm、幅が20cmくらいですが、環境があっており土壌が肥沃だともっと大きくなる個体もあります。
特徴③不稔性花柄(ふねんせいかへい)
ブラックキャットの大きな特徴の一つが、猫のヒゲのように長く伸びたものです。めしべかおしべにも見えますが、実は発達せず花を咲かせなかった花茎です。不稔性とは広い意味では正常に発達できなかったため花が咲かせられない、もしくは受粉ができないということをさします。しかし、ブラックキャットにおいては特徴であり、この花のユニークな個性です。
ブラックキャットの育て方【栽培カレンダー】
ブラックキャットを栽培したいと思っても、なかなか出回ることが少ない希少種です。ホームセンターでタイミングよく販売していたら、幸運です。ブラックキャットの鉢植えや苗、種の購入はインターネットを利用してみましょう。季節によっては楽天市場やAmazonで扱っている場合もありますが、園芸ショップのサイトなどで株や種を販売している場合もあります。
季節ごとの作業
春は植え替えや株分けの適期
ブラックキャットの植え替えや植え付けは、春がおすすめです。地域差がありますが、4月~5月がよいでしょう。暖かくなり気温が15℃を下まわらなくなったら、根詰まり解消のために植え替えたり新しい株を植え付けたりしてください。株分けした株を植え付けるのも、この時期がおすすめです。
夏は水切れに注意
ブラックキャットは水を好む植物です。冬以外は土が乾燥しはじめたタイミングで、しっかり水やりしてください。とくに、高温になる夏場は水切れしやすいため注意が必要です。空気中の湿度が高いのも好むことから、葉水するのもおすすめです。
秋は花茎の剪定をしよう
ブラックキャットは、基本的に夏に花を咲かせます。ブラックキャットの採種目的でない場合は、花が終わったタイミングで花茎を根元から剪定してください。ブラックキャットを切り花として楽しむのもよいでしょう。
冬は栽培環境を整える
ブラックキャットの耐寒性は強くないため、栽培環境の管理が必要です。常緑で冬越しさせるためにも、暖かい環境を保つよう心がけましょう。枯れずに葉が残っている際は乾かし気味に管理し、空気中の湿度を保つために葉水を与えます。
ボタニ子
暖かい場所で管理するといっても、エアコンの風が当たる場所は避けましょうね。
ブラックキャットの花言葉は「孤独な主張」や「邪悪」よ。不思議な形の花だけれど、ちょっとかわいそうな花言葉ね。