ツルハナシノブの育て方【日常管理】
栽培環境
ツルハナシノブは半日陰~日当たりのよい場所で育てましょう。ただし、耐暑性は普通のため、西日が強く当たる場所や一日を通して強い日差しが長く当たる場所は避けたほうが無難です。特に夏の直射日光は苦手なことから、鉢植えの場合は適宜移動させてください。地植えの場合は、落葉樹などの木の下のような、優しい日当たりの場所が向いています。
ボタニ子
加湿状態は苦手だから、風通しのよい場所で管理してね!日が当たらなさすぎると、花つきが悪くなるから気をつけて!
ボタ爺
暑さは苦手とされているが丈夫な植物だから、沖縄のような暑い地域でなければ、それほど神経質になる必要はないぞ!
水やり
地植えの場合は基本的に降雨のみで問題ありません。日照り続きで乾燥がひどい場合にのみ、水やりしてください。鉢植えの場合は、土表面が乾いたタイミングで水やりしましょう。乾く前に水やりを続けると、根腐れしてしまいます。夏は蒸らさないためにも朝か夕方に、冬は夕方以降の冷えで土を凍らせないためにも朝のうちに水やりしてください。
肥料
ツルハナシノブはそれほど多くの肥料を必要としません。地植えの場合は植え付け時に土作りをしっかりとしておけば、その年は追肥しなくて大丈夫です。元気がないときや翌年以降は、春と秋に1回ずつ、緩効性肥料を与えてください。鉢植えの場合は植え付け時(翌年以降は春)と秋に1回ずつ緩効性肥料を与えましょう。
ボタニ子
鉢植えの場合、植え付け時に市販の元肥入り培養土を使うなら、春の肥料は与えなくて大丈夫だよ!
害虫対策
ツルハナシノブは害虫がつきにくい植物ですが、強いて挙げるならアブラムシやナメクジには気をつけましょう。アブラムシは増えやすく、吸汁加害や病気の媒介を促すため、見つけ次第すぐに捕殺してください。ナメクジは6月~7月の梅雨の時期に発生しやすいです。食害し、ひどい場合は葉や茎だけでなく株全体を弱らせてしまうため、気がけて観察し捕殺しましょう。
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フマキラーのお庭の虫キラーは、5種類の虫が好むエサをブレンドして作られた誘引殺虫剤です。50種類以上の虫に効果が期待でき、誘引力に優れ、少量でも効き目を実感できます。誘引した虫はマヒを起こして動けなくなるため、効率よく害虫駆除したい方におすすめです。ナメクジやムカデなら数時間でマヒし翌日には動かない状態に、それ以外の虫なら数分でマヒし数時間後には動かなくなります。
内容量 | 300g |
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有効成分 | メタアルデヒド、カルバリル |
適用害虫 | ナメクジ、ヨトウムシ、ムカデなど |
病気対策
ツルハナシノブがかかりやすい病気には「うどん粉病」や「灰色カビ病」が挙げられます。いずれも地中の糸状菌と呼ばれるカビが原因です。日光不足、通気性の悪さ、肥料の与え過ぎなどが引き金になりやすいため、環境づくりに気をつけてください。発生初期であればすぐに患部を切り取って様子をみましょう。切り取った部分は置いたままにせず、すぐに償却してください。
ボタニ子
菌は風で飛んで被害拡大することがあるから、早期発見に努めてね!殺菌剤を使うのも効果的でおすすめだよ!
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住友化学園芸のカリグリーンは、うどん粉病や灰色カビ病の発病後の治療に効果が期待できる殺菌剤です。人と環境に優しい炭酸水素カリウムが主成分で、有機農産物やオーガニック栽培にも使えます。散布の翌日には野菜類の収穫もでき、使いやすくて人気があります。
内容量 | 1.2g×10 |
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有効成分 | 炭酸水素カリウム |
適応病気 | うどん粉病、灰色カビ病、サビ病など |
ツルハナシノブの育て方【特別な手入れ】
夏越し・冬越し
ツルハナシノブの耐暑性は普通で、真夏に気温がひどくあがる地域、強い直射日光や西日が当たる場所を避ければ、夏越しはそれほど難しくありません。鉢植えの場合は、その都度涼しい場所に移動させましょう。地植えの場合は事前に植える場所をしっかりと見極めることが夏越し対策につながります。耐寒性には優れているため、基本的に冬越し対策は必要ありません。
ボタ爺
どうしても強い日差しの当たる場所に地植えしたいのなら、夏の間だけ日除けを設置するのもひとつの手じゃよ。
花後
鉢植えの場合は、花後には花柄摘みをしましょう。花びらは自然に散りますが花柄とガクは残るため、花茎ごと切り取ってください。グランドカバーなど広範囲に地植えしている場合は、無理して花後に花柄摘みをしなくても構いません。花柄は摘んだほうが見栄えがよく成長も促せます。頻回にする必要はなく、余裕があるときや気が付いたときに軽く摘む程度で大丈夫です。
ボタニ子
花後に花柄を摘んでおくと、雨や水やり後にジメジメ感が少なくなって病気にもなりにくくなるよ!
切り戻し
開花時期が終わりを迎える6月~8月ごろに切り戻しましょう。茎を短くカットするだけなのでとても簡単です。切り戻すことで風通しがよくなり、夏の暑い時期の蒸れ防止につながります。また、栄養が全体に行き渡りやすくなることによって密に葉がしげるようになるため、グランドカバーのように庭に敷き詰めたい場合には切り戻しが重要なカギになります。
植え替え
繁殖力が高いツルハナシノブは、鉢植えの場合は2年に1回を目安に植え替えしましょう。株を掘り起こし、根を傷つけないように古い土を軽く払い、一回り大きな植木鉢やプランターに植え替えます。地植えの場合は基本的に植え替える必要はありませんが、「花付きが悪くなった」「成長が鈍くなった」ときには、一度掘り起こして株分けすることをおすすめします。
増やし方
ツルハナシノブの増やし方は、「株分け」や「挿し木」が簡単でおすすめです。適期ややり方を押さえて、好みの種類のツルハナシノブを増やしてみましょう。愛らしく人気のある植物で、たくさん増やしてプレゼントしても喜ばれます。
増やし方①株分け
開花前の3月~5月か、暑い夏が過ぎ去った9月~10月ごろが株分けの適期です。株を掘り起こしたら、根を傷つけないように優しく土を払います。分けやすそうな場所を選んで手で分け、それぞれ植え替えるだけです。株分けの際、手で分けるのが難しいようであれば、ハサミやナイフを使いましょう。植え替えたら水をたっぷり与えて完了です。
ボタニ子
株を掘り起こして切り分けたら、根が乾燥してしまう前に植え替えてね!株になるべく負担がかからないようにすると失敗が少なくなるよ!
ボタ爺
株は3年以上経つとだんだん弱ってくるんじゃ。株分けはおすすめの増やし方なだけでなく、元気を取り戻す作業にもなるぞ!
増やし方②挿し木
挿し木の適期は、暑くなる前の時期である5月~6月です。その年に新しく成長した元気な茎を選び、約10cmの長さで切り取ります。上部の葉を残し、下のほうの葉は切り落として挿し穂を作ったら、あとは挿し木用の土か清潔な赤玉土などの用土に挿すだけです。表面が乾いたら水やりをしながら、風通しのよい場所で管理しましょう。発根したら植え替えます。
出典:写真AC