チョロギとは?
チョロギはシソ科の多年草で、食用や観賞用として栽培されています。「長老木」や「長老喜」などの漢字が当てられており、めでたく縁起がよいイメージがあることから、お正月のおせち料理で色どりに使われます。
基本情報
別名 | ネジイモ |
分類 | シソ科カッコウソウ属 |
学名 | Stachys sieboldii |
英名、仏名 | Chinese artichike、crosne |
原産地 | 中国 |
旬の時期 | 10~11月 |
花言葉 | 驚き、楽しい人生 |
チョロギの歴史
チョロギは江戸時代に日本に入ってきたといわれ、かつては日本中で作られていたようです。しかし、くびれのある巻貝のような形をしているため洗浄に手間がかかることから、徐々に耕作数が減少しました。
ボタニ子
ちなみに、チョロギはヨーロッパにも伝わっているよ。アジア特有っぽい見た目だけど、フランスでも人気の食材なんだって。
チョロギの産地
近年は、北海道、秋田、岩手、福島、岐阜、岡山、広島、大分などに産地があります。一度は生産が下火になりかけたチョロギですが、栄養や効能が再び注目され、少しずつ生産が増加しているようです。
ボタニ子
東北地方が主な生産地なんだよ。西にいくにしたがって、収穫期が遅くなるの。
チョロギの旬
毎年3月頃に植え付けられるチョロギの旬は、収穫が最盛の時期を迎える11月~12月です。ちょうど、おせち料理用などへの加工に使いやすい頃が旬の時期に当たります。
チョロギはどこで手に入る?どんなチョロギを選べばいい?
チョロギはスーパーや青果店などではあまり見かけられない食材ですが、道の駅や物産館などで手に入ることがあります。新鮮なチョロギは見た目が真っ白で、空気に触れるとだんだん黄色(茶色)くなるため、白く新鮮なものを選びましょう。
チョロギの特徴
特徴①淡泊な味
生のチョロギはアクが強いうえ味が薄く淡泊です。そのため、漬物に加工したり火を通したりしてから食べることが多い食材です。生の食感はカリカリとしており、火を通すとホクホクとして、イモやゆり根のような食感に変わります。
ボタニ子
チョロギは虫のように見えるから、食欲がわかない人もいるみたい。でも、チョロギはおいしく食べられて栄養もあるの…。
チョロギは「茎」だった!
チョロギは実のようにも見えますが、「塊茎」と呼ばれる肥大した茎の部分で、土の中から掘り出して収穫します。この部分に栄養がたっぷりと蓄えられています。
塊茎と塊根との違いは?
- 塊茎:肥大化した茎(ジャガイモやサトイモなど)
- 塊根:肥大化した根(サツマイモなど)
ボタ爺
塊茎も塊根のどちらも中に栄養を蓄え、栄養繁殖をするぞ。
ボタニ子
通販でも手に入るよ!旬の時期に通販サイトをのぞいてみるのがおすすめだよ。
特徴②健康づくりに役立つ効能
特に冬場にうれしい健康効果
チョロギにはたんぱく質やビタミン、鉄分などの栄養が豊富に含まれています。強い抗酸化作用を持つアクティオサイドという成分が含まれているのも特徴です。感染症予防に役立つでしょう。また、オリゴ糖も含まれることから消化を助け、胃腸の働きを正常に保つのに有効といわれています。
ボタ爺
冬は感染症が流行るから、旬の季節には食べておきたいぞ。ただし食べ過ぎは冷えを招くからほどほどにじゃ!
ボタニ子
チョロギエキスや粉末の製造方法は、製薬会社により特許化されているの。健康志向の人は利用してみるのもいいね。
特徴③観賞価値の高い花
チョロギは食用としての栽培だけではなく、観賞用としても楽しめる植物です。チョロギの花は、同じシソ科のオドリコソウやラベンダーなどと似た美しい姿をしています。花弁の色は淡い紫色で、優雅な印象を与えます。
観賞しながら収穫するのもおすすめ
なかなか新鮮なチョロギが手に入らないときは、チョロギの栽培にチャレンジするのも一つの方法です。チョロギは細かい手入れを不要とせず、家庭菜園初心者でも収穫まで育てられます。美しい花を観賞しながらチョロギ栽培に挑戦してみましょう。
ボタニ子
草丈は60~100cm、大きく育つよ。地植えでも鉢植えでも育てられるの。
ボタ爺
苗は、生花店や園芸店ではなかなか見つからないかもしれん。インターネット通販なら苗を入手できるぞ。
チョロギのおすすめの食べ方
チョロギは、実は幅広い場面で活躍できる食材です。国内では梅酢漬けや味噌漬けなどの漬物に加工されて販売されることが多いチョロギですが、欧州では炒め物やサラダなどに使われます。スタンダードな漬物だけでなく、いろいろな料理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
チョロギの下処理の仕方
チョロギはアクが強いことから、下処理してから調理することをおすすめします。塩入りの熱湯で茹で、アク抜きをしましょう。一つ一つが小さく、火が通りやすい食材のため、1~2分茹でればOKです。
食べ方①チョロギの梅酢漬け
鮮やかなピンク色のチョロギの梅酢浸けは、お節料理やおもてなし料理にぴったりです。また、さわやかな酸味でお酒のおつまみにも向いていますよ。
作り方
- チョロギを下処理する
- 煮沸消毒した瓶に茹でたてのチョロギを入れる
- その上に、梅酢、黒糖を入れる
- チョロギの熱で黒糖が溶けるように、瓶に蓋をして揺する
- 2~3日つけたら完成
酢漬け商品の販売は豊富
酢漬けのチョロギはスタンダードな食べ方なことから、販売されている商品が豊富です。自分で漬物を作るよりも手軽に食べられるのがうれしいポイントですね。
チョロギ(梅風味)【村岡食品】
チョロギ(梅風味)
参考価格: 1,972円
梅風味のチョロギは、個包装されて販売されています。外出時にバッグに入れて、小腹がすいたときに食べるのもよいですね。おやつにも使えますよ。
容量 | 40g×10袋 |
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食べ方②チョロギの味噌漬け
チョロギの味噌漬けも人気の食べ方です。香ばしい味噌風味のチョロギは、ご飯のお供におすすめです。下処理せずにコリコリの歯ごたえを楽しむのもよいでしょう。
作り方
- 密閉容器に味噌とみりんを入れて混ぜる
- そこに下処理したチョロギを入れる
- 冷蔵庫で約3日つけて完成
食べ方④チョロギの炒め物
欧州ではチョロギをニンニクと塩コショウで炒め、メイン料理の添え野菜として利用することもあるようです。今回は、メイン料理にもぴったりの簡単な炒め物にチャレンジしてみましょう。
材料 (4人分)
チョロギ両手で2つかみ程度
ベーコン
5枚
ぶなしめじ
1/2袋
塩コショウ
適宜
作り方
- フライパンにバター(お好みの量:3~5g)を入れて、弱火で溶かす
- 食べやすい大きさに切ったベーコンとしめじを炒める
- 火が通ったら下処理をしたチョロギを投入する
- 全体をさっと混ぜて完成
食べ方⑤チョロギの天ぷら
和食の王道の天ぷらにも、チョロギは使えます。サツマイモの天ぷらのような歯ざわりが特徴です。サクサクの衣とホクホクのチョロギの食感を楽しみましょう。
材料
チョロギ一つかみ位
薄力粉
100g
冷水
150cc
レモン(添える分)
適宜
塩
適宜
作り方
- 水と薄力粉を混ぜ合わせて天ぷらの衣を作る
- 下処理したチョロギを天ぷらの衣にくぐらせる
- 170℃に熱した油でチョロギを揚げる
- 油をきって、器に盛って完成
ボタニ子
下処理しないで、洗ってそのまま天ぷらに使うのもおすすめ。シャキッとしたやや固めの食感がくせになるかも。
ボタ爺
チョロギの素揚げもぜひ試してほしいぞ。片栗粉を軽くまぶして揚げるだけじゃ。
ユニークなチョロギをおいしく食べよう!
見た目がユニークなチョロギは、縁起物で栄養価も高く、おせち料理だけに使うのはもったいないといえます。日常的に、料理に取り入れてみるのがおすすめです。旬の時期以外や生産地でない場合は、ぜひ通販サイトをのぞいてみてください。漬物や炒め物でチョロギをおいしく食べましょう。
生産地では正月のおせち料理のみならず、食生活に日常的に取り入れられているよ。