サンキライ(山帰来)の概要
サンキライ(山帰来)とは、つる性植物のサルトリイバラ(猿捕茨)の別名です。日本では北海道~九州の山野や丘陵地に自生し、秋には真っ赤な果実をつけます。この果実には毒消しの効果があるとされており、昔は必要なときに山に分け入って、実を取って帰ってくるということが行われていました。
サンキライの基本データ
学名 | Smilax china |
科名 | サルトリイバラ科(ユリ科) |
属名 | シオデ属 |
別名 | サルトリイバラ、サンキライ、ガンタチイバラ、カカラ |
原産地 | 日本、中国、朝鮮半島、インドシナ半島 |
草丈・樹高 | 70cm~350cm |
開花時期 | 4月~5月 |
漢方に利用されている
前述したように果実は食用が可能で、しかも解毒効果があります。このため「毒消しの実」として、古くから利用されていました。また、中国産のサンキライは漢方医学においては、吹き出物や肌荒れ、梅毒などに効能・効果があるとされ、生薬として用いられてきました。
中国産のサンキライと日本産のサンキライの違い
中国産のサンキライは「ケナシサルトリイバラ(毛無猿捕茨)」といいます。日本の自生種とは別種の植物です。この種の根茎に薬効成分があり、漢方では皮膚炎や梅毒の生薬として用いられていました。日本では自生していないため、江戸時代では毎年、中国から大量に輸入していたという記録が残されています。
ケナシサルトリイバラの別名も、この種から作る生薬の名前も「山帰来(サンキライ)」というから、ややこしいよね。
クリスマスシーズンで活躍
サンキライの赤い実は、ドライフラワーにしても美しい姿をたもちます。つるもトゲがありますが、枝はしなやかなのでリース作りに最適な花材として人気です。特に最近は、クリスマスリースでよく利用されるようになりました。サンキライの真っ赤な実は、赤と緑をシンボルカラーとするクリスマスにピッタリです。
サンキライでリースを作る際は、トゲが刺さらないように、必ず手袋を着用してくださいね。
なお、日本産のサンキライも代用品として漢方・生薬に用いていました。しかし期待したほどの薬効(効果)は得られなかったといわれています。