ツルハナシノブの概要
ツルハナシノブは常緑性の宿根草で、原産地は北アメリカです。茎の先端に丸みを帯びた花びらを持つ小花が集まって咲く姿は愛らしく、花色は青やピンク、紫など、品種によってさまざまです。横に広がって成長するはい性であることから、グランドカバーとしてはもちろん、花壇の隙間を埋めたり縁取りにしたり、ガーデニング素材としてとても人気があります。
ツルハナシノブの種類
ツルハナシノブはフロックスの仲間であり、中でも「フロックス・ストロニフェラ系」の代表品種に当たります。同じフロックスの仲間に「フロックス・ディバリカタ系」があり、花姿がとてもよく似ていることから間違いやすいため注意しましょう。ストロニフェラ系は葉が丸く草丈が低めなのに対して、ディバリカタ系は葉が細長く草丈はやや高めなのが特徴です。
ボタニ子
ツルハナシノブにはシアウッドパープルやピンクリッジなど種類がいろいろあるけど、品種名のついてないものも多いんだって!
ボタ爺
植えたい場所の雰囲気にあった花色を選ぶといいぞ!ちなみに、ストロニフェラ系もディバリカタ系も育て方は一緒じゃよ!
ツルハナシノブの育て方【栽培スケジュール】
季節ごとにすること
暖かくなる春には植え付けを
寒さが残る3月~暖かくなる5月頃に、ツルハナシノブの苗を植え付けましょう。植え付け時に肥料を与えたら、基本的に秋まで追肥はいりません。植え替えや株分けをするのなら3月~5月、挿し木をするなら5月~6月の間に済ませてください。早いと4月終わりごろから開花を楽しめます。
夏の始まりには切り戻しをしよう
開花時期は6月頃まで続きます。開花時期が過ぎたら、茎を短く切り戻しましょう。真夏の強い日差しは苦手なため、置き場所を変えたり日除けをしたりして、状況に応じて対応してください。加湿状態にならないように、水やりは涼しい時間に済ませましょう。
秋には追肥をして冬越しの準備を
暑い時期が過ぎたら、9月~10月を目安に追肥を施します。寒さには強いため特別な冬越し対策は必要ありません。見守りながら、春の開花時期を待ちましょう。
ツルハナシノブの育て方【準備~植え付け】
必要なもの
- ツルハナシノブの苗
- 用土
- 植木鉢やプランター(地植えにしない場合)
- 鉢底石と鉢底ネット(地植えにしない場合)
- 肥料
植木鉢やプランターで育てる場合、直径が小さくて深いタイプのものは避けましょう。ツルハナシノブは乾燥を好む傾向があり、ボールプランターのような浅いタイプが向いています。また、横に横に広がる性質を持っているため、直径の広いものに植えたほうが成長も見栄えもよくなります。
用土
ツルハナシノブは湿気を苦手とするため、水はけのよい用土を好みます。鉢植えの場合は市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜて準備しましょう。地植えの場合は、植え付けたい場所の土を掘り起こし、3~4割程度の腐葉土を混ぜてください。水はけが心配な際は、パーライトを1~2割ほど混ぜるのもおすすめです。
ボタニ子
水はけをよくするには、土質改善効果のあるパーク堆肥を混ぜ込むのもおすすめだよ!土の状態を確認して調整してみてね!
植え付け
ツルハナシノブの苗が出回る3月~5月にかけてが植え付けの適期です。鉢植えの場合は通気性確保のためにも鉢底ネットの上に鉢底石をしっかりと敷き、土を半分ほど入れましょう。苗を置いて上から土をかぶせたら完了です。地植えの場合は植え付けたい場所に、20~30cmほどの穴を掘り、苗をセットしてください。土を足していき、苗を安定させましょう。
ボタ爺
横に広がって成長するから、株間は30cm程度はとるんじゃよ!植え付けたら、たっぷり水やりするのも忘れずにのう!
出典:写真AC