ビックリグミという木
ビックリグミという木は、グミの木の一種です。グミの実は赤くやわらかで痛みやすいため、あまりスーパーなどで売られることはありません。実はグミの木は丈夫で育てやすい植物です。その実は渋いものと甘いものがあります。ビックリグミの実はとても甘く、グミの中でも大粒で生食にもジャムにも向いている果物です。ぜひ育てて、実を収穫してみてはいかがでしょうか。
ビックリグミの特徴
ビックリグミは耐寒性が強く、耐暑性や耐陰性も弱くはありません。日本全国どの地域でも育てることができます。また害虫や病気もあまりかかることがなく、初心者向きの果樹と言えます。樹高は2m~4mほどです。それほど大きくなる木でもないため鉢植えにして観葉植物としても楽しむことができます。肥料があまりなくても程よく育つため、育てる手間はほとんどかかりません。
グミの種類は葉で見分ける
グミにはいくつか種類があります。夏グミやトウグミ、ビックリグミ、秋グミなどです。それぞれとても良く似ていますが、葉っぱを見ると見分けることができます。夏グミの葉には鱗状毛が、トウグミの葉には星状毛があります。ビックリグミはトウグミの変種です。
ビックリグミの増やし方
ビックリグミの増やし方は、種まきと挿し木の2種類があります。どちらのやり方も難しくありません。ビックリグミをたくさん増やしたいという場合には、ぜひ挑戦してみましょう。
種まきで増やせる
ビックリグミは、種まきをしても簡単に増やすことができます。初めに苗木を購入して植えておけば、あと収穫した実から採れる種を保管しておき、時期になったら種まきできます。種まきの時期は3月ごろがいいでしょう。
挿し木で増やせる
ビックリグミの増やし方は、種まき以外にも挿し木があります。剪定した枝を使うと、わざわざ枝を切り取らなくても大丈夫です。新芽のついている新しく伸びた部分を10cm~15cmくらいに切ります。挿し木をする前に芽の部分を上にし、下の切り口を2~3時間水に浸けておきましょう。
挿し木をする
挿し木をする時期は6月~7月の暖かい日がおすすめです。挿し木用の用土を入れたポットを用意し、挿し木をします。根付くまでは明るい日陰で風通しの良い場所に置き、水切れを起こさないように管理しましょう。新しい葉が5~6枚出てきて根付いたら成功です。大きくなったら鉢植えか庭に植え替えましょう。
ビックリグミの花と開花時期
ビックリグミには白くて小さな花が開花します。かわいらしい花で密集して咲きます。開花時期は5月ごろになります。鉢植えにして室内で育てることもできるため、実を収穫するだけでなく、開花時期には花を楽しんだり、インテリアとして飾ったりもできます。
ビックリグミの受粉
ビックリグミの花粉は不完全なものが多いです。グミの仲間には自家結実性で1本でも受粉でき、たくさんの実がなるものもあります。しかしビックリグミは1本ではうまく実がならないことも多いです。花はたくさん開花するのに実がならない、という時は、近くに受粉樹として夏グミか秋グミを植えましょう。同じ種類のグミよりも違う種類のグミを植えると上手く結実します。
受粉樹を植えられないときは
ビックリグミは自家不結実性であり1本ではなかなかうまく実がならないのですが、鉢植えの場合には2本植えるということも難しいでしょう。そういった場合はジベレリン処理をすることによって、うまく結実させることができます。ジベレリンはブドウの種をなくすときなどにも使われる薬品であり、人体に害はありません。
ビックリグミの育て方
ビックリグミは地植えでも鉢植えでも育てることができます。植え方も簡単で、育てるのに手間もかかりません。苗はホームセンターなどで売っているのでなるべく元気がよく、害虫や病気の付いていないものを選ぶようにしましょう。地植えであれば風通しのよく、日当たりのよい場所に植えましょう。用土は特に選ばないため、水はけがよければ大丈夫です。
ビックリグミの育て方①肥料
ビックリグミって肥料をあげないといけないのかな?でもないと大きくならないよね?
そうね、いわゆる追肥というやつね。でもビックリグミにはそんなにたくさんは必要ないの。冬を越した2月ごろと9月ごろの年に2回、肥料をあげるだけで十分よ。
ビックリグミの育て方②水やり
地植えの場合は特に水やりの必要はありません。鉢植えであれば、土の表面が乾いた時にたっぷりと水をあげるようにしましょう。夏の水やりには気を付ける必要があり、真昼に水をあげてしまうと鉢の中で水の温度が上がりすぎて根が傷んでしまいます。そのため朝早くか夕方の気温が下がる時間に水をあげます。乾燥には比較的強いですが、水が切れることのないよう注意してください。
ビックリグミの育て方③害虫
ビックリグミにつく害虫や病気はそれほど多くはないため、そこまで警戒の必要はありません。しかしハダニやアブラムシはつくことがあるため、気になるようであれば予防で薬剤を散布するのもいいでしょう。収穫した実を食べるようであれば、なるべく人体に影響のないものを選ぶようにしましょう。
ビックリグミの育て方④収穫
植え方や育て方の簡単なビックリグミは、収穫も実った実をちぎるだけで特に難しいものではありません。真っ赤になった実はそのまま食べても美味しく、また種を取ってジャムにしても食べることができます。ただし一度にたくさん食べすぎるとおなかを壊すこともあるので、ほどほどにしておきましょう。
ビックリグミの実ってかなり小さいけどジャムにするところなんてあるのかい?種を取るだけでも大変そうだ。
ふふ、種を取るのは簡単よ。お鍋にたっぷりの水を沸かして、1~2分くらい沸騰したお湯で実をゆでるといいわ。そのあとは、目の小さいザルにあげて水をしっかり切ってから、へらなどで実をつぶせばいいのよ。そうすることでうまく種をザルの中に残して実だけ分離できるの。ざるの下にはちゃんとお鍋を準備しておいてね。ビックリグミの木を育てたら、ぜひやってみて!
ビックリグミの育て方⑤植え替え
地植えの場合には必要ありませんが、鉢植えの場合には2年に1度くらいは植え替える必要があります。植え替えは3月ごろがいいでしょう。鉢のそこから根が見えてきたら植え替えの時期です。放っておくと根詰まりや根腐れを起してしまうので、きちんと植え替えるようにしましょう。
植え替えの準備
植え替えをするには今までよりも一回り大きい鉢と、果樹用の用土を準備します。植え替えるときに土を落としすぎて根を露出させてしまうと根や株が弱ってしまうことがあるため、土は半分ほど落とさずに残しておきましょう。植え替えた後はたっぷりと水をやって、明るい日陰に置くといいでしょう。
ビックリグミの育て方⑥剪定
木の枝が伸びすぎてあまり混みあうようであれば、少し剪定をして整理してあげるといいでしょう。剪定をする時期としては、冬の休眠明けである2月~3月ごろがおすすめです。混みあっている枝を整理して見栄えよく、風通しよくして挙げるといいでしょう。枝が密集しすぎてまったく風が通らないと、害虫が付く可能性もあるため気を付けましょう。
ビックリグミを育てよう
ビックリグミをたまに公園や庭先でみつけると、つい食べたくなって手を伸ばしてしまうことはないでしょうか。ちょっと懐かしい味のする、なかなかお店では買うことのできない果実です。丈夫で育てやすいので、ぜひ庭で育ててみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC