夏の代表的な花「ひまわり」とは
夏の時期になると、空に向かってスッと伸びて育つ大輪の向日葵は、咲いている姿をみつけるとパッと明るい気持ちにさせてくれます。そんな明るい黄色の花を咲かす向日葵の花言葉は、「あこがれ、愛慕、あなただけを見つめる」です。
大輪ひまわりの基本情報
学名 | Helianthus annuus |
和名 | 向日葵(ひまわり) |
科名 | キク科 |
属性 | ヒマワリ属 |
形態 | 一年草 |
原産地 | 北アメリカ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
大輪系ひまわりの品種
日本で流通している大輪の向日葵は日本で改良された「大輪ひまわり」という鑑賞用の品種です。世界には種が食用やペットの餌用として栽培され、花の大きさも30cm~45cmという巨大輪になる品種もあります。
大輪系ひまわりの品種
草丈が150cm~180cmで花の直径は30cmほどの景観形成作物で、一般的にF1品種とよばれています。
- 大輪ひまわり
- 大雪山
- ひまわりバレンタイン
- 太陽
世界の巨大輪ひまわりの品種
- ヒマワリ・ロシア
花は25cm~30cm、草丈は2m~3m。種子が食用になりロシアで多く栽培されている品種です。 - ヒマワリ・モンゴリアンジャイアント
食用ひまわりで花の直径は40cm、草丈3.5m~4m以上になります。 - ヒマワリ・サンジラ
イギリスが出身の食用ひまわりで、花の直径は45cm、草丈は3.5m~4mになります。 - ヒマワリ・コング
花の直径は30cmほどですが、枝分かれしてたくさんの花が咲きます。草丈は条件が合えば5mくらいになります。
冬でも育つ大輪ひまわりの品種
- 食用ひまわりの「ハイブリッドサンフラワー」は、種のまき時が4月~8月と長く、まく時期をずらせば開花期を11月~12月にすることもできます。
- ただし、まく場所は1日中日当たりの良い場所がよいでしょう。
ガーデニング初心者でも簡単に育てられる?
庭でガーデニングをしていたら、庭を向日葵でいっぱいにしてみたいと、思う人も多いのではないでしょうか。栽培をするのなら巨大輪の向日葵がよさそうです。花は直径で20cm~30cmに、草丈は2m~3mと大きくなり迫力満点です。日本で改良された「大輪ひまわり」は直径15cm~20cm、草丈1.5m~2mなので、ガーデニング初心者でも簡単で育てやすい品種でしょう。春先になると種が流通してきます。
大輪ひまわりの育て方(地植え)
地植えのコツ①場所
ヒマワリは荒れ地でも育つ丈夫な草花なので育て方も簡単で、ガーデニング初心者向けの花といえます。庭できれいな花を咲かせるためには、日あたりのよい場所が必要です。有機物を多く含む肥沃な水はけのよい土だとよく育ちます。
地植えのコツ②培養土
向日葵はあまり土を選ばずともよく育ちますが、水はけと水もちのよい肥沃なものが向いています。地植えの培養土は、堆肥(2kg~3kg)、腐葉土(2kg~3kg)と化学肥料(100g)を施しよく耕して作ります。
地植えのコツ③種まきの適期
寒地 | 5月中旬~6月中旬 |
寒冷地 | 5月上旬~6月中旬 |
温暖地 | 4月上旬~6月中旬 |
暖地 | 3月中旬~6月上旬 |
地植えのコツ④種のまき方
直に種まきする方法
土を地下から40cmになるように盛り畝を作って、根元に水がたまらないようにします。種は20cm間隔に2~3粒ずつまいて、土を1cmほどかぶせて発芽まで乾かさないよう、水やりをかかさないようにします。
ポットでの育て方
苗ポット 7.5cm10個入り【ポリポット】【種まき ポット】【ポット 種まき用】【育苗 ポリポット】【ポット 7.5cm】【黒ポット】【ビニールポット】
参考価格: 107円
寒地や寒冷地で向日葵を栽培するときには、ポットに種まきし、日なたを選びながら苗を育て、植え替えをすると上手に育ちます。方法は育苗用のポットに市販の種まき用培養土を詰め、種を2〜3粒まき、土を1cm位かけます。水やりをたっぷりしておきましょう。
地植えのコツ➄苗の育て方
種は1週間ほどで発芽しますので、十分に根を張らせるため、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。その後3週間くらいが生育初期です。本葉が出始めたら週に一度は液体肥料を与えましょう。本葉が2枚~3枚出てきたころに間引きし、元気で健康な1本を育苗します。
間引きの注意ポイント
複数の芽が密接して発芽した場合、引っぱって抜くと残すつもりの芽も一緒に抜けたり、根を傷つけたりすることがあります。付け根からはさみで切って間引きましょう。
摘心(てきしん)をする方法
わき芽を増やし、たくさんの花を咲かせたい場合は、本葉が4枚になったあとに出てくる芽を一度摘心して育てると、バランスよく花を咲かせることができます。ただし、花は少し小ぶりになります。
大輪にするには「摘心をしない」
- 大輪の花を咲かせたい場合には摘芯はしません。茎をまっすぐに伸ばして育てる「1本立ち」にして育てます。
- 茎の頂点に複数のつぼみがでてきたら、3輪ほど残して他のつぼみを摘蕾(てきらい)し、栄養を摂られないようにします。
地植えのコツ⑥苗の植え替え
ポットの底穴から根が出ていれば定植時期です。植え方で気をつけるポイントは植え替え時期のタイミングです。向日葵は生長が早く移植をあまり好まないので、生長しすぎた苗は根が弱り根付かずに枯れることもあります。苗の植え方は根が傷つかないようにポットから出し、間隔を20cm~40cmにして植え替えます。定植後は月に一度は化学肥料を追肥しましょう。
ひまわりの上手な手入れ方法
手入れ方法①病気と害虫
病気
梅雨の時期など雨が多いと発生するのが、葉に淡黄から淡褐色の病斑がまだらに現れる「べと病」です。植え方が密集してしまったら、葉の剪定をし排水を良くして土が過湿にならないように注意します。対策として根元にワラを敷いたり、雨のあとは殺菌剤を散布して予防をします。
害虫
高温乾燥時に葉がカサカサになり葉色が黄色みになっていたら、ハダニを疑いましょう。また、葉の裏側を見たとき、白い虫がついていたらオンシツコナジラミで、アブラムシやズイムシにも注意です。最近増えたのはハモグリバエといって葉に卵を産みつけ、幼虫が筋を書くように栄養分を吸う害虫です。根から吸収させる殺虫剤を株元にまいて駆除や予防をします。
手入れ方法②水やり
土が水持ちのよい培養土の地植えの場合は、生育がすすんできたら水やりも減らしていきます。ただし、大輪ひまわりの場合は葉が大きく草丈が高くなれば、夏の日ざしで葉がしおれるので毎日の水やりは必要になります。早朝か夕方に一度はたっぷり水やりをしてください。
手入れ方法③支柱
高性種の向日葵は茎が伸びてきたら、風やつぼみの重さで曲がったり折れたりしないように支柱を立てます。高性種の場合は背丈が40cmになる頃には、支柱を準備しておきましょう。支柱のサイズは太さ10mm~16mmで、1.8mくらいの長さで丈夫なものを選びましょう。
支柱の立て方・茎の誘引と結び方
支柱は、苗の根元から5cm~10cm離したところに直立で挿し立てます。麻ひもや園芸用のワイヤーバンドを使い茎と支柱を結び留めます。まず茎にひもをかけて、茎が太くなるのを想定し、輪にゆとりをもたせながら3~4回ねじり、上から見た時に8の字になるように、そのまま支柱側にひもを1~2回まわしかけてしっかりと結びます。
手入れ方法④追肥
ひまわりは丈夫なので追肥もほとんど必要なく元気に育ちます。ただし、花芽がうまく育っていない場合は肥料を与えてみます。花つきをよくする肥料はリン酸の多いものです。リン酸配合の液体肥料を月2回程度与えます。
肥料の成分に要注意
注意したいのは窒素の多い肥料を避けることです。窒素は葉を茂らせる成分なので、葉が増えると栄養分を葉に取られてしまいます。
手入れ方法⑤剪定
ひまわりの剪定はあまり必要がないといわれます。ただし、わき芽から新しいつぼみが出てきていたら、先に咲いている花を剪定し切っておくと、新しいつぼみに栄養が行き渡りよく育ちます。枯れた葉っぱも剪定するようにしましょう。
花がら摘み
1つの茎に1つの花にした場合は花がらを摘む必要はありません。次の年用に種を採る場合は、枯れたらしばらくそのままにしておきます。種採りしない場合は株をそのまま抜き取ります。多花性にした場合は、枯れた花の花茎のつけ根から切り取ります。
次のページでは、種の採り方と保存方法、プランターで育てる方法、秋や冬に咲くひまわりについて、ご紹介します。
出典:写真AC