マトリカリア(ナツシロギク)の育て方|管理
施肥
肥料は、9月下旬から11月と、3月から5月に、3週間に1度の割合で緩効性肥料を施します。
鉢植えの場合、春には液肥を!
病害虫対策
マトリカリアにつきやすい虫はアブラムシとハダニです。アブラムシは見つけたらすぐに駆除します。手で取り除くか、水で洗い落します。アブラムシがつかないように、剪定をして風通しを良くしておくのがコツです。ハダニは乾燥が続くと発生してしまいます。葉裏に水をかけて対処します。天然成分の防虫剤を使ってもいいですね。
春
支柱立て
草丈が1メートルほどになる品種の場合は、4月ころに支柱を立てます。矮性種には必要ありません。
ボタニ子
フェンスが支柱代わりに!
初夏~夏
花がら摘みと透かし剪定
咲かせっ放しにしていると風通しが悪くなります。切り花にするなど、適度に剪定しながら育てるのがおすすめです。ドライフラワーにもできますよ。混み合った茎や傷んだ茎は剪定します。咲き終わった花がらは株元に近いところで剪定して風通しをよくします。庭植えも、鉢植えも同じです。
夏越しの剪定
花の季節が過ぎたら、株元からばっさり剪定して夏越しします。
冬
越冬
無事に夏越しできた苗は、株元に新芽をつけて越冬します。耐寒性はありますが、霜で凍らせないように気をつけましょう。鉢植えは、軒下や屋内に取り込みます。庭植えの場合は、藁や腐葉土で覆うか、簡単なビニールトンネルなどで霜から守ってあげましょう。または、鉢上げ(プランターに植え替え)して、軒下に移すのも工夫の一つです。
マトリカリアの増やし方
種を採取する
マトリカリアの種はとても小さいので、種を採るには、花の終わりに小さな袋をかけておきます。熟した頃に花茎ごと切り取って採取します。
挿し芽で増やす
マトリカリアは挿し芽で増やすことができます。挿し芽に適した季節は、6月から7月と秋です。株元の新芽を4cmくらいの大きさに切り取って挿し穂にします。種まき・挿し芽用土か、赤玉土を入れたポリポットに挿し、根がでたら植え替えます。
マトリカリアの園芸品種
一重咲き
シングルペグモ
名前 | マトリカリア「シングルベグモ」 |
特徴 | 白い花、一重咲き |
マーガレットの花に似た一重咲きの品種です。花の大きさは2cmほど、草丈は1メートル程度に伸びます。一重咲きマトリカリアは、「シングルスノー」「マリー」など品種があります。
八重咲き
ホワイトワンダー
名前 | マトリカリア「ホワイトワンダー」 |
特徴 | 白、八重咲き |
ホワイトワンダーは、白い八重咲きの品種です。花の大きさは、2~3cmで、草丈はそれほど高くなりません。切り花「イチゴミルク」や「ブルーワンダー」はホワイトワンダーを染色した八重咲きの花です。八重咲きのマトリカリアは、他に「クロノパーツホワイト」「ダブルスター」「雪見」などの品種があります。
アネモネ咲き
サンタナ・イエロー
名前 | マトリカリア「サンタナイエロー」 |
特徴 | 黄色、アネモネ咲き、矮性 |
サンタナ・イエローは、中心部の筒状花がクリーム色で、外側に白い舌状花(長い花びらのような花)が広がるアネモネ咲き(丁子咲き)の品種です。八重咲きの一種です。花の大きさは2~3cmほどです。矮性種で、草丈は15~30cmです。八重咲きでアネモネ咲き風の品種は他に「ホワイトダイアモンド」「カルロス」「ホワイトボール」などがあります。
ポンポン咲き
ゴールデンボール
名前 | マトリカリア「ゴールデンボール」 |
特徴 | 黄色、ポンポン咲き |
ゴールデンボールは小ぶりの黄色いポンポン咲きの品種です。花の大きさは約2cm、草丈は40cm前後です。
スノーボール・エキストラ
名前 | マトリカリア「スノーボール・エキストラ」 |
特徴 | 白、ポンポン咲き |
スノーボール・エキストラは白いポンポン咲きの品種です。可愛いポンポン咲きはアレンジメントに良く使われます。
マトリカリアの仲間
ヨモギギク属
除虫菊
名前 | 除虫菊、シロバナムシヨケギク(白花虫除菊) |
学名 | Tanacetum cinerariifolium |
分類 | キク科タナセツム属(ヨモギギク属) |
原産地 | 原産地 地中海沿岸 バルカン半島 |
開花時期 | 5月~6月 |
除虫菊は、マトリカリアの仲間です。日本には明治時代に渡来し、かつては殺虫剤(蚊取線香など)の原材料として盛んに栽培されていました。現在は主に観光用に栽培されています。因島の重井西港斜面の除虫菊畑が有名な観賞スポットです。
タンジー
名前 | タンジー、ヨモギギク(蓬菊) |
学名 | Tanacetum vulgare |
分類 | キク科タナセツム属(ヨモギギク属) |
原産地 | 原産地ヨーロッパ、中央アジア |
開花時期 | 8月~9月 |
タンジー(ヨモギギク)は、小さなポンポン咲きの花です。草丈1メートルほどになり、葉は羊歯に似ています。防虫や染料として利用されます。日本には、変種のエゾヨモギギクが北海道に自生しています。
旧分類の仲間
ジャーマンカモミール
名前 | ジャーマンカモミール、カミツレ |
学名 | Matricaria chamomilla |
分類 | キク科コシカギク属 |
原産地 | ヨーロッパ~中央アジア |
開花時期 | 3月~6月 |
2センチほどの大きさの白い花は、マトリカリアに良く似ています。旧分類では、マトリカリアもコシカギク属(マトリカリア属)に分類されていました。ジャーマンカモミールとマトリカリアは葉と香りで見分けられます。マトリカリアは葉も香りも菊に似ています。一方カモミールの葉は細く、花はリンゴに似た香りがします。
まとめ
マトリカリアの花束や群れて咲いている姿は可憐ですね。花言葉は「集う喜び」ですが、説明が要らないくらい納得します。地域によっては夏越しは難しいかもしれませんが、その場合は二年草とわりきって、庭で栽培できたら素敵ですね。
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出典:写真AC