花が咲く多肉植物その⑦:カランコエ属
アフリカやアラビア半島を原産地とするカランコエは、育てやすさと豊富な花色、ユニークな葉が人気の多肉植物です。熱帯地域を原産地としているため乾燥には強いのですが、寒さや多湿に弱いという弱点があります。そのため、日本では鉢植えで育てるのが一般的です。
名前の由来・意味
カランコエという名前の由来には、二つの説があります。一つは同属の植物の中国名「加藍菜」の発音が語源となったという説です。もう一つは、古代インドの言葉で「赤さび」を意味する「kalanka」と、「照り」を意味する「chaya」を由来とする説です。
カランコエ属の花言葉
カランコエ属の花言葉は「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」「おおらかな心」「あなたを守る」です。「幸福を告げる」は釣り鐘状に咲く花を、幸せを告げる鐘に見立てました。「たくさんの小さな思い出」は、カランコエの小さく可愛い花が、たくさん咲く様子に由来しています。「おおらかな心」「あなたを守る」は、どのような土地にも咲く丈夫さが由来です。
学名 | Kalanchoe |
科名 | ベンケイソウ科 |
属名 | カランコエ属(リュウキュウベンケイ属) |
和名 | 紅弁慶(ベニベンケイ) |
原産地 | マダガスカル、東アフリカ、南アフリカ、アラビア半島など |
開花時期 | 1月~5月 |
おすすめのカランコエ属の品種①:福兎耳(フクトジ)
白い毛に覆われた葉がうさぎの耳に似てることから、「福兎耳」と名づけられた、見た目も名前も可愛い多肉植物です。葉は新しいうちは真っ白で、成長していくにつれて緑がかってきます。開花時期には、小さくて可愛いピンク色の花を咲かせますよ。
おすすめのカランコエ属の品種②:月兎耳(ツキトジ)
福兎耳と同じく、うさぎの耳に似てる葉を持つ多肉植物です。葉色は本来は緑ですが、細かい毛に覆われているため、青灰色に見えます。日光を好みますが、夏の直射日光に当たると葉焼けしてしまうため、夏は日陰で育てたほうがよいでしょう。開花時期には、オレンジ色の花を咲かせます。葉は福兎耳に似てる月兎耳ですが、花はあまり似てません。
花が咲く多肉植物その⑧:コノフィツム属
ぷっくりとしたユニークな外見が魅力のコノフィツム属は、「メセン(女仙)類」「メセンの仲間」と呼ばれている多肉植物です。夏に休眠し、冬に成長期を迎えるという珍しい特徴があります。葉色は緑色が一般的ですが、クリーム色や褐色の品種も存在します。巻いた花や縮れた花など、変わり咲きの品種が存在するのも大きな特徴です。
コノフィツム属の花言葉
コノフィツム属の花言葉は「似た者同士」です。コノフィツム属は、成長するごとに独特のぷっくりとした葉を群生させていく性質を持っています。独特の可愛い葉が並んでいる姿を、よく似てる者同士が並び立っている様子にたとえたのでしょう。
コノフィツム属の基本データ
学名 | Conophytum |
科名 | ハマミズナ科 |
属名 | コノフィツム属 |
別名 | 玉型女仙(タマガタメセン) |
原産地 | 南アフリカ |
樹高・草丈 | 2~10cm前後 |
開花時期 | 9月~1月(品種によって異なる) |
花色 | 赤、白、ピンク、黄、オレンジ、紫、複色 |
おすすめのコノフィツム属の品種:花園(ハナゾノ)
日本生まれの花園は、足袋のような形状の葉が特徴の中型品種です。日本で生まれた園芸品種の中でも、もっとも古い種の一つとして記録にも残されています。開花時期には、珍しい赤みがかったオレンジ色の花をつけます。メセン類は耐暑性が低いものが多いのですが、この花園は比較的丈夫で夏越しもしやすいです。
コノフィツム属の中では育てやすいことから、コノフィツム属の入門品種とされているよ。
花が咲く多肉植物その⑨:アロエ
縁にトゲがついた青緑色の細長い葉が特徴的なアロエは、暑さや寒さに強く、直射日光にも耐えられる強健さから、初心者向け品種とも言われている多肉植物です。非常に種類が多く、原種だけでも約500種類存在すると言われています。バリエーションも豊富で、5cmほどしか育たない小さい品種もあれば、20mまで育つ大きな品種もあります。
名前の由来・意味
アロエという名前の由来は、古代アラビア語で「苦味」という意味を持つ「alloeh(アロッホ)」です。アロエの葉が非常に苦いことから、この名前がつきました。
アロエの基本データ
学名 | Aloe |
科名 | ススキノキ科 |
属名 | アロエ属 |
別名 | ロカイ、医者いらず |
原産地 | 南アフリカ、アラビア半島、マダガスカルなど |
樹高・草丈 | 2~20m |
開花時期 | 12月~2月、不定期(種類による) |
花色 | 赤、オレンジ、黄、複色 |
アロエ属の花言葉
アロエの花言葉は「健康」「万能」「苦痛」「悲嘆」です。「健康」と「万能」はアロエが高い薬効効果を持っていることに由来しています。「苦痛」と「悲嘆」の由来には二つの説があります。一つはアロエの葉を食べると非常に苦いことが語源であるという説、もう一つは葉の縁のトゲに由来しているという説です。
おすすめのアロエ属の品種:キダチアロエ
キダチアロエは古くから薬用として用いられた歴史を持つ品種です。便秘改善や傷・火傷の回復、保湿などに効果があるとされ、「医者いらず」と呼ばれています。ただし、観賞用として栽培されているキダチアロエには、薬効成分はあまりないため注意しましょう。条件が合えば、冬に個性的な花びらを持つ赤い花やオレンジ色の花を咲かせてくれますよ。
キダチアロエの花は毎年必ず咲くわけではないから注意してね。
花が咲く多肉植物その⑩:クラッスラ属
クラッスラ属は非常に種類が多い多肉植物です。確認されている種だけでも500種類を超えます。そのため花色や形状もバリエーションが豊富で、多くの品種が鑑賞用植物として栽培されています。日本へは観賞用植物として伝来したため、植物学上の名前と違う名前がつけられている品種が多いです。
「金のなる木」「桃源郷」「青鎖竜」「茜の塔」など、ユニークな名前がつけられている品種が多いのも特徴です。
名前の由来・意味
クラッスラ(Crassula)の名前は、ベンケイソウ科(Crassulaceae)に由来しています。これはクラッスラ属が、ベンケイソウ科を代表する属だからです。
クラッスラ属(金のなる木)の花言葉
クラッスラ属、正確にはクラッスラ属の代表品種「金のなる木」の花言葉は「一攫千金」「富」「幸運を招く」「不老長寿」です。「一攫千金」「富」「幸運を招く」は、肉厚の丸い葉が、硬貨に似てることに由来しています。「不老長寿」は常緑性であることからきているのでしょう。縁起のよい植物として、開業・開店祝いや新築祝いの贈り物とされることが多いです。
金のなる木は、風水でも金運や繁栄を招く植物として扱われているよ。
クラッスラ属の基本データ
学名 | Crassula |
科名 | ベンケイソウ科 |
属名 | クラッスラ属 |
原産地 | 南アフリカ、東アフリカ、マダガスカル |
樹高・草丈 | 2cm~1m |
開花時期 | 4月~12月 |
花色 | 赤、オレンジ、ピンク、白 |
おすすめのクラッスラ属の品種①:金のなる木(カネノナルキ)
金のなる木はクラッスラ属の代表的品種です。変わった名前の由来は、流通し始めた頃、ある業者が新芽に五円玉を通し、お金が実っているように見せかけて販売していたことからきています。別名として、「花月(カゲツ)」「縁紅弁慶(フチベニベンケイ)」「成金草(ナリキンソウ)」などがあります。開花時期には可愛いピンク色や白い花を咲かせますが、大株にならないと咲きにくい品種もあるため注意しましょう。
金のなる木の葉は、成長すると赤い縁取りが入ります。さらに寒くなると紅葉し、全体が赤く染まります。その様子も美しいですよ。
おすすめのクラッスラ属の品種②:火祭り
火祭りは、クラッスラ属の中でも紅葉が美しいことで知られている品種です。秋以降、寒くなると葉が鮮やかな赤い色に染まります。開花時期に小さな白い花を咲かせますが、この品種の最大の魅力はやはり紅葉で赤く染まった葉です。美しく紅葉させるために、日当たりのよい場所でたっぷりと光を浴びさせ、水と肥料は控えめにして栽培しましょう。
まとめ
花が咲く多肉植物は、バラや牡丹もビックリするような華やかなものもあれば、野に咲くスミレや野菊を連想させる可憐なものもあります。園芸初心者にもおすすめできる育てやすい品種も多いので、興味がわいたら栽培に挑戦してみてくださいね。
育てやすくて、幸せを運ぶ意味のよい花言葉がそろっているカランコエは、贈り物にも最適です。相手の幸せを願うメッセージと共に贈ると喜ばれますよ!