ジャボチカバとは何か?果物?植物としての特徴から食べ方までご紹介!

ジャボチカバとは何か?果物?植物としての特徴から食べ方までご紹介!

ジャボチカバとは何かわかりますか?日本ではあまり馴染みがありませんが、南米原産のトロピカルフルーツです。この植物は、実が直接幹になるという不思議な特徴をもっています。この記事ではジャボチカバはどんな植物で、どんな味がする果物なのかまとめてみました。

記事の目次

  1. 1.ジャボチカバとは?
  2. 2.ジャボチカバの果物としての特徴
  3. 3.ジャボチカバの植物としての特徴
  4. 4.ジャボチカバの日本での栽培
  5. 5.ジャボチカバの食べ方
  6. 6.まとめ

ジャボチカバとは?

ジャボチカバ
Photo by gabriel_alves
ボタニ子

ボタニ子

うわ何これ。木に黒い物体が寄生しているよ。どうなっているの?

これはジャボチカバっていう南米の植物だよ。木から生えているのは、ジャボチカバの実で、人気の果物なんだよ。

ボタニ子

ボタニ子

へー。こんな果物もあるんだね。どんな味がするのかな?

ジャボチカバについて興味がでてきたみたいだね。では、ジャボチカバのことについて解説していくよ。

基本情報

分類 フトモモ目
和名 ジャボチカバ
英名 Jabuticaba
学名 Plinia cauliflora (Mart.) Kausel
別名 キブドウ、ブラジリアングレープツリー

ジャボチカバの名前の由来

ジャボチカバの名前の由来は、ブラジル先住民族の言葉(「亀」と「果物」と「場所」)からきています。この3つ言葉の合成語が、そのまま名前となっているわけです。ジャボチカバは、水辺を好むという特徴がありますが、それが語源の意味にも表れていますよね。また、学名のcaulifloraは、幹に花がつく意味になります。これもジャボチカバの特徴がそのまま名前になっています。

原産地

南アメリカ
Photo byWikiImages

ジャボチカバの原産地はブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ボリビアなどの南アメリカ大陸を中心とした亜熱帯地域の国々です。その起源はブラジル太西洋側山間地の川辺付近で、川の流域に沿って各地に広がったと言われています。いまではブラジルのどこの家庭でも植えられている身近な果物です。

花言葉

ジャボチカバの花

出典:写真AC

幹に花をつけるジャボチカバの花言葉は「神秘」です。白い可愛らしい花が幹に直接咲く不思議な生態が花言葉の由来になっています。同じ花言葉をもつ植物に神秘的な美しさを放つガーベラがあります。もう一つ、ジャボチカバには「永代」という花言葉があり、こちらは一度植えると孫の代まで収穫できるという言い伝えからきています。

ジャボチカバの果物としての特徴

見た目や味

ジャボチカバ

出典:写真AC

ジャボチカバは実の大きさはブドウの巨峰と同じ直径2~3cmくらいになります。皮はブラジリアングレープツリーと言われるだけあってブドウに似た黒紫色をしており、やや厚いです。果肉はライチに似た白色もしくはピンク色の半透明でジューシーな感じがします。味は酸っぱくてすっきりした甘みがあり、ブドウやライチに近い味がします。

ジャボチカバの香り

ジャボチカバの匂いは、果肉部分は酪酸エチルや酢酸エチルの成分で構成されており、フルーティーなパイナップルのような果実臭とリンゴやブドウのような甘い匂いが合わさった香りがします。果皮部分は、セロリやユーカリのようやツンとした青臭いの香りがします。

栄養

ジャボチカバのみ
Photo by SantaRosa OLD SKOOL

ジャボチカバは栄養成分には以下の成分が含まれています。

ジャボチカバ成分100gあたり(種子を除いた果実全体)

ビタミンC 27mg
全ポリフェノール 410mg

ジャボチカバはビタミンCが豊富に含まれており、パイナップルと同程度の成分量が含まれています。一方で、ポリフェノール量は、同じような果実のブルーベリーが100gあたり約300mgですので、410mgはかなり高い値といえます。

果皮部分はタンニンが豊富

ジャボチカバの果皮部分は多くの抗酸化物質であるタンニンが豊富に含まれています。このことから、ブラジルでは伝統的に皮を乾燥して煎じて飲むことで、喘息や下痢の治療に用いられていました。ただ、この皮はかなり渋いので、生食のときは取り除いてから食べるといいでしょう。

ジャボチカバの植物としての特徴

ジャボチカバの木
Photo by Vânia Wolf

基本情報

園芸分類 果樹
大きさ 0.5m~3m
耐寒性 普通
耐暑性 普通
花色
開花期 6月~11月

ジャボチカバには、大葉系・中葉系・小葉系の三つの品種があり、四季成り性の大葉系・中葉系と一季成り性の小葉品種にわけることができます。実の大きさは中葉系が一番大きいです。

結実

ジャボチカバの花
Photo by Norberto Januszkiewicz de Freitas

ジャボチカバの最大の特徴は幹に花を咲かせることです。一方でジャボチカバは成長の遅い植物で、種から育てた場合、小葉系だと結実するまで10年ぐらい長い年数がかかります。接ぎ木苗でも着花までに5~6年の年数が必要です。ただ、自家結実性なので一度着花しだすと毎年着花して安定的に結実しだすようになります。結実のしかたは品種間で異なっており、大葉品種は幹全体に付き、小葉系は房のように密集して付きます。

ジャボチカバの日本での栽培

栽培適地

出典:写真AC

ジャボチカバは、原産地のブラジルの比較的冷涼な地域の植物のため、-3℃程度までの耐えられるなど比較的寒さには強いです。しかし、霜に当たると葉や木が傷んでしまうので無霜地域以外では露地栽培は避けた方がよいでしょう。鉢植えの場合は、冬場は軒下や温室に置くことで越冬させることができますが、ジャボチカバは乾燥には弱いので注意が必要です。

入手方法

ジャボチカバ

参考価格: 1,400円

出典: Amazon
Amazon1,400円
楽天

珍しい植物のジャボチカバですが、日本における知名度も最近あがっており、ネット通販であれば簡単に苗が手に入るようになりました。大きな接ぎ木苗を購入すれば実をつけるまでの年数が短くてすみますが、数万円と高額になります。時間に余裕のある方は、安い苗を購入してゆっくりと見守ってあげてください。種から育てる方法もありますが、実をつけるまでかなりの年数を要しますのでご了承ください。

ジャボチカバの育て方!美味しい果実を実らせるための栽培のコツは?のイメージ
ジャボチカバの育て方!美味しい果実を実らせるための栽培のコツは?
一度見たら忘れられない強烈な見た目のジャボチカバ。かわいいと思うか気持ち悪いと思うか、意見が分かれそうです。でも、実を一つ手に取って、口に入れれば爽やかな香り。今回はジャボチカバの育て方や増やし方のコツについて説明します。育て方は難しくありませんよ。

ジャボチカバの食べ方

生食での食べ方

出典:写真AC

ジャボチカバは現地では多く生産されており生食でよく食べられています。緑色の未熟果は酸味が強いので、黒紫色に熟してから食べるようにしましょう。ただ、ジャボチカバは非常に日持ちがしない果物です。樹上のジャボチカバも完熟後数日経過すると、みずみずしさが減りワインのような発酵臭がします。生食をするなら、収穫してからすぐ食べるのがおすすめです。

ジャボチカバの保存方法

収穫後全部食べられないときは、冷凍庫に保存するとよいでしょう。冷蔵庫では一日程度しか持たないでしょう。また、乾燥してドライフルーツにする方法もあります。種を外してからドライフルーツにすると、ギュッとジャボチカバの味が濃縮されているおいしいドライフルーツになります。しかもドライフルーツであれば、ポリフェノールが豊富に含まれている果皮部分も摂取することができるため、健康にもよいとされます。

加工品

ジャボチカバの加工品①

出典:写真AC

ジャボチカバの最も簡単な加工品はジャムです。皮を取り除いてジャムにすれば甘くて渋みのないジャムができますが、皮ごとジャムにした場合は、非常に高いポリフェノールが含まれたジャムができます。パンやヨーグルトとの相性はとてもよいです。

ジャボチカバの加工品②

出典:写真AC

ジャボチカバは現地ではワインとして生産されることが多いです。このジャボチカバワインは、ブドウの赤ワインにはほとんど含まれていない機能性成分が含まれており、今後は市販の赤ワインと差別化されて販売されることが期待されています。

まとめ

出典:写真AC

いかがだったでしょうか。幹から生える不思議な果物ジャボチカバは、一度は食べてみたいと感じる魅力的な果物ですね。また、あまりに密集しすぎたジャボチカバの樹はかなりのインパクトがあります。日本で食べるためには自分で育てるしかほぼ手段がありませんので、是非見ても食べても楽しめるジャボチカバを育ててみてはいかがでしょうか。

dodon
ライター

dodon

農業普及指導員経験者。得意分野は農畜連携と牧草生産。草と農業者とのたたかいは有史以来おこなわれております。

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