ジャボチカバとは?
ボタニ子
これはジャボチカバっていう南米の植物だよ。木から生えているのは、ジャボチカバの実で、人気の果物なんだよ。
ボタニ子
へー。こんな果物もあるんだね。どんな味がするのかな?
ジャボチカバについて興味がでてきたみたいだね。では、ジャボチカバのことについて解説していくよ。
基本情報
分類 | フトモモ目 |
和名 | ジャボチカバ |
英名 | Jabuticaba |
学名 | Plinia cauliflora (Mart.) Kausel |
別名 | キブドウ、ブラジリアングレープツリー |
ジャボチカバの名前の由来
ジャボチカバの名前の由来は、ブラジル先住民族の言葉(「亀」と「果物」と「場所」)からきています。この3つ言葉の合成語が、そのまま名前となっているわけです。ジャボチカバは、水辺を好むという特徴がありますが、それが語源の意味にも表れていますよね。また、学名のcaulifloraは、幹に花がつく意味になります。これもジャボチカバの特徴がそのまま名前になっています。
原産地
ジャボチカバの原産地はブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ボリビアなどの南アメリカ大陸を中心とした亜熱帯地域の国々です。その起源はブラジル太西洋側山間地の川辺付近で、川の流域に沿って各地に広がったと言われています。いまではブラジルのどこの家庭でも植えられている身近な果物です。
花言葉
幹に花をつけるジャボチカバの花言葉は「神秘」です。白い可愛らしい花が幹に直接咲く不思議な生態が花言葉の由来になっています。同じ花言葉をもつ植物に神秘的な美しさを放つガーベラがあります。もう一つ、ジャボチカバには「永代」という花言葉があり、こちらは一度植えると孫の代まで収穫できるという言い伝えからきています。
ジャボチカバの果物としての特徴
見た目や味
ジャボチカバは実の大きさはブドウの巨峰と同じ直径2~3cmくらいになります。皮はブラジリアングレープツリーと言われるだけあってブドウに似た黒紫色をしており、やや厚いです。果肉はライチに似た白色もしくはピンク色の半透明でジューシーな感じがします。味は酸っぱくてすっきりした甘みがあり、ブドウやライチに近い味がします。
ジャボチカバの香り
ジャボチカバの匂いは、果肉部分は酪酸エチルや酢酸エチルの成分で構成されており、フルーティーなパイナップルのような果実臭とリンゴやブドウのような甘い匂いが合わさった香りがします。果皮部分は、セロリやユーカリのようやツンとした青臭いの香りがします。
栄養
ジャボチカバは栄養成分には以下の成分が含まれています。
ジャボチカバ成分100gあたり(種子を除いた果実全体)
ビタミンC | 27mg |
全ポリフェノール | 410mg |
果皮部分はタンニンが豊富
ジャボチカバの果皮部分は多くの抗酸化物質であるタンニンが豊富に含まれています。このことから、ブラジルでは伝統的に皮を乾燥して煎じて飲むことで、喘息や下痢の治療に用いられていました。ただ、この皮はかなり渋いので、生食のときは取り除いてから食べるといいでしょう。
ジャボチカバの植物としての特徴
基本情報
園芸分類 | 果樹 |
大きさ | 0.5m~3m |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
花色 | 白 |
開花期 | 6月~11月 |
ジャボチカバには、大葉系・中葉系・小葉系の三つの品種があり、四季成り性の大葉系・中葉系と一季成り性の小葉品種にわけることができます。実の大きさは中葉系が一番大きいです。
結実
ジャボチカバの最大の特徴は幹に花を咲かせることです。一方でジャボチカバは成長の遅い植物で、種から育てた場合、小葉系だと結実するまで10年ぐらい長い年数がかかります。接ぎ木苗でも着花までに5~6年の年数が必要です。ただ、自家結実性なので一度着花しだすと毎年着花して安定的に結実しだすようになります。結実のしかたは品種間で異なっており、大葉品種は幹全体に付き、小葉系は房のように密集して付きます。
ジャボチカバの日本での栽培
栽培適地
ジャボチカバは、原産地のブラジルの比較的冷涼な地域の植物のため、-3℃程度までの耐えられるなど比較的寒さには強いです。しかし、霜に当たると葉や木が傷んでしまうので無霜地域以外では露地栽培は避けた方がよいでしょう。鉢植えの場合は、冬場は軒下や温室に置くことで越冬させることができますが、ジャボチカバは乾燥には弱いので注意が必要です。
入手方法
珍しい植物のジャボチカバですが、日本における知名度も最近あがっており、ネット通販であれば簡単に苗が手に入るようになりました。大きな接ぎ木苗を購入すれば実をつけるまでの年数が短くてすみますが、数万円と高額になります。時間に余裕のある方は、安い苗を購入してゆっくりと見守ってあげてください。種から育てる方法もありますが、実をつけるまでかなりの年数を要しますのでご了承ください。
ジャボチカバの食べ方
生食での食べ方
ジャボチカバは現地では多く生産されており生食でよく食べられています。緑色の未熟果は酸味が強いので、黒紫色に熟してから食べるようにしましょう。ただ、ジャボチカバは非常に日持ちがしない果物です。樹上のジャボチカバも完熟後数日経過すると、みずみずしさが減りワインのような発酵臭がします。生食をするなら、収穫してからすぐ食べるのがおすすめです。
ジャボチカバの保存方法
収穫後全部食べられないときは、冷凍庫に保存するとよいでしょう。冷蔵庫では一日程度しか持たないでしょう。また、乾燥してドライフルーツにする方法もあります。種を外してからドライフルーツにすると、ギュッとジャボチカバの味が濃縮されているおいしいドライフルーツになります。しかもドライフルーツであれば、ポリフェノールが豊富に含まれている果皮部分も摂取することができるため、健康にもよいとされます。
加工品
ジャボチカバの加工品①
ジャボチカバの最も簡単な加工品はジャムです。皮を取り除いてジャムにすれば甘くて渋みのないジャムができますが、皮ごとジャムにした場合は、非常に高いポリフェノールが含まれたジャムができます。パンやヨーグルトとの相性はとてもよいです。
ジャボチカバの加工品②
ジャボチカバは現地ではワインとして生産されることが多いです。このジャボチカバワインは、ブドウの赤ワインにはほとんど含まれていない機能性成分が含まれており、今後は市販の赤ワインと差別化されて販売されることが期待されています。
まとめ
いかがだったでしょうか。幹から生える不思議な果物ジャボチカバは、一度は食べてみたいと感じる魅力的な果物ですね。また、あまりに密集しすぎたジャボチカバの樹はかなりのインパクトがあります。日本で食べるためには自分で育てるしかほぼ手段がありませんので、是非見ても食べても楽しめるジャボチカバを育ててみてはいかがでしょうか。
うわ何これ。木に黒い物体が寄生しているよ。どうなっているの?