ハコネウツギの病害虫の防ぎ方
ハコネウツギは丈夫な花なので病気や害虫にも比較的強い傾向にありますが、栽培環境によっては被害を受けることもあります。適切でない時期に強剪定を行ったり、1日中日陰になっている場所で育てたりすることは避けましょう。
病気
ハコネウツギはうどんこ病というカビが原因の病気にかかることがあります。発生しやすいのは梅雨の頃ですが、葉がついている時期であればいつでも症状が出ます。ひどくなると葉が枯れる、弱って花が咲かないといった状況に発展することもありますので、早めの対策が重要です。初期段階であれば薬剤の使用で繁殖を抑えられます。予防としては、日当たりや風通しを常にいい状態に保っておくことが効果的です。
害虫
ハコネウツギは害虫にも強いため、特別な害虫対策は必要ありません。春から秋にかけて、新芽付近にアブラムシが発生します。また、夏にはオオルリコンボウハバチの幼虫が葉を食べることもあります。
ハコネウツギの剪定のやり方
ハコネウツギは成長が速いので、毎年の剪定が欠かせません。きちんとした方法で剪定を行ってあげれば、華やかな花を毎年咲かせてくれますよ。ここからは剪定の時期や方法について、詳しくご紹介していきます。
剪定の目的
毎年のこまめな剪定を行う目的は、日当たりや風通しをよくしてハコネウツギの成長を促すことです。また、はみ出している枝や花芽を取り除くことによって、見た目もよくする効果があります。
剪定の時期
ハコネウツギの剪定に適した時期は、花が咲き終わった後すぐと、落葉期である12月から3月の上旬です。ハコネウツギは花が枯れた後、翌年に花をつける花芽が作られるまでが早いことが特徴です。来年分の花芽は9月には既に作られますので、花後に剪定(特に強剪定)を行う場合にはできるだけ早く行うようにしましょう。
剪定の方法
まず伸びすぎている枝を切って、必要に応じて間引きも行います。高さを抑えたい場合や仕立て直しをする場合は、太い枝を短く切り詰めたり、枝や花芽を多めに切り落とすといった強剪定を行うことも可能です。強剪定は前述のどちらの時期でも行えます。ただし落葉期に強剪定を行った場合、その年は花が咲かないので注意が必要です。また花後に行う強剪定でも、翌年の花芽を切り落とさないようにしてくださいね。
花が咲かない時は
丈夫で育てやすいハコネウツギですが、剪定の方法を間違えると花が咲かないこともあります。剪定の後に思ったように花が咲かない場合は、剪定の方法を見直してみましょう。ハコネウツギは春に枝を伸ばし、夏になってからその枝の先に花芽を作りますが、その花芽が開くのは翌年の初夏です。その年の春に伸びた新しい枝を切ってしまうと、来年分の花芽がなくなってしまい、花が咲かないのです。強剪定を行うことも可能な強い花ですが、切り落とす枝には注意しましょう。
ハコネウツギの増やし方(挿し木)
ハコネウツギの増やし方は挿し木によるものです。簡単に増やせます。挿し木をするのに適した時期や方法といった、詳しい増やし方について見ていきましょう。
増やし方①挿し木に適した時期
ハコネウツギの挿し木に適した時期は1年のうちに2度あって、6月から8月の上旬と、9月から10月です。その年に伸びた枝を挿し穂に使うようにしましょう。
増やし方②挿し木の方法
手順としては、まず挿し穂にする枝を15㎝ほどの長さに切り取ります。続いて葉を半分ほどの大きさにカットした後に水揚げをし、挿し木用の用土に挿しましょう。挿し木を行った後は、明るい日陰で管理しながら根が出るのを待ちます。
ハコネウツギが枯れてしまったと思ったら
実はハコネウツギは、枯れたと勘違いされやすい植物です。これは幹(枝)の内側が空洞になるという、ハコネウツギ独特の性質が理由となっています。生長とともにできるドーナツ状の空洞は、ウツギの仲間であれば珍しいことではありません。ウツギを漢字で「空木」と書くのも、この特性が由来であるという説もあります。剪定をした切り口から枝の中がぽっかり空いているのを見ても、枯れてしまったわけではないので安心してくださいね。
まとめ
ハコネウツギは日本の広い地域に自生している花なので、見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか。小ぶりの花は可憐な雰囲気ですが、暑さにも寒さにも強く、ある程度の日陰でもよく育つ強さを持っているという格好良い一面もある花です。強剪定のタイミングに気をつければ、草木を育てるのが苦手でも元気に育ってくれますよ。
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出典:写真AC