ナニワイバラの剪定方法
ナニワイバラは生育が旺盛なので、毎年花後と冬には必ず剪定をします。風通しをよくし、病気や害虫を予防するとともに、剪定と誘引でアーチなど仕立て方を工夫していきましょう。
冬の剪定
冬は12月から2月に剪定を行ってください。耐寒性があるので強い剪定でも枯れることはありません。とくに地植えの場合は生育がよいので、毎年剪定をして風通しをよくします。
花後の剪定
花後、6月〜7月に花柄を摘む作業と一緒に剪定も行います。花がつき、新しい芽のついた茎をバランスをみながら切ります。元気のない枝や枯れた枝、葉の落ちた枝も切り、風通しをよくしておきます。新しい茎は揷し木にしてもよいでしょう。
剪定のポイント
古い枝には開花しないので、新しい枝は残し、3年経った古い枝は根元から切りましょう。また、枯れた枝、葉が落ちてなくなっている枝、元気のない枝、混み合った枝も切ります。開花しやすいのは水平方向への誘引です。小枝が出やすくなり、そこに花がつきます。
ナニワイバラの鉢植えと盆栽
ナニワイバラは地植えだけでなく、鉢植えや盆栽にしても楽しめます。庭に地植えできるスペースがない場合、また大掛かりな剪定ができない場合は、鉢植えや盆栽がおすすめです。しっかり管理すれば花や実を鑑賞できます。簡単な仕立て方をご説明します。
鉢植え
鉢植えの場合、植え替える季節は秋です。9月〜10月に行います。植え替えは2年か3年に一回必ず行ってください。生育が早いので根が詰まってしまわないように注意しましょう。
植え替え
用意するもの
- 鉢(苗の2〜3倍の大きさ。植え替えることを想定して、あまり大きな鉢は避ける)
- 鉢底ネット
- 用土(バラ専用)
- メネデール
- 古い土を三分の一ほど落としておく。(根をあまり切らないよう注意)
- 鉢底ネットを入れ、軽石を2cm〜3cmほど入れて、軽石の上に土を入れる。
- 株を深植えにならないように気をつけて入れ、隙間に用土を入れていく。
- 水をたっぷり与える。
- メネデールを与える。
管理
盆栽
盆栽の場合、植え替える季節は秋で9月〜10月に行います。植え替えは2年に1回は必ず行います。生育が早いので、根が詰まってしまわないように注意してください。
植え替え
用意するもの
- 鉢(根鉢と同じくらいのもの。ツル性なので枝垂れる姿の仕立て方を想定して、高さのある鉢を用意するとよい)
- 用土(赤玉土、または赤玉土8:鹿沼土2)
- 山ゴケやはいゴケなど
- メネデール
- 根鉢を崩し、割り箸で土を落とす。長い根は半分くらい切り落とす。
- 鉢底ネットを固定し、大き目の土を鉢底が見えなくなるくらい入れる。
- 針金を鉢穴から通し、根鉢を固定する。
- 用土を隙間に入れて、水を与える。
- 用土が流れ出るのを防ぐために、苔を貼る。
- メネデールを与える。
管理
置き場は日当たりがよく、風通しのよい場所にします。剪定は12月〜2月に行ってください。水やりは、夏の間は乾くので1日2回、それ以外の季節は毎日1回、夕方に葉水を与えます。こちらもアブラムシの予防に、根元にオルトランを散布しておくとよいでしょう。肥料のやり方や剪定方法などは、鉢植えと同様です。花後は鑑賞する果実を選んで残しますが、多く残すと株が疲れてしまうので注意しましょう。秋には赤くなった果実を鑑賞できます。
ナニワイバラの病気と害虫
ナニワイバラはほとんど病気や害虫の被害はありません。病気で枯れることもないので初心者でも育てやすいバラです。ただし、少ないとはいえ以下の病害虫には注意が必要です。
名称 | 対策 | |
病気 | うどん粉病、黒星病 | 風通しをよくするために剪定を行う。肥料の与えすぎに注意する。 |
害虫 | アブラムシ | オルトランを根元に散布しておく。 |
ボタニ子
病気や害虫が付くと樹勢が落ちて、回復するまで手間がかかります。予防のため、剪定は怠らないようにしましょう。
ナニワイバラの花言葉
全てのバラの花言葉は「愛」です。ナニワイバラの花言葉も愛する心を表すものばかりです。
- 「清純な愛」
- 「静かな愛と敬意」
- 「純潔」
- 「尊敬」
- 「私はあなたにふさわしい」
漢方薬としてのナニワイバラ
ナニワイバラは漢方薬として古くから利用されてきました。実、葉、花など、全ての部分が漢方に使われますが、なかでも有名なのは「金桜子(きんおうし)」と呼ばれる果実の部分です。それ以外の部分は葉が「金桜葉」、花が「金桜花」、根が「金桜根」と呼ばれます。金桜子、金桜花、金桜根は下痢、頻尿などに用いられ、金桜葉は腫れ物、潰瘍に外用されています。
まとめ
ナニワイバラは美しく香りのある花で、トゲが多く、強健など原種らしい特徴を持ったバラでした。剪定と誘引をすればさまざまな仕立て方ができ、手軽に揷し木や種まきで増やせます。冬が終わり、新しい季節を告げるようにパッと咲き誇る姿は生命力に溢れてとても見事ですから、みなさんもぜひ栽培にチャレンジしてみてくださいね。
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出典:写真AC